経営の神様・稲盛和夫氏から生涯学ぶ
僕は盛和塾という経営者の塾に所属していました。ご存知の方も多いでしょうし、昨年(2022年)、創設された京セラ創業者である稲盛和夫氏の訃報は、全国のニュースで報道され、その時に盛和塾も特集され多くの方に認知されたと思います。
若い方から、高齢の方まで、幅広く稲盛さんの功績を知ることになり、その生き様に感動した方も多いと思います。世の中の経営者(自分も含めて)が全て稲盛さんのような善の考え方が出来れば、世界は凄く幸せに満ち溢れたものになるんだろうな…と思います。
僕が経営者として歩み出した時、人生の最底辺くらい苦しんでいる時、稲盛和夫氏の書籍を先輩経営者の方からいただきました。その方は盛和塾の塾生さんで、僕の悩みを話すとそっと本を差し出してくれました。今でも大切にしている本です。その書籍をいただいたのは、もう15年以上前になりますが今でも大切にしており、たまに読み返します。
初めて読んだ時の印象は、道徳のような話が多く、子供の時に親や先生から教えてもらったことだな、という印象。こんな子供でも分かるようなことを何故、世界的な企業にも成長した経営者の方が大切にしているのか分かりませんでした。しかし読めば読むほど稲盛さんの人間としての生き方、考え方が僕には凄くスッと入ってきました。僕は生まれつき頭が良い方ではなく、高校時代も学年で最下位の成績を取るほどでした。学校もそれほど利口ではない学校で、そんな学校でも最底辺の成績を収めるほどの人種でした。だからこそ、子供でも分かる言葉が、僕には凄くわかりやすくて、一つずつ実践したら会社は良くなっていくのかな?と少し半信半疑で稲盛さんの真似をしていこう!と決めました。
そこから会社の人たちを巻き込んで、色んな取り組みをしてきましたが、時には社員さんから反発を受けたり、やりたくないと言われたり、紆余曲折ありながらも少しずつ粘り強く継続してきました。それでもやはり反発したり、フィロソフィなど無駄だと思っている社員さんも正直います。でも、それってすぐに分かります。僕の目の前では良いように話しますが、自分が苦しくなった時、自分の都合が悪くなった時に、人の本心が現れるからです。僕は、その本心を見ています。その本心は、いくら隠そうとしても、そういう危機の時にこそ表面化されるのです。でも、それでもいいんです。そういう人も会社にいて当然だからです。その人たちを否定することもせずに、そういう人もいるのが当たり前だと受け止めます。でも、そんな中でも本当に理解してくれる人も出てくるのです。
そこで今回のタイトルですが、『大切にしたいもの』、僕が何を大切にしたいか?それは僕の理念に対して賛同し、共に働いてくれる仲間達です。なので、当社の評価基準も、まず最初は理念達成のために前を向いて歩いているか?フィロソフィを学び、実践しようとしているか?それが評価の第一歩です。社長の言うことに賛同する人だけを良い評価にするって…それは社長の好き嫌いだけで決めてるんじゃないんですか?と言われたこともありますが、そうではありません。
僕が掲げる理念は、みんなにとって良いこと。社会にとって良いことです。そんな皆んなにとって良いこと、社会にとって良いことをしようという志を持っているのに、それに賛同できないのは、みんなと共に良くなりたいと思っていない人ということです。批判的な人は、そうではありません、と色々と理由をつけますが、僕はそうですね、とは言いますが、もちろん評価が良くなるはずはありません。だって皆と同じ方向を向いていないのです。
でも同じ方向を向いてくれている人もたくさんいます。例えば、社長が辞める時は私も辞める時です、と言ってくれたり、社長の考え方の根本となった京都にある稲盛ライブラリーって所に一緒に行ってみたいです!って言ってくれる人が出て来たり、社長の考えを実現するために、一緒に実践していきたいです。ただそのためには役職が上がらないと何の発言権も無いので、まずは仕事を一生懸命して、役職を上げていき、社長と一緒に仕事をします!って言ってくれる人がいたり、子供が生まれて就職する時が来たら、子供にうちの会社を受けなさいって言います!とか、そんな嬉しいことを言ってくれる人もいます。それが本心かどうか?は日頃の会話や接し方、言葉でわかります。
会社を良くしたいと思っている人は色んな提案を直接投げかけてくれます。前述の嬉しい言葉を言ってくれた人たちは一年中、会うたびにここをこうしたいんですが?という相談や提案をくれます。会社を良くしたいと思ってくれているんだな、というのが凄く伝わります。なので、今回のタイトルにある『大切にしたいもの』は、そういう僕の理念、会社の理念を共に実現したい、会社を良くしたいと思ってくれている仲間達のことでした。回りくどくてすみません…でも、どうしても書きたくなりました。
皆さんには大切にしたいものはありますか?