【徒然なるままに】#39

　ハードディスクを整理している過程で、昔の音ファイルの中身を確認をしていた。録音したままのファイル名で、これ何だったけ、というものも多々ある。
　そんな中、バンド編成でカバーをしている録音を見つけた。練習スタジオで簡単に録ったものだ。
　曲は『ラスト・トレイン・ホーム』。オリジナルはパット・メセニー・グループの楽曲で名作だ。編成は尺八、ピアノ、ベース、ドラムだった。確か何かやれたら面白いかも、と思って集まって音を出したのだった。
　オリジナルの他に何かカバーでも、と思ったときに僕が選曲したのだが、ベースの方もこの曲が好きで、バンド全体の演奏もなかなか良かった。ギターや声と、ドラムのハイハットの刻みが印象的な楽曲なのだが、その口ずさめるメロディのおかげか、全く違う編成であっても良さは変わらなかった。
　ベース・ソロで完全にバックが演奏をストップすると、しばらくして、何か弾いて〜、と言う声が入って笑い声も聞こえた。そのウッド・ベースのソロに聴き入っていたのかもしれない。穏やかで頼りがいのある方だった。その人柄は音に表れ、今も残っている。
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