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歯列矯正による気力喪失

 器具の取り付けから口内の違和感に慣れるまで4週間かかると言われた。
 しかし、これは想像以上の違和感だ。

 歯に力をかけることへの違和感は想像できたし、その覚悟もある程度できていたが、ブラケットとワイヤーが当たる頬の内側に口内炎ができ、その断続的痛みは予想外のものだった。
 この痛みが事前に予想できたら、ひょっとすると矯正に二の足を踏んだかもしれないほどの不快感だ。
 なにしろ、食事と話がまともにできないというのが苦痛極まる。食事の話は表現が清潔でなくなりそうなので差し控えるが、話しかけられてもあまり返事をしたくなく、「Hmm」か、もしくは「Aha」で全てを済ませたい気分になるのは重症だ。
 にも関わらず、仕事で10分のスピーチを強いられたり、にこやかに対応することを迫られて、正直苦行の数日だった。

 もしこの痛みが和らぐことなく、寝ても起きても二年間の修行が必要と言われたら、この場で卒倒してしまいそうな心持ちだが、兎にも角にもこの状態で1ヶ月は乗り切らねばならない。

 よって、しばらくはnote執筆もままならないかもしれない。何をするにも、気持ちが塞ぎがちなのだ。
 今、一番気になるのは、来年のお正月のお餅は楽しめるのかという一点に尽き、どうやら焼き餅はダメだが、煮餅ならなんとかなるかもしれないそうだ。

 来年は笑えない一年になるなどとは今から想像したくないので、なんとか少しでもこの痛みが引いてほしいものである。

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