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スズメへの罪悪感がうずいた日 568
冷たいけれどしっかり晴れている今朝は時折風が強く吹いている。
昨日「どうしようかなぁ…8日に外そうかなぁ…やっぱ15日かなぁ…」なんて思っていた玄関のお正月飾り。
今朝も玄関を出たところでお向かいさんの梅の枝にとまっていたジョウビタキと目があう。
「この子達もお米食べてたんやろか…っていうか、今年は食べられないではないか…みたいな噂が鳥界を巡ってたりして…」なんてぼんやり妄想を膨らませる。
何やらモヤっとするようなしないようなだけど…旦那さんの出勤を見送りながら「よし、今日外そう」と決めた。
うちのお正月飾りには家族の誰の好みかはっきりしないまま、いつも稲穂がついているものを選んでいるのだけど。
大体まだ年も明けない年末のうちにスズメに食べられて、元旦にはガイコツみたいになった稲が飾られていた年がほとんどだった。
「攻防戦を…」って言ったって、こちらも四六時中玄関前に待機するわけにもいかず、食べてもらってもいいけど「掃除がさ…」みたいなスズメ達のワイルドな食後マナーでわちゃわちゃの玄関前になっちゃうので、今年は「せめて元旦だけでも正規の形を保持したいぞ」との願いを叶えるべく、稲穂の部分にだけ透明のビニールをクルッと巻いて飾っていた。
それをね…取り外すのを忘れていたんですよ、今日まで。
っていうのも、年内は玄関通るたびに「よしよし、形状保持!」って盛り上がってたんだけど、元旦から「あ、ビニール取らなきゃ」って思いながら「明日の朝…」とか言いながらズルズルとそのままで過ごし、気づけば今日になっていた。
で…ここからでね、お話は。
年末からの目標だった「お飾りの形状保持」は達成されてたの。
本当にキレイに残ってた。
でもね…わたしの心にズシっと乗っかってるものがあるんですよ…
えぇ、罪悪感が。
スズメへの、鳥類全般への罪悪感が。
「わたしってちっちゃい…なんか色々ちっちゃ過ぎる…人間だけ『お正月のごちそうー!』みたいなことやって、スズメにはお米の一粒もあげることさえ阻止しちゃって…」
みたいなことが自分の中でぐるぐる回る。
冗談めかして母にもそんなことを話してみたら
「わたしもちっちゃいなーって思よったんよー」
なんてサラッと言い始める。
おい、だったらさっさとそう言ってくれ!なんて思ってしまうも時すでに…
って、遅いの?
本当に遅すぎて取り戻せないの?
間に合うんじゃないの?
そもそも、今朝まで迷ってたよ?今日外すか15日に外すか…
だったら今日外せばいいじゃないかっ!
ビニールをっ!
思いついたら即行動←元旦にやっておきなさいってとこですが…
先ほどシュッとビニールを剥ぎ取ってきた。
お飾りをそのままに…。
まぁ、掃除もしなきゃなんないし、季節行事にしっかりしている方が見たら「まぁ…」みたいなことかもしれない。
でも「万全の形のお飾りで新年を迎えたい」って欲も、「ここは米どころじゃないからスズメにとって稲穂は貴重品だよ!ごちそうだよ!生きとし生けるものみんなで新年を満喫したらいいじゃないかっ!」みたいなココロも、「いや、正直毎朝毎晩ボッロボロに落とされた稲穂を掃除するってさぁ…」みたいなグータラも全部同じところにあるんだもん。
きっと、全部込み込みでわたしは「お正月飾り」って捉えているってことだ…きっと。
ということで、とりあえず様子を見つつ、関東ペースでお飾りを外すことに落ち着いた(着地させた?)我が家だったのでした。
って、さっきからね、チラチラ玄関覗きに行くんだけどね…
全然食べに来ない…来ないなら来ないで色々思うわたしはやっぱりただ器が小さい人間だって、ただのそういう話なのかもしれないのでした。