音楽ストリーミングサービスとネットワークオーディオの関係性
CDなどのメディアに代わり、ネットワーク経由で音楽を鳴らすというのは簡単なようで複雑だ。
たとえばApple MusicやSpotifyのようにスマホで再生するような方法の場合にはさして仕組みを考える必要はないのだが、CDプレーヤーと同様にネットワークプレーヤーをオーディオの中核に据え、アンプからスピーカーへと接続するオーディオ再生においては、送り手のストリーミングサービスと受け手のプレーヤーの関係は複雑になる。
というのも、たとえばApple MusicやSpotifyには、スマホ以外に受け止められるプレーヤーがないからだ。もちろん、スマホを介してBluetoothやAirplayでスピーカーを鳴らすことは可能なのだが、オーディオクオリティー的に満足いく音質は得られない。
日本国内において唯一ストリーミングサービスとプレーヤーが連動して、かつハイクオリティーな音質を提供しているのがAmazon Musicなのだが、残念ながらこれも再生できるプレーヤーが限定される。
実は、このオーディオクオリティーに特化して音楽ストリーミングサービスを提供している会社は二社しかなく、それも海外のもので、著作権の関係からかこれまで日本国内でサービスが展開されない状態にあった。
その二社とは、TidalとQobuzというところなのだが、この二つのサービスであれば、ほぼどのプレーヤーにでも対応している。しかし、日本でサービスがない以上、表向きには接続できなかった。
それが、このほどQobuzがサービス解禁となり、状況が劇的に変化した。Qobuzにさえサブスク契約スレば、誰でもオーディオ用途に耐えうる音楽を楽しめるようになったのだ。
ところが、本題はここからで、このプレーヤーを鳴らすための再生用アプリというのが、バリアフリーとは程遠い状態にある。
ネットワークプレーヤーにはCDプレーヤーのように本体に再生や停止キーがついているわけではないので、代わりにそれをスマホやタブレットの専用アプリでコントロールすることになるのだが、これがまともにボイスオーバーで読むものと読まないものとがあって、できるだけ対応しているアプリを選ばなければならない。ということは、どのプレーヤーでも良いということにはならず、ボイスオーバーに比較的対応しているプレーヤーを選ばなくてはならないということになる。
現状、選択肢は多くなく、何より寂しいのは今一番音質が良いとされている再生ソフトのRoonというのがあるのだが、これがボイスオーバーではうんともすんとも言わない代物で、何度頑張っても全く歯が立たなかった。
それでもなんとか試行錯誤して、我が家では可能な限り良い音質で再生できるシステムを組んでいるのだが、ここまでの話を相談を受けた視覚障害のある知人に説明するのに難儀した。
オーディオを趣味としていない向きには何の話やらという感じだが、せっかくたまの相談を受けたので、ここに書き残しておくものである。