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No.112【令和4年第2回対馬市定例議会脇本一般質問原稿】

一般質問原稿ゲラ及びパネル

【2022.6一般質問&再質問】
おはようございます。9番議員会派自公•協働の脇本啓喜です。今回は、対馬市観光振興推進計画内容の総点検と銘打って質問します。当該計画はこのQRコードから検索できますので、詳細をお知りになりたい方はご利用くださいませ。

Ⅰ.対馬市観光振興推進計画に掲げるビジョンの確認について
⑴本編11ページには上位関連計画である“対馬市観光再生ビジョン〜韓国インバウンド一辺倒からの脱却〜(2020年1月)”の概要が掲載されています。

また、概要版では韓国人観光客と言う単語が全く出ていません。

国内誘客に力を入れるというのは理解できますが、韓国人観光客が来た時の対応が記載されていないようです。国が外国人観光客入国緩和を進めているなか、韓国人観光客への対応をどう考えていますか。また、韓国人観光客誘客に対する市民の意見の趨勢をどう捉えているか答弁を求めます。

⑵33ページに、対馬観光のコンセプトとして「日本の始まりに出会う、源(みなもと)の島。」と掲げられています。何故このようなコンセプトにしたのか答弁を求めます。

また、「日本のルーツ」という表現を35ページと40ページに使用されているが、対馬が「日本のルーツ」と発信する根拠は何なのか、これが指す意味は何か、答弁を求めます。

Ⅱ.当該計画が対馬市全体の取組みに特化していることについて
⑴対馬市の面積は広大で、島の津々浦々で歴史や風土あるいは文化も異なり、地域別に戦略を変える必要があると思います。地域別戦略についてどのように考えているか、答弁を求めます。

⑵現在最上位計画とされている第二次対馬市総合計画後期計画では、観光に関連する計画として“「北の玄関口」地区まちづくり協働プラン”、“中対馬未来づくりアクションプラン”、“厳原南部地域アクションプラン”が掲載されています。また、地域マネージャーが各担当地域をサポートしてつくりあげられた“地域づくり計画”も存在します。これらの計画との整合性が取れているのかについて答弁を求めます。

Ⅲ.PDCAサイクル(計画→実行→評価・分析→改善)の実効ある展開について


⑴計画では、46ページに「事業進捗状況報告会の開催を検討する」と記載されているが、実施しないこともあるとの意味か、答弁を求める。

⑵市長が、当該計画の『はじめに』でも述べていますし、45ページでも「対馬市観光振興の推進体制については、対馬市の観光を支える事業者・市民を中心に据え、(中略)一体的な支援を行う体制づくりを進めます」と記載されている。「市民を中心に据える」とはどのようなことを実施するのか答弁を求める。


【2022.6予め準備していた再質問】
Ⅰ.対馬市観光振興推進計画のビジョンの確認について
⑴-①稀に「もう韓国人は来んでいいばい」と仰る市民がいらっしゃいますが、少なくとも私が今回の一般質問に当たり全島及び本土の有識者約50名のヒアリングの内、約30名の返答いただいた方々は韓国人観光客の早期受け入れに賛成の意見ばかりでした。特に上対馬地域の方からは、「出入国のほとんどは比田勝港なのに、無料PCR検査場も新型コロナ陽性判明者隔離施設も何故厳原のみなのか」との疑問の声も上がっています。また、『対馬観光あり方検討会』でも以下のようなご意見があったと記載されています。

◎国内客誘致は長い間やってもできなかった。すぐ近くに釜山350万人の大都市がある。一刻も早く韓国人観光客を取り戻す必要がある。

韓国人観光客誘客に関する市民の意見の趨勢をどう捉えているか再度答弁を求めます。

②航空路限定で、一日の訪日受け入れ数が2万人まで緩和されています。対馬市におけるインバウンド再開に必要な環境整備の進捗状況について答弁を求めます。

日本から韓国、韓国から日本へ出入国する際、今現在各国で求められる必要な手続(書類も含めて)なのか、ご存じであれば、お聞かせください。

まとめると大体こんな内容です。
*日本の対馬から韓国へ
福岡でコロナ検査(+陰性証明書5,500円)。検査後48時間経っていない陰性証明書を持って飛行機に搭乗。ソウルや釜山の空港でワクチン3回接種の資料や陰性証明書を提出する事で入国クリア。入国の手続きに30分掛らない。翌日から3日以内にpcrコロナ検査を受ける。

*韓国から福岡空港
釜山でコロナ検査(+陰性証明書6,500円)。検査してから72時間経っていない陰性証明書を持って飛行機に搭乗。ワクチン3回接種の資料や陰性証明書を提出する事で入国。福岡空港でも入国手続きは30分ぐらいで済む。

⑵ー①この計画策定の基となったデータはいつどのように収集されましたか?

