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掃除のコツは「自己満」だった?  384

油断していたら、家の中の温度計が30度を越えている…そんな本日。
まだ体の形状は保っていられるけれど、それも時間の問題だよね…と昨年の人間も猫も液状化の夏のことを思い出す。

そんな暑い日中に、わたしのココロには引っかかっていることがある。
引っかかって後回しになっていること、が正しいか…。
そう、台所の掃除。

といっても、床だったり冷蔵庫まわりだったりじゃなくて、シンク周りのこと。


うちの台所はシンクの前が出窓になっていて、そこにお鍋だったりストッカーだったり色々収納しているのだけど、その窓の向こうは庭で植物がすぐ目の前にある。

眺める分にはいいけれど、この季節になると葉っぱをつたって、床下をつたって(と推測)毎年「アリ」がやってくる…。

わたしにとってはGよりも台所で出会うアリの方がドキッとする。
ハッキリ見える大きさならいいけれど、小さい色の薄いアリがまばらに歩いていたりすると、見逃していることが多い。
ということは…料理していても気づかずにいる可能性もあるし、お皿についてたり、食べ物に…なんて考え始めたら、まぁざっくり「オオゴト」なのだ。

しかもご丁寧に毎年同じ種類が入ってくるわけではないので「今年はこの方々か…」と認識しつつ、若干の新鮮味を感じるのも嫌なのか面白いのか色々混ざってよくわからなくなる。


ちなみに、今年の種族の方々は今までで一番小さくて色が薄い。
そして、列にならずにまばらに歩いていたりするから見つけづらい。

洗い終わったマグカップに歩いている姿なんかを確認すると暑さも相まってクラっとする。


そんな方々の訪問をお断りするために、アロマオイルを使って毎年対策をするのだけど、今年はまだだったのだ。

昨年まではペパーミントを利用して、特にGさん方には一定の効果をみたように思っていたのだけれど、今年は「クローブがいいらしい」という情報がそこここから届いたのでクローブの他にシナモンなんかも入ったオイルを使ってみることにした。


重い腰をあげ、普段あんまり動かさない大物なんかも移動させてストッカーの上下左右、窓のサッシから棚の上下まで拭いていくのだけど、うちの台所は西陽が当たるので、その時間までにはなんとか作業を終えたい…と若干の「マキ」を入れながらせっせと移動させて拭いていく。

下拭きした後、仕上げ拭きの際にアロマを落として拭きあげていくと、シナモンスパイス好きのわたしにはうれしい香りが台所に広がる。


もうその頃には誰に言われなくても勝手に達成感を存分に味わってひとり「ドヤさっ!」のココロで作業した場所を眺めるのだけど…

さっき拭きあげたところをテコテコと歩いているのだ…アリが。

「え?…その香り、苦手族やって聞いてるけど違うのん?苦手なんはGだけでアリはクローブ、シナモン平気なん?」と真顔で確認に入る。


そんなことをしていたら、窓の端には西陽の気配。
時間切れである。

ペパーミントでやり直す気力も時間も、もうない。


自分自身がその状況にげっそりするかと思いきや、キレイになった出窓を見ながら
「いや…やったよ、やりきったよ!よくやった!」と達成感の方が大きく出てきたことが意外だった。
アリが歩いているのに…。

なるほど、掃除って「何かのため」「誰かのため」じゃなくて「やりたくてやってる」なら納得するんだ…ということを知った。

「アリがいなくなるため」だったり「家族の食事のため」だったり、もちろんその理由はあるのだけど、作業を終える頃にはそのことが頭に浮かばなかったのだ。
クローブやシナモンのスパイスの香りがわたしの「満足」を誘ったのか、もうほぼ残っていなかった体力がそうさせたのかは謎だけど。


明日からの様子見はまた別の話。
ペパーミントを塗り直すのか、別のことをするのか、またアリに会ったら考えよう。
今日の頑張りを「暑い中よくやったー!」とひとり労い、アイスコーヒーで充電するのだ。




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