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Photo by
tohshiro
日本橋熾どり
東京で少し背伸びした外食というのが非常にしづらくなった。山ほど飲食店はあるのに、少し良いものを食べたいと思った時の選択がとても難しい。
たとえば、焼き鳥店一つ取ってみても、とびきり高級か、駅前ごとに見かける格安チェーン店のような店ばかりが目につき、ちょっとおしゃれで、多少値は張るが落ち着いて食事できるところというのが実に少ない。
とびきり高級と、ちょっと値が張るとの境というのも難しいが、たとえば昔は食事だけで一人一万もするような焼き鳥店というのはそうそうなかった。いったいいつの話をしているんだと言われそうだが、少なくとも私が東京を出た15年前というのは、そのような超高級店は数えるほどしかなかった。
ところが今では、有名誌で星を獲得したような店となると、お酒込みで一人15000円や20000円は珍しくなくなり、5千円札一枚を超えても今夜は少し贅沢しようと胸躍らせながら店に向かったあの時代は懐かしいものになってしまった。
愚痴ばかり言っていても仕方ないので、少ないなら少ないなりに探し当てるしかない。
そんな条件にピッタリ合ったのが、この日本橋熾どりだ。
基本コースが5000円、あとは串の本数うによって多少変わるが、そこにお酒を嗜む程度に楽しめば、絶品の炭火焼きの焼き鳥が堪能できる。
カウンターも6、7席程度で、玄人好みのお客ばかりが楽しんでいた。
こういう店に行き当たると、その旅で大当たりを引いたような気分になる。
こんな良い店は、このnoteの記事を目にした人以外には教えたくない名店だ。