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思いつきに満たされた一日  426

なんでお肉屋さんのコロッケはおいしいんだろう?

お肉屋さんだけにお肉がたくさん入っているから?
ごっつめのパン粉でザクザク歯触りがサイコーだから?
うちで作るのよりちょっと大きくてうれしくなっちゃうから?

そんなことをぼんやりイメージはしていたのだけど、実はお肉屋さんでコロッケを買う機会が今まであんまりなかった。
ということは、このイメージはわたしの勝手な妄想、もしくはテレビ由来ということになる。

大きな街に住んでいた友人は、学校帰りに商店街のお肉屋さんのコロッケをよく買って立ち食いしたなんて話をしてたし、お店のおばちゃんに専用ソースを置いてもらったりもしてたなんて話を「いいなー」なんて言いながら聞いていた。

島で働いていた時は、よく同僚が帰宅前にお肉屋さんに電話してトンカツとかコロッケとか「受け取りにいくから揚げといてください」って予約してたのは見たことあったんだけど、わたしはそのお店と逆方向に住んでたし「遠回りして買って帰ろう!」みたいな意欲もその頃の自分にはなかったしで、結局実体験として揚げたてを受け取ったことのないまま現在に至っている。


時は経ち、今日の島は雨が降ったりやんだりの蒸し暑い日だった。
用事で島の北側方面へ車を走らせ、初めての訪問先に伺ったのだけど…
アポなしだったせいもあり先方さんと会えず。
まぁ当たり前だし仕方ない、出直そう…という話になったとき、わたしの頭にそのお肉屋さんがご近所だったことが思い出された。

「会えなかったんだから(←理由になるのか?)コロッケ、買って帰っちゃう?」
なんてこじつけもいいトコの思いつきを言いながら、お肉屋さんまで車を走らせる。

その時のわたしはお肉屋さんで「揚げてある」コロッケを買って帰ろうと思っていた。
そう「揚げたて」のことをすっかり忘れていた。

お店に入って、お肉の入っているショーケースの横に揚げられたコロッケがたくさん並べてある。
「このコロッケいただいていいですか?」とお店の人に声をかけると
「今から揚げられますよ?」とのインフォメーション。

「そうだった!予約をしてなくてもここで待てば買えるんだった!」
にわかに盛り上がったわたしは即座にミンチカツとカレーコロッケをお願いした。
(今となっては「なんでスタンダードのコロッケもお願いしなかったんだ?」と不思議でならない)


観光地なんかでご当地コロッケを一個買いして耐油性の紙で包まれた(はさまれた?)あつあつコロッケをいただくなんて本当に幸せなんだけど、あれってあのシチュエーションも「おいしさ」のうちなんだなぁ…なんて思う。

ひとつずつ買えちゃう、食べられちゃう
揚げたて、あつあつ
カウンター越しに直接受け渡し、店員さんとの小さなやりとりもあったりして
オープンエア、もしくは食べ歩き
気心しれた人と一緒にいただく

いろんなピースがひとつになって「おいしい」や「うれしい」が出来てるんだなーなんて待ち時間の間にぼんやりそんなことを思っていた。


「お待たせしましたー!」の元気な声とニコニコの笑顔。
「ありがとうございますー!いただきまーす!」と受け取る手。
揚げたてだから、紙袋は封をせずに渡してくれるところもいい。

そのまま車に積んで帰路についたのだけど、車の中はカレーコロッケの匂いで満たされていたw

思っていたより小ぶりのコロッケだったし、大粒の衣でもない。
でも「家で作るコロッケじゃないんだよねー。やっぱりなんか違うんだよねー。」なんて言いながらみんなでいただいたコロッケはみっちり詰まっていてとってもおいしかった。

学校帰りでも、みんなでお店の前でほおばるわけでも、専用ソースをかけているわけでもないけれど…うん、「お肉屋さんのコロッケ」の時空間だった。

20年越しの揚げたてコロッケ@お肉屋さんを堪能して「なんだかいい一日だったよねー」なんて満たされた一日だったのでした。




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