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AMAZON スマイルsaleの誘惑

 今年もなぜ買い物はこんなにも楽しいのか。
 ブラックフライデーと言い、新春初売りと言い、買い物好きにはこの年中訪れるお得ですよキャンペーンは非常に危険だ。

 そこへ持ってきて、まるで初売りに歩調を合わせるようにメルカリでの値付けがジリジリと下がってきていて、製品ページを覗いては、売れているかいないかを確認する時間が日増しに多くなっている。

 そして、その購入サイトをほくそ笑みながら家族に見せる度に、「それ、今必要ですか?」という痛打を喰らってはすごすごと引っ込めるということを繰り返している。

 必要はない。
 でも欲しい。
 だけど買ったらたぶんすぐに飽きる。

 しかし!今買えば30%offなんです!2点まとめて買えば5%割引なんです!
 こんなチャンスはもう二度とないかもしれない!
 などということはないと分かっているから、今回もまた自重する。
 むねん。

 それにしても、買い物はなぜ選んでいる時はあれほどワクワクするのに、いざ購入してみると、何かこう悪いことをしてしまった感というか、やってしまった的気分になるのだろうか。
 購入直前のあの胸の昂りは、夢幻だったとでも言うのだろうか。

 かつて祖父は、子供だった母を街に連れ出した時、くるっと一回り回って、何も買わずに帰ったそうだ。
 ひょっとすると、祖父は買い物の楽しみの真髄というものを心得ていたのかもしれない。

 所有欲を満たす買い物より、購入したものを活かすことに重きを置く。

 分かっているのに、光り輝く福袋が、また私を呼ぶのである。

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