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間違っていた「悪い姿勢」の中身  510

なんだか思った以上にあったかい日だった本日。

今日はお昼過ぎまで剪定した枝の裁断していた。
裁断なんて書くとなんかしっかりした作業でもしていそうだけど…要は枝をゴミ袋に入るサイズにチョキチョキ切っていただけだったりする。

わたしはこういう単純作業が好きで、これから寒い季節にはこの手の作業がやってくるのを実は楽しみにしている。


最初はしゃがんでチョキチョキしていたのだけど、途中から腰痛予防の為小さな脚立を椅子代わりにして作業していた。

そんなに長くかかる作業でもないし…とラジオみたいな音も鳴らさず黙々と作業していたのだけど、そういう時って色々面白い。
自分の感覚としては一方通行というか同じ方向に流れる時間のような感覚で頭の中の思考が流れ続けていると思っていたのだけど、どうやら若干の「会話」にもなっているかもしれないなんて思えてきた。


というのも、脚立に座ってから足は楽になった。
でも、上半身はもたれるところもないしで作業に没頭していたらあっという間に猫背になっている。
で、そんな感じになるとすぐ「息がしづらい」感覚がやってきたのだけど…

頭では全く誘導の意識もなく、突然「今のどの体勢が息しづらさの原因?」なんて、喉元から下腹まで順番に点検し始めた。
いつもの自分なら「すぐ吸えるようにあーしなきゃ、こうしなきゃ」みたいな対応策をやっていたけど、状況が違うとこんなこともやり始めるきっかけになるんだな…と変に感心していた。

肋骨の鎖骨に近い部分はいつもながら若干の違和感があったものの、この息苦しさの主因ではなさそう…ということで、続けてみぞおちあたりを触るも、思ったより柔らかかった。
さて、わたしのイメージする「呼吸のゾーン」は通り過ぎちゃったけど…なんて思いながら、下腹辺りを意識しながら吸ったり吐いたりをちょっと丁寧に繰り返しつつ体の様子を見ていたら…それは突然やってきた。

無意識に脚立に座り直して骨盤を立てた状態になった途端、息が深く吸えるようになったのだ。
「あ…姿勢の悪さ?」なんて普通の感想なんだけど、この「姿勢の悪さ」にはわたしにとって大きなポイントが潜んでいた。


この呼吸が通ったことでハッとしたのは、自分の中の「悪い姿勢」の定義が違っていたのかも…ということ。
今までは「悪い姿勢」ってざっくり「猫背」と「骨盤が滑っている(後傾している)」ことだと思っていた。
で、それって横から見たら坐骨から頭にかけて大きなカーブを描いて「猫背」を作り出しているように見える。
だから、何も考えたり疑ったりすることもなくその状態が「悪い姿勢」だと思っていた。

でも、どうやら人間の体はうまく作られているようで、骨盤を立てても肋骨部分の背骨=胸椎を丸くしたら骨盤を倒さずに「猫背」の形にもなれるのだ。
そして、そうすることでお腹が潰れずに済む=息もしやすいし今回みたいな作業もしやすいと…

当たり前だけど、骨盤と肋骨を一緒に動かさないといけないルールなんて体にはないんだから(ホントにないかどうかはよく知らないのよ、ごめんね)、自分が勝手にそうしていただけってことに今更気づく。


そんなことに鮮やかな気づきを得て「なるほど…これなら背中痛くないし、なんなら下腹までしっかり呼吸が入るかも」なんて、面白がっていたら思い出した

「そうだ、尾骨が前方・上方に上がるなら足の親指は自然に前に伸びるって言ってたっけ…」と。

そのまま足の親指を確認すると、確かに力が入っていない。
でも「もう少し伸びるかな…」なんて意識を向けてみたら…親指以上に足全体の力がスッと抜け、それと同時に一層上半身が楽になったから驚いた。


そうだ、いつだったか誰のだったか忘れてしまったけれど、呼吸の本で「(座った時の)足の力のベクトルが大切」って書いてあったの、コレだ!
以前そのことを試してみたときには、足と上半身のつながりを感じることができなかったし、足裏で地面をグッと踏むと「上半身に空間ができる」というよりも「上半身ごと上がってしまう」という、なんとも残念なことになってしまって、説明の内容を実感できずにスルーしたことを思い出した。

そうかぁ…こんなタイミングでわかる瞬間が来るのかー
そうかぁ…脚立の上に座って、ハサミ使ってるときでも来るのかー
…結局、何してたって来るものは来るってことかぁ…

なんて、妙に納得しながらやたら楽しい作業時間を過ごしたのだけど。


今日のわたしは、やっている作業は単純作業、作業中の姿勢は自分で変え放題、時間は作業が終わるまでたっぷりある、というなかなかに贅沢な状況だったし、偶然に偶然が重なって体感が来たんだと思っていたのだけど…。

ちょっとでも「いつもと違うシチュエーション」って、結構こういうことあるかもなーなんてことも思えて、なるほど「移動って大事」っていう方々のお話がまたひとつ身近に感じられた時間だったのでした。

腰も手も痛くなくて、尚うれしい日だった!




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