<1667km離れた2つの町>真夏の鰤祭りから始まる新たな物語とは?
真夏の鰤祭り、誕生まで
私が地域プロデュースで関わっている東神楽町(北海道上川郡)にて、2022年7月30日(土)『第1回真夏の鰤祭りin東神楽町』を開催しました。この鰤を提供いただいたのが東神楽町から直線距離で1667㎞、移動距離で1941㎞も離れている鹿児島県長島町になります。当日は町民や長島町メンバーら総勢約100名の盛況なレストランイベントとして開催できました。改めて、なぜこんな鰤祭りを開催しようとしたのかのまとめと、今後どんな展開につながるのか考えていることを整理します。
平成26年から始まった東神楽町と長島町の交流
そもそもなぜ長島町なのか。これは今回突然繋がったわけではもちろんなく、東神楽町がどこか他の市町村と交流が出来ないかと模索をしていた中で東神楽町と同じ花の町をうたってることなどから長島町を知り、平成26年から子どもたちの交流事業がはじまったことがスタートです。交流事業では観光やホームステイなど地元では体験・経験できないことを経験するという素晴らしい機会につながっているようで、
真夏に東神楽町の小学生が長島町を訪れ、
真冬に長島町の小学生が東神楽町を訪れるというのを隔年で実施しています。
現在、コロナで中止を余儀なくされ、各3回ずつの訪問の後休止しており早い再開が望まれますね
行ってみたら、感動がすごかった!
交流事業には私は全く関与しておらず、そうしたつながりをうっすら認識していたぐらいでした。一方で、ここ数年私が鹿児島県に仕事で行く回数が増えていたので、そうだせっかくなら長島町にも行ってみたい!と思い、役場に長島町の担当者を紹介してもらい昨年の2021年8月に初めて長島町を訪問しました。
長島町の方々が温かく迎え入れてくれ、半日ほどかけて長島町を案内してくださいました。東神楽町では見ることが出来ない海(東神楽町では最寄りの海まで直線距離77km)、海と地形からうまれる盛んな養殖業、雄大な山と小さな島だからできる風力発電にソーラーパネルなど再生エネルギー、丸見えのトイレまで・・・魅力がありすぎて語りつくせないほど感動しました。何より役場の方々同士の意気投合感というか仲の良さというかそうした雰囲気もとても素敵でした。
子どもたちだけの交流ではもったいない
長島町を訪れて感じたのは、子どもたちとの交流だけではもったいない!でした。
もっともっと東神楽町と長島町が交流を深めることで、きっと何か両町の地方創生につながるのではないか!とピンときました。そんな思いがあった中、今年2022年に今度は山本町長と東神楽町地域商社スタッフと2回目の訪問の機会がありました。そこで改めて長島町役場の方々と熱く語り合い、やはり何かしたい!!と考え、訪問から3日後に長島町と東神楽町でやりたいこと5つをまとめた企画素案を勝手に送りました(笑)。その最初に書いたのが、相互交流としてわかりやすいフードイベントでした。長島町は養殖鰤の生産量が日本一で「鰤王」というブランドも展開しています。北海道では近年、天然鰤が水揚げされていますが道民にとってはまだまだ美味しい鰤は馴染みがなく、この美味しい鰤を食べたら感動し長島町へも興味をもってくれると考えました。そこで鰤を食べるイベントと地元の野菜を食べてもらうイベントを一つにしてしまおう!それなら夏しか野菜はない!と考えた結果生まれたのが「真夏の鰤祭り」でした。
この企画に長島町の方々が賛同してくださり、あれよあれよと今年真夏の鰤祭りの開催ができることなりました。感謝してもしきれないぐらいフットワーク軽く動いて下さりありがとうございました。
真夏の鰤祭り、開催へ
フードイベントの魅力
フードイベントを最初の企画としたのは、シンプルに分かりやすいからです。東京で毎年1回東神楽町のPRを兼ねて実施しているアスパラナイト。朝、東神楽町で収穫したアスパラガスを空港がある町という特性を活かし昼の便でアスパラガスを都内へと運び、夜にひたすら鮮度が良いアスパラガスを食べつくすという企画を実施しています。参加費もいただき、アスパラガスが好きな方が集まりひたすらに食べるのですが、東神楽町の紹介も行います。結果、美味いという感動と、アスパラナイトでは毎回町長に参加してもらっていますので、町長や私からの東神楽町PRによって東神楽町のファンが増えていきます。
