【徒然なるままに】#59
鳥が鳴く、人が泣く。
真菅よし 宗我の河原に 鳴く千鳥
間無しわが背子 わが恋ふらくは
万葉集を紹介する本に書いてあったのだが、昔の大和言葉を使う人たちは、人間が泣くことと、千鳥が鳴くことは同じように考えていたらしい。漢字で書くと「鳴く」と「泣く」で違うが、中国から輸入される以前から「なく」という言葉はあったという。
「なく」があった、ということは、元々書き言葉がなかったことを考えると「なく」という、声から発せられる『音』『響き』があったということなのだろうと思う。
実際に鳥が鳴くのは、泣いているわけではない、というのは現代人ならわかることだけれど、昔の人は動物も人間も、あるいは植物も区別せず、命ある同じものと考えていた、ということの表れだとしたら、それは素敵なことだ。
#日記 #ブログ #万葉集 #なく