Raspberrypiで打出の小槌を作る 其の2
家で転がっているラズパイで打ち出の小槌 = 自動トレードマシーンを作ることを決めたはいいものの、何を対象にした取引をしようか。
物品のオークションなどを考えたら「物」もトレード可能な資産だが、発送などの手間を考えればこれは即却下。データだけで取引できるものがよいので、金融資産及びそれに類似するものを対象にすることはまず大前提。。
しかし、金融資産と一口にいっても様々。ゆくゆくは複数の金融類似資産の取引に対応するとしても、いきなり多くの取引に対応するものを作るのは、マシンを作るのもしんどいし、ロジックをつくるのもしんどい。
ということで、まずは最初の一歩として何を取引するか決めることから始める。
## トレーディングスタイルについて
金融資産のトレードと考えたときに、まっさきに思いつくのは株式取引か外国通貨取引だろう。
これらの典型的な金融資産の儲けポイントは、保有により得られる、配当収入や利子などインカムゲインとよばれるものと、買ったときと売ったときの売買差益により儲けるキャピタルゲインがある。
キャピタルゲインをもう少し分解してみれば、『安く買って高く売る』、だけでなく、『高く売って安く買う』ということもできる。
また時間的な観点でも、数年間の長期保有による差額を期待する場合もあれば、数日、数時間など短期間での差額を期待する場合もある。
今回は、トレーディング自体で儲けることが第一目的ではなく、ラズパイで楽しく遊ぶことが第一目的なので、時間的には短期間で結果がわかることが必要。そのため、インカムゲイン目的ではなく、かつ、長期目線での取引もしない。自ずと、短期売買中心で売買差益を求めるトレードスタイルとなる。
一方で、職業トレーダーではないので、いくら例の流行病の影響でここ数ヶ月自宅勤務だからといって、24時間、板をチェックして値動きを人力で見守り続けるわけにはいかない。そのため、なんらかの方法で、取引が自動化できる金融資産が対象となる。
## リスクの許容について
一般に資産には3つのリスクがあると言われている。
価格変動リスク
流動性リスク
信用リスク
株式等は元本が保証されていないから価格変動リスクがあるし、不動産は上場株式などよりも売買したいときに即座に売買できるわけではないので流動性リスクがあるし、どこかすぐつぶれそうな会社が発行する社債は満期まで保有すれば元本は保証されているがこの会社が倒産してしまえば償還されないため信用リスクがある。
ただし、ここでのリスクというのは、一方的な危険というわけではなく、上にも下にも変動する可能性のことだと捉えておく。
リスクと言うと、リスクが少ない方が良いとなりがちだが、リスクがあるからこそ、リスクを引き受ける行為について『プレミアム』が発生し、それがトレードの旨味(や痛み)につながっている(はず、ここらへんはもっとちゃんとした理論があるはずなので)
例えば、日本が保証する通貨は、物価変動が激しくなくむしろデフレ気味だったため、一般的な日本国民にとっては、価格変動リスクが少なく、流動性リスクが少なく、信用リスクが少ない(少なくとも現在のところは!)資産と言っていいだろう。
もし、世の中の情報が全て透明で、かつ、公平に市場が開かれているとすれば、リスクが極度に低いものは、いくら買っても売っても差益を手にすることは難しい。
つまり、日本円を100万円で買って仕入れても、その日本円を次の日110万円で売ることはできない。(10年後、100年後から考えた現在価値による割引とかそういう難しい話は置いておいて。また誰かに100万円を今日貸して、110万円来年返してもらうというのは、借り手の「信用リスク」を貸し手が引き受けているから、プレミアムは発生している)
ところが、これが日本円とアメリカドルの交換となると、どちらも流動性リスク、信用リスクは低いが、通貨の交換レートは金利差や、様々な経済事情及びその予測などが絡み合って日々変化しているため、価格変動リスクが生じる。またリスクは取引主体の立場、シチュエーションによって異なる。この取引主体によってリスクの考え方が異なるおかげで、異なる通貨の交換である、外国為替通貨取引では、売買による差益差損が生じる。
今回の取組は、キャピタルゲインの中でも短期売買差益を目的とすると、ある程度リスクが高いものを選ばなければ差益( 差損)が発生させられない。
こんな風に考えると今回の取引では
- 流動性リスクが低いこと(流動性が高い、売りたいときに売れる)
- 信用リスクがまあまあ低いこと(1,2ヶ月以内に発行元が消滅してしまい価値が無になってしまうようなものは避ける)
- 価格変動リスクは高めを許容。
このようなリスク資産を対象に取引することが合理的となる。
## まとめると
- インカムゲインではなくキャピタルゲイン目的、かつ、短期売買差益目的。
- 取引を自動化する仕組みがあること。
- 価格変動リスクが高く、流動性リスク、信用リスクは低いリスク資産を対象とする。
この観点で、次回、トレーディング対象となる資産について選定していく。
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| 投資日数 | 投資金額 | 通算損益 |
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| 準備期中 | 0円 | 0円 |