今回はこうしたアスパラナイトを背景に、同じく長島町の日本一の鰤を東神楽町の方々に食べてもらうことで長島町に興味をもってもらい町と鰤を好きになってもらえると思いました。
こちらはチラシです。
会場は町内の「ブッフェレストランOMP」(開催日翌日7月31日をもって閉店)を使わせてもらいました。鰤以外にもシマアジ・タイも長島町から送っていただき、また長島町内でしか購入することが出来ない島外不出の芋焼酎も用意し楽しんでもらいました。
長島町から14名もお越し頂き盛況に開催
町の広報にもチラシをいれていただき、コロナ禍ということで集客の心配はありましたが、結果的にはほぼ満員という結果になりました。参加者の大半は長島町を知らない方々でしたので、鰤に興味をもってもらい参加してくれたのはとても嬉しかったです。
そして当日は、長島町からは役場・漁協・漁師・地域おこし協力隊の方と総勢14名もの方にお越しいただき鰤王や長島町の魅力などをたっぷりと伝えていただきました。ただ食材を送ってもらうだけではなく、長島町の方が来て下さることで記憶にもばっちり残っていきます。
長島町からの大盤振る舞い!当日の料理は豪華絢爛
メインはもちろん料理を堪能いただくことです。全部の種類の料理写真は掲載できませんが、刺身はもちろん、あらの煮つけやブリのピザ、パスタなど和洋中と様々なメニューでシェフが考案し美味しい鰤を堪能してもらいました。
長島町の紹介から鰤の解体ショーまで
レストランイベントでは、自由に来場して食べて帰るというスタイルではなく、長島町と鰤王の魅力を知ってもらうべく様々な企画も行いました。
短い時間でしたが、たくさん食べて交流して知ってもらって、間違いなく長島町と鰤王のファンを増やすことが出来たのではないかと思います。
改めて、本企画に協力いただいた長島町の方々、東神楽町役場の方々ありがとうございました。最初の一歩としては十分なイベントになったのではないかと思います。
長島町の魅力
改めて長島町の魅力をお伝えしたいのですが、綺麗にまとめられた動画があるのでこちら2本で長島町と鰤王については伝わるかと思いますのでぜひご覧いただければと思います。
動画で見る長島町と鰤王
私から見る長島町のおすすめポイント
ちなみに私が長島町を2度訪ね、東神楽町にもお越し頂いて感じた長島町の魅力はこちら!
豊富すぎる食材
養殖ブリ日本一をはじめ、海産物でもシマアジやタイ、牡蠣など色とりどりで島では浜焼きスタイルで食べられるお店もあります。そして、牛・豚・鳥と畜産も網羅し、野菜では赤土じゃがいもが県内生産量1位と農業もしっかりとあり、そしてさらに酒蔵があり、地元でしか買えない「島娘」などの希少な芋焼酎もあったりします。もう目白押しな特産品を端的に表しているのが、長島町のふるさと納税カタログ。まるで百貨店のカタログギフトのようなラインナップでびっくりします。(2021年度版長島町ふるさと納税パンフレット)交通の便が悪いからこそ、中長期滞在で島を満喫できる心地よさ
空港から2時間かかり車でしか行けないので便利とはいえないが、一方で織りなす自然と美味しい食、のんびりした雰囲気にグランピング施設などがあれば1週間とか釣りをしたり砂浜を楽しんだりとのんびりとした旅ができること間違いなし長島町民の暖かさ
これは旅行などでは気づきにくいかもしれませんが、旅の記憶って食と人との結びつきが多いと思います。特に何気ない地元民との交流などはその旅先の印象を大きく左右すると感じています。そんな中、この長島町の方々は本当に暖かいし町が大好き!長島町役場の方々は地元出身者が8割とほぼ地元の方々で構成されており、小さなころから世代を超えた関係性がありそこで生まれる絆が端々に感じられこちらもとても暖かい気持ちになる人柄の方々ばかり
細かくは、透き通る海や天然の砂浜、橋がかかる島の出入り口など魅力はいくらでもありますが、、、この3つはその中でも長島町を表す魅力だと思います。
まとめ:1667km離れた小さな2町の新たな物語とは?
