西湘バイパスで未知との遭遇
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休日の昼過ぎ、湘南から箱根に向かう途中の西湘バイパスで、一度だけUFOを見た事がある。
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海沿いをひたすら走るその有料道路からは海と空しか見えない。二つの青が視界いっぱいに広がる。
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バイクは心地よく、風は少し冷たかった。
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後ろには妻が乗っている。
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ゆるやかな右カーブに差しかかったあたりで、視線の先、海と空の景色の中、それはあった。
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円盤型だったかどうかは定かではないが、周りの景色と明らかに馴染んでいないその丸い物体が昼間の空にぽっかりと浮かんでいた。
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色は白、というのが一番近いのだが、雲の色の白とは何かが違う。輝いている訳でもないのに妙に存在感がある。
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信号もない有料道路だったので、振り返って妻に見て見て見てと、言う暇もなく、運転しながら、ただ眺めていた。
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有料道路を降り、まっさきに妻に
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「さっき、おれ、UFO見た!!!」
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と告げると妻も
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「わたしも!!!やっぱりアレ……」
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あれを見た時感じた違和感に一番近い表現は何かと時々、考えていたのだが、最近ぴったりなものが見つかった。
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コラージュだ。
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サイズや画素数や紙質が違う写真や絵を掛け合わせて一枚の作品にするあの感じ。
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空の写真の上に雑誌から切り抜いたUFOの写真を貼り合わせた様な、ちぐはぐな感じ。
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あの時感じた違和感はそれに近い。遠くに見えているはずなのにずいぶん近いようでもあり、立体感や距離感がなにかおかしいのだ。
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最近、UFOとかそういうものに対して「そもそもの次元が違う」なんて事を言っているのを見かけるけど、あの時感じた違和感からすると、確かに存在してきる次元が違うという表現はぴったりだなと思ってしまう。
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ほんと、UFOって一体なんなんでしょうね?
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そういえば友達の旦那がボーイングとかを運転しているパイロットで、その旦那をBBQに一回連れてきてくれたんだけど、来る前から絶対聞こうと思ってた
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「飛行機の運転中にUFOよく見るって本当?」
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という質問の答えが何故か思い出せないんだよな。何かは言っていたんだけど……。
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