Vol.13【平成25年4月対馬市議会清風会政務活動報告書】(福岡市内の他自治体運営アンテナショップ視察)
【日時 平成25年4年4日(木)10時から】
1.対馬市福岡事務所
<訪問目的>
(1)現在、対馬市が計画中の対馬市福岡事務所が入居するオフィスビルの隣接駐車場に、古民家を移転し、対馬の特産品等を販売するアンテナショップを開設する件について、詳細を直接現地担当者よりヒアリングする。
(2)同計画に伴う、市場調査(福岡市内他自治体のアンテナショップ)の状況をヒアリングし、当日の現地調査の打ち合わせを行う。
<応対者>
対馬市福岡事務所所長平山祝詞 同職員小森周一
対馬観光物産協会嘱託職員 齋藤梨沙 宮本里奈
<内容>(1)
①アンテナショップの事業内容
詳細は、市場調査等が終了し本格的に企画する。事業主体も未定。単なる物品販売では品揃えが少なくなるため、イートインスペースを設ける等集客に向けた工夫が必要であろう。
②現在の福岡事務所の位置及びアンテナショップへの関わり方
福岡事務所がアンテナショップ内のスペースに入居するかは未定。ただし、アンテナショップは1階に開設するため、現在の11階よりも賃料が上昇する(移転場所は従来駐車場として月60万円程度の収入がある)ことから、11階は引き払ってアンテナショップに入居して、アンテナショップの経営支援を図るべきであろう。
<内容>(2)
当日訪問する他自治体アンテナショップの概要及び日程について、福岡事務所が作成した別添資料に基づき説明を受けた。
2.熊本県あさぎり町アンテナショップ「だんだんな」(中央区清川1丁目)
(店名の由来は、地元の方言で「ありがとう」、「お世話になります」の意味から)
<応対者>
「だんだんな」値賀氏
<概要>
・売場面積約4坪 ・売上約50万円/月
・家賃12.5万円/月(売場10万円+ストックルーム2.5万円)
・昨年6月5日オープン ・営業時間:10時~19時
<内容>
・月・水・金曜日にあさぎり町から商品を直送している。水曜日は野菜を直送。
・店員は2名。「10時~14時30分」「14時30分~19時」のシフト制
・立地は柳橋通り市場徒歩1分、他商店街付近ということで、平日昼間の買い物客による生鮮野菜等の日配品の需要が見込まれると感じた。
・狭隘店舗のためイートインスペースの確保が困難。特産品を使用した料理の写真を店頭に貼り出す等の工夫がされていた。
3.柳橋通り市場
<内容>
・アンテナショップ付近の商圏の様子を視察。対馬産の鮮魚等の市場価格や評判をヒアリング。
・市場内の鮮魚店が、市場内の商品持ち込みも可のカウンター食堂を経営しており、行列ができていた。道の駅でよく見られる光景だが、対馬市で企画中の古民家内アンテナショップ内活用の参考になるのではないかと感じた。
・鮮魚に氷を打つだけの陳列をしている店が多いが、やはり冷蔵庫にきれいに陳列する方が買い手の購買意欲が湧くと実感した。翌日も覘いてみると、前日から陳列されていた鮮魚の鮮度が落ちているのは素人目にもわかった。
4.石挽き手打ち蕎麦 地酒 木曽路(中央区荒戸1丁目10-13)
<内容>
・対馬市サポートショップ加盟の店で昼食。対州蕎麦を取り扱って下さっているのだが、原料不足で信州蕎麦を現在使用しているとのこと。以前、同じくサポートショップの「磯ぎよし」で、対馬産の猪料理を注文すると、最初だけでずっと品薄状態だとのこと。せっかく、福岡事務所が販路を開拓してもこれでは対馬自体の信用が落ちる。原材料の確保、あるいは確保可能数量や時期を明確に取引先へ情報提供する必要性を感じた。
・蕎麦以外にも対馬西穴子を出していただいており、すこぶる評判が良いとのことであった。確かにおいしかった。
5.みちのく夢プラザ(中央区天神2丁目8-34住友生命福岡ビル1階)
<応対者>
北東北3県合同福岡事務所鈴木所長(岩手県職)、みちのく夢プラザ千葉店長
<概要>
・売場面積約45坪 ・売上約1億5千万円/年
・平成11年2月5日オープン
・一日平均来客数500人~550人程度(4月以降NHK朝ドラ「あまちゃん」効果で増客中、今後も期待している。)
・運営経費:5.3千万円(平成25年度予算)人件費除く。3県で負担。
・北東北3県(青森・秋田・岩手)の物販。
・秋に収穫祭、冬に誕生祭を開催。
その他、毎月1回はミニイベントを開催(旬の食材をメインとして)。
・旅行業資格は未取得。お客様に旅行(行程等)の提案を行う。
・九州圏域のAGTを現地に招待し、商品造成に繋げている。また、九州圏域のマスコミを現地に招待し、記事にしてもらっている。
・観光コーナーでは観光相談員(みちのく夢プラザ職員)の研修旅行の行程、経費を掲載している。
<みちのく夢プラザ質疑内容>
Q:この場所にアンテナショップを開設している理由は?
A:各県のアンテナショップは天神地区に集中している。天神地区は平日の昼間も買い物客が多いため、物販には適している。
また、みちのく夢プラザは明治通側と新天町側に出入り口を設けているため、集客しやすい。 近年では、中洲川端に長崎市・佐世保市・雲仙市のアンテナショップができ、清川にあさぎり町のアンテナショップができている。いずれにしても、天神周辺である。
Q:物販のみということであるが、試食は?
A:もちろん試食を行っている。試食をさせることで、購入するお客様も多い。
Q:対馬市が博多駅周辺でアンテナショップ開設を考えているが、何が最も重要か?
A:場所(立地環境)だ。博多駅周辺はビジネス街のため、物販だけであれば不向きなのではないか。博多駅周辺は通過点というイメージが強い。ただし、最近のアンテナショップではイートインスペースを併設しているところもある。イートインスペースがあれば、集客増はいくらか上がる可能性は考えられる。
Q:北東北3県ということであるが、残りの宮城県・山形県がない理由は?
A:北東北3県としている理由は、青森・秋田・岩手の知事会で3県合同事務所の話があっていた(みちのく夢プラザ開設以前からの話)。
また、公式にデータを取ったわけではないが、東京までは3県とも新幹線の直通があるため各県の区別がつくが、東京以西は各々の区別がつかないようである。そのため、3県合同で事務所を開設している(名古屋事務所・大阪事務所・福岡事務所)。
Q:3県の物産の売れ方は均等?
A:3県の物産が均等に売れればよいが、「岩手(1/3強)>青森(1/3)>秋田(1/3弱)」となっている。秋田は水産物が弱いため、売れ行きが他より劣っているのではないか。
また、百貨店での催事後にこの場所を利用して、岩手・青森は販売を行っている。しかし、秋田は単独での催事が元々少ないことも理由の1つかもしれない。
Q:ITCの活用状況は?
A:ホームページは廃止し、2年前からフェイスブックに切り替えた。「いいね」の数だけでなく、フェイスブック訪問者数もリアルタイムで把握できるため重宝している。「あまちゃん」効果で、フェイスブック訪問者数が2百人台が10倍の2千人台に飛躍的にアップした。ホームページに無い拡散効果が期待できそうだ。