コロナ禍前後からのデータならば、国のGoToトラベルや県のふるさとで“心呼吸”の旅、(新旧)対馬藩札による誘客指針に大きく左右された結果であろうことは容易に予想できます。大方のキャンペーン期間中、割引対象者を同一県内あるいは同一市町村在住者に限定されていました。それを基礎データとしてこの計画を策定したのであれば、状況が大きく変わろうとしているのですから、計画の骨組みから早急に見直す必要があるのではないでしょうか?答弁を求めます。

②「日本の源」や「日本のルーツ」と言うコンセプトは、「純日本」を味わってもらうと言う主旨でしょうか?「純日本」を味わいたいのであれば、観光客は京都や奈良等を旅先に選択なさるのではないでしょうか?
対馬市は合併当初から《アジアに発信する歴史街道都市》をコンセプトとして来ましたが、「日本の源」や「日本のルーツ」なるコンセプトとの整合性があるでしょうか?従来のコンセプトの意味自体までも変更するのであれば、変更理由について明確な答弁を求めます。

対馬市市民基本条例の前文で述べられているように、対馬は古の時代から朝鮮半島と日本本土をつなぐ海の道、海道の中継として大きな役割を果たしてきました。その影響を受けて独特の歴史や文化風習が今もなお残されています。また、生物も朝鮮半島や大陸系、日本固有系、そして対馬固有系が棲息する多様性を誇ります。このように、大陸・半島と日本本土、そして対馬独特の要素を包含していることこそが、対馬の特徴即ち、《対馬らしさ》なのだと私は認識しています。明確な根拠も示せないのであれば、「日本の源」や「日本のルーツ」といったコンセプトは撤回すべきだと存じます。


Ⅱ.⑴地域別に戦略を変える必要性について対馬市における地域包括ケアを検討する際にも提案しましたが、対馬市全体共通のことについてばかり検討しても、地域によって医療・介護資源が大きく異なる対馬では、各地のニーズに応えられません。先ずは、各地のニーズに応えるために地区別の協議をメインとして、そこから見えてくる共通項についてはじめて対馬全体で協議すべきと私は訴えて来ました。担当部署もコロナ禍で開催がままならないとは言え、昨年度からは集落ごとの実態把握に乗り出して頂いているようで、高く評価しています。観光分野においても、地域ごとの戦略をメインとする計画策定に変更すべきだと思います。答弁を求めます。

⑵《パネル提示;第二次対馬市総合計画後期計画から抜粋》
時間の関係上、“「北の玄関口」地区まちづくり協働プラン”に絞って質問します。このプランは、いつ策定されたかご存知でしょうか?

2007年ですよ。今から15年も前です。韓国からノービザでやっと来れるようになり、韓国人観光客がまだ年間数万人程度の来島であった頃の計画を未だに関連する計画としている状況をどう思われますか?

今議会初日に報告した通り、上対馬病院の建替えが公になりました。この新築移転先選定が近々対馬市に委託されます。また、立地適正化計画に準ずる地域として比田勝周辺も指定されています。北部地域の総合的まちづくり協働プランを見直す良い契機だと思います。上対馬振興部に権限と財源を付与して、北部地域における市民協働の総合的まちづくり担当としてみてはいかがでしょうか?答弁を求めます。


Ⅲ.⑴‐①《パネル提示;対馬市観光振興のロードマップ》
①観光ロードマップの最下段に〈事業進捗報告会の開催〉という欄があり、令和4年~令和8年まで毎年2回開催されるような表示がされていますね。文章でも、「定期的な事業進捗報告会の開催を検討しPDCAを通じた計画の検証を行います」と述べています。今年はもう半年間が過ぎようとしていますが、今年の開催予定日について答弁を求めます。(年度ではない)

開催日は未定だが、今年中に2回以上事業進捗報催を検討ではなく、実施するという理解で宜しいですね。


Ⅲ.⑴‐②《パネル提示;PDCAサイクルを通じて、対馬市観光振興計画の達成状況を検証》
韓国人観光客が年間41万人を超えていた頃は、受入れ体制が追いついてない観光公害いわゆるオーバーツーリズムの状況であったことは衆目の一致するところだと思います。
その後、日韓関係の悪化とそれに追い撃ちをかけたコロナ禍の影響で市内観光業は大打撃を受けています。しかし、視点を変えると観光公害対策を検討する年月を3年弱もの間与えられたとも言えます。ところで、この間対馬市は何か観光公害対策を準備なさったのでしょうか?答弁を求めます。

観光も大事ですが、それ以上に『現在対馬に住んでいる市民の安心安全な生活の確保』のほうがもっと重要です。そのためには、野放図な観光産業の拡大による観光公害の発生を未然に防止するための実効ある規制を予め規定し、それを遵守してもらう仕組みの構築が必要です。

京都市の町屋保存等で著名なアレックス・カーは、「観光公害は受入れ側の問題だ」と喝破しています。私もその通りだと思います。市内の神社仏閣は、信仰の聖域であるのに、行き過ぎた物見遊山の観光スポット化して、多大な迷惑をおかけした反省が全く活かされていません。行政の不作為に耐えかねて神社 仏閣御自ら入場料を徴収なさるなどの自己防衛を強いられています。

飛騨高山の合掌づくりの住人の普段の生活を守りつつ観光客を受け入れている先進事例に見習うところも大いにあるでしょう。

レンタルキャンピングカーを事業としようとする雇用拡充補助金支給を決定したことについて

国がインバウンドを積極的に進めて行かなくてはならないもう一つの理由。円安是正。インバウンドで円需要増大。

杜撰な安全管理が基で起こるべくして起こったとも言われている北海道の観光遊覧船事故は記憶に新しいところです。6月6日長崎新聞のながさき時評に、本市しまおこし協働隊員出身で同社論説委員川口幹子氏の論説をみつけました。

対馬市の観光を持続可能な産業として育むには、『安全性に充分配慮している観光地』であることをPRできるレベルに引き上げる努力を怠ってはならないでしょう。

⑵「市民を中心に据える」との具体的手法は結局明確に示されなかった。








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