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20190518「AMERICAN ANIMALSとDon't worry」

朝まで作業して大物を倒して、今週の作業工程はコンプリート。データを送信して寝て起きたら、もう昼過ぎだった。

前日から妻が「観に行きたいから予約する」と言っていた上映2日目の『AMERICAN ANIMALS』と、『賭ケグルイ』と天秤にかけて、最終週だからと決めた『Don't worry』を観に映画館へ出かけた。

まずは1本目、18時40分から。

『AMERICAN ANIMALS』は、2004年に実際に起こった大学生4人による強盗事件の話だ。冒頭にも出てくるが「事実を元にした物語」ではなく「事実の物語」だという。ネタバレになるのも嫌なのであまり内容に触れたくないが、劇の雰囲気は予告編とはちょっと違う。それでも予告編同様、映像自体は美しく画面構成されていて、気の利いた編集もある。音楽の使い方も合わせてスタイリッシュだ。かっこいい。テンポ感はちょっとモサっとした部分はあったが、後述する理由からわざとな部分もあるのではないかと思う。内容自体は、知恵と理性を持ちながら、それぞれの欲望によってそれらを失なった、人間という「動物」の話だった。

きっかけはいろんなところに潜んでいて、出会う事象次第で、しょうもない欲求も事が起きる規模もこうも大きくなる。そして、それぞれの事情があるように、それぞれに物の見え方や理解がある。たとえ同じ事を、同じ目標に向かって、同じ体験をしたとしても。

映画はそんな彼らを劇的にスタイリッシュになぞる。しかしその劇的さとスタイリッシュさは、しょうもない思い出を武勇伝のように語りがちな我々のように、ただの彼らの願望に過ぎないかったのでは?と最後には感じていた。どこか皮肉っぽいというか、嘲笑を感じる作り方のように思えた。

2本目、21時45分より。晩ご飯も食べたので、睡眠不足も相まってスイマーが近づいてくる音がしていた。

『Don't worry』も実話を基にしたというか、自伝を基にした作品。アルコール依存症のクズで、それが原因になる事故で胸から下が麻痺して車椅子生活を余儀なくされた、後に風刺漫画家になる男の、人生を諦めなかった話だ。内容は原題『Don't Worry, He Won't Get Far on Foot』がよく表していると思う。

物語の多くの部分をセラピーとその参加者との対話、周りの人たちとの触れ合いで構成される。ところどころで挿入されるアニメーションもキュート。上映前から近づいてきていたスイマーが肩をタッチしてしまったので、途中ちょいちょい寝てしまったが、スクリーンの中には、事実を受け入れつつ、自分と向き合い、そして周りの人と向き合っていく、情熱的で破天荒な男がいた。彼の周りにいる人たちが離れずずっとそばにいたように、破天荒で知り合いたくもない感じの雰囲気の男は、きっと本当は魅力的だったのだろうと思えた。それを感じるようなハートフルな雰囲気で、チャーミングな作品だった。人生は取り返せる。原題の通りそんな男の話だった。

ホアキン・フェニックスはもちろん凄いし良かったが、今回のルーニー・マーラもとにかく可愛かった。またも恋人同士になるホアキン・フェニックスが羨ましくてしかたなかった。本当にルーニー・マーラがめっちゃ可愛い。

以上、2本の感想だ。最近また、実話とか自伝を基にした映画が本当に多くなってきた気がする。だからこそ、いろいろな視点と考え方を感じる。ポリコレとか言われて久しいが、正しさの定義って本当に可能なんだろうか。見れば見るほど、知れば知るほど「受け入れること」しかできないのではないかと思う。『Don't worry』には仄めかすような場面があったけれど。

しかし、映画ってほんとうにいいものですね。

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