こんな素敵な長島町と新たな交流を目指してはじめた1つ目がこの真夏の鰤祭りでしたが、これから2つの町の交流は何を生み出していくのか。それはまだまだ私もわかりません!(笑)ただ、都市と地方ではなく北海道と鹿児島と端と端の田舎町同士が様々な交流や連携を行っていくことでこんなことが生み出されていくのではないかと想像されるものを最後に書いていきたいと思います。
Local to Local で第3の故郷づくり、そして自分の町を好きになる
生まれ育った町=第1のふるさと
今住んでいる町=第2のふるさと
かと思いますが、北と南の小さな町同士の交流を続け、子どもだけに限らず大人も観光や仕事で訪れてもらうことを相互に繰り返していくことで、
遠いけど身近に感じる好きな町=第3のふるさと
に互いの町民がなっていくといいなと思います。
町同士での交流によって個人的な好きよりm東神楽町(長島町)に住んでるからこそ広く美味しさや人のつながりが増えていきます。結果として相手の町を好きになるのはもちろん相手の町の人が自分の町を好きでいてくれることで自分の町の魅力にも改めて気が付いてくれると思います。日本中が人口減少していき都市集中がより鮮明になる一方で地方同士で互いを好きでいられる関係作りができることはこれからの時代にとても大切なことです。
北と南の連携で新たなインバウンドツアーの開発へ
これは私の空想なのであまり細かくは書きませんが、海外から日本を訪れる方で初来日の方は、東京・京都など有名な都市を中心に訪問すると思います。何度目かの方々はよりディープな日本をということで北海道や鹿児島など各地を巡ると思います。そうした中で、一回の旅行で北と南をそして違う季節を体感することができるツアーなどをインバウンド向けに2町で開発したら面白いことになりそうだと思います。パッケージとして海外に売り込める価値が十二分にあるはずです。(詳しくは書きませんが笑)
人材交流、ないものねだりで地方創生の底力をUPへ
中央省庁などとの人事交流や役場でも行っており、東神楽町でも北海道庁や農林水産省などへの出向をされた経験がある職員も多くいます。そうした意義や経験も重要ですが、あえて長島町と東神楽町の2町で役場職員に限らず、民間事業者など観光や食などに関わる方々が相互交流で短期でも長期でも互いの町で暮らすことで、自分の町でできることや可能性を感じ取ることができるのではないかと思います。中央・都市目線からの交流ではなくこれもLocal to Localだからこそできる交流の成果があるのではと思います。
私は長島町地域商社に関わることができたら勝手に2町連携ができるのになと狙ってますが(笑)
1町より2町の方が都会で目立つPR
一方で都市での販路拡大や観光PRも重要な活動になります。そこでこうした場面でも2町が連携してPR活動を行うことで小さな1町よりも目立つことができるのではないかと思いますし、外から見たら全く似ていない2つの町だからこそ、PRする対象者にはどちらかを選択したくなるような誘導も行えるのではないかと考えています。北か南か、寒いところか暖かいところか、海か田んぼか、アクセスの良さか大自然か・・・簡単に言い表しても様々な選択肢があげられ2町の人事交流などが行われているとこうしたPRもより親密に行えるのではないかと思います。
新しい関係性に名前をつけたい
まだまだ可能性はありますが、一旦ここまでにしておきます。また第2弾、第3弾の活動を通じてこうした可能性や魅力などによりい現実味が帯びてくるのではないかと思いますが、そした活動を通じていく中で、新しい関係性の名前がつけられないものかとも勝手に、そうあくまで勝手に考えています。一般的な姉妹都市とかの言い方だともやっとふわっとしている気がするのでより2町の交流や相互発展につながる関係性を表す言い方があるといいのではないかなと。
●●都市だと、いや都市じゃねーし!とも思ってしまうし、これは勝手に課題として考え続けていきますが、こうしたことへの定義づけは意外と大事だったりもします。
長くなりましたが、本当にいい形で真夏の鰤祭りを開催することができました。関係者の皆様には本当にご尽力いただきありがとうございました。そして毎回サポートしてくれる東神楽町地域商社・東神楽大学のメンバーの皆にも感謝感謝です。
新しい東神楽町と長島町の関係作りを楽しんでいきましょう!!
そして、次は来年春に東神楽町の特産品と北海道の美味しさを背負って長島町でフードイベントを開催です。