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【 傑作映画から学ぼう】今月のおすすめ🌈映画『キャロル』

こんにちは。シカゴで 200 年ぶりに2000億匹クラスのセミの大群が発生すると聞き、現地はさぞ終末感あふれる様相なのであろうと想像していたら、意外にも街をあげての歓迎ムードで予想外にほっこりさせられてしまった WAKKA プロジェクトのイケダです。

この note ではざっくりと、

  • 人としてより豊かになりたい

  • 社内の風通し・働く環境をよくしたい

  • 日本の企業を盛り上げたい

といったところをゆるくゴールに設定し、もっと日本の企業をクールで働きやすく面白くしたい方向けに、企業のダイバーシティ推進LGBTQ 取り組みをサポートするための記事を書いています。

さて、今回は閑話休題、私は実は古今東西の映画を見るのが趣味なのですが、その中でおすすめの LGBTQの方々が描かれている映画のご紹介をしたいと思います。

第一回の今回ご紹介したいのは、私の大好きな映画『キャロル』です。なるべくネタバレはしないように解説したいと思いますので、ご安心して読んでいただけたら幸いです。


1. 【ここだけは見逃せない】『キャロル』の見どころ

  • 50年代ニューヨークおしゃれな衣装、髪型

  • オードリー・ヘップバーンのように可憐なテレーズ役のルーニー・マーラ

  • 妻、母、そして一人の女性の間で揺れ動きながらも、愛する人の前では美しさと品位を保とうするキャロル(ケイト・ブランシェット

  • 細い肩にそっと触れる手

  • 甘美で切ない大人の恋のストーリー

アメリカ版ポスター

2. 【ネタバレなし】あらすじ

舞台は 1950 年代のニューヨーク。雪の舞い散るクリスマス休暇前の出来事です。高級デパートのおもちゃ売り場で働くテレーズ(ルーニー・マーラ)は、稀に見る美しさと気品、そして憂いのある女性、キャロルと出会います。キャロルは娘のためのクリスマスプレゼントを探しており、テレーズの薦める鉄道セットを購入します。

売り場に忘れた手袋をきっかけに、キャロルとテレーズは急速に接近します。テレーズのことを「天から落ちたよう」と喩えるキャロル。また、キャロルの自宅に招かれたテレーズの中も、恋人のリチャードといる時には感じない感情が芽生えます。

一方、キャロルは関係の冷めた夫ハージと娘の親権の問題で揉めています。夫の自分ではなく女性に惹かれるキャロルに嫌悪と嫉妬の情を抱くハージは、母親の責務を放棄していることを理由にキャロルから親権を奪う申し立てをします。娘に会えない悲しみに暮れるキャロルはその心を癒すため、テレーズと束の間の旅に出て、幸せなひと時を過ごすのですが…。

3. 【ちょっと深掘り】見どころ解説

まずは何といっても、『キャロル』で目を引くのは50年代ニューヨークのおしゃれな衣装や髪型です。
作品によって毎回別人のように見えるルーニー・マーラですが、今回は華奢で可憐で、まだ自分の道を決めきれていない、若さゆえの未熟な美しさと儚さをあわせもつテレーズを演じています。ヘアスタイルや衣装は、やはりオードリーをモデルに衣装や髪型をデザインされたそう。

カチューシャが似合います

反対に、キャロル演じるケイト・ブランシェットは衣装はもちろんですが、佇まいや仕草がとてもエレガントで洗練されていて、まさに大人の、あこがれの女性。しかし、一見非の打ちどころのないように見えるキャロルは、夫との問題で家や娘も失ってしまう危機に瀕しています。1950年代という時代背景においては、離婚は恥だと考えられており、ましてや同性愛などもってのほかで、治療可能な「病気」だとすら思われていたのです。

テレーズが一目惚れするのもうなずけます

これまで築いてきたものが音を立てて崩壊しようとしているさ中でも、キャロルは毅然と立ち向かい、ほとんど品位を崩すようなことはありません。しかし、テレーズと出会い恋に落ちた瞬間、彼女は心をはげしく揺さぶられるのです。
二人の恋の行く末は…?そして、キャロルの下した決断は…?ぜひ映画をご覧になって、確かめてください。

実は、『キャロル』の原作はあのサスペンス小説の大家パトリシア・ハイスミス!本作はサスペンス要素はないものの、ハイスミスらしい、人間に対するある種ドライでありながらも鋭い考察を端緒に感じる、大人の恋の物語となっています。

『キャロル』はあえてカテゴライズするのであれば、レズビアンのお話だということができます。しかし、この映画のすばらしさは、LGBTQであることがどうかといった属性やカテゴリを超え、「人が誰かに恋をするということ」が描かれているところではないかと私は思っています。

『キャロル』はけっして派手な映画ではありません。しかし、ひかえめな表現の中にこそ美しさが表れるのだということを、この映画は教えてくれます。
ぜひ映画の中で何度か登場する「肩に触れる手」に注目してみてください。そっと肩に手が置かれ、そして手が離れる。画面の中に取り残される肩には、確かにそこに残る愛する人の感触が存在します。そしてそれは、かけがえのない時間と記憶と思いを呼び起こしているように、私には感じられました。

いかがでしたでしょうか?もしご覧になられたら、ぜひ皆さんの感想も聞かせていただけたら嬉しいです。

WAKKAプロジェクトは映画を通じてLGBTQについて考えるきっかけを作る活動を行っています。
これからも情報発信をする上で、皆さんにお役立てできたら嬉しいです。
これからこのような回も定期的にやっていけたらと思いますので、ぜひお楽しみに。
それでは皆さん、よい週末を!


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