食品安全委員会 活動報告を始めます
私はジャーナリストとして、農薬や食品添加物、ゲノム編集食品、遺伝子組換え食品等について記事を執筆したり講演したりしています。
一方で、2021年7月から内閣府食品安全委員会委員(非常勤、リスクコミュニケーション担当)を務めています。
食品安全委員会は、農水省や厚労省などから食品に関するさまざまな「健康影響評価」の依頼を受けて、緻密に検討し評価を重ねています。食の安全を守る「リスクアナリシス」の重要な一翼を担っているのです。また、依頼がなくても必要であれば自ら評価を行うこともあり、調査研究や海外情報の収集や発信、リスクコミュニケーションも行っています。
しかし、残念なことにその活動があまり一般の人たちには知られていません。
組織の一員となって3カ月あまり、その活動をつぶさに見てきました。評価自体が高度な科学の上に成り立っており、非常に複雑な内容になっていること、リスクアナリシスの制度がわかりにくいこと、そして、情報発信や広報が不足し、その方法論も現代社会にフィットしているとは言いいにくいことなどから、一般の人たちには遠い存在になってしまっています。
しかし、実際には非常に近いところで活動しており、日本の食品安全行政の基盤をなしているのです。
できたら、その活動を多くの人に知ってもらいたいなあ、と思います。多大な貢献をいただいている科学者の皆さんや、縁の下の力持ち的存在の職員の姿を見てもらいたい。
そこで、本欄では、食品安全委員会の活動を紹介し、時には関連するテーマをさらに深掘りして報告したいと考えています。
どうぞよろしくお願いいたします。