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持て余した手が見つけたもの  600

特に調子が気になるわけではなかったけど、冷たい日も続いたし、昼間にポコっと時間もできたしで久しぶりにセルフこんにゃく湿布をした。

セルフだと「準備する自分」と「こんにゃくを乗っける自分」の両方のコンディションを作るのにワタワタ焦ったりして、そんなことも込み込みでスタート時のあったまり方がゆっくりに感じたりする。
まぁ、いつもの「切り替え力」の弱さが効いてるんだろうけど…。


そんなだからかどうか、最初に当てたおへその下は真っ赤にはならず普通の肌色とまだら模様だったし、あったかい…というか熱いくらいのこんにゃくを乗せているはずなのに、受けている体はどういうわけか体の芯に寒さを感じるような時もあった。

冷たい日続きで冷えが溜まったか、いろんな暮らしの蓄積か…理由は幾つでも思いつくけれど、最中は結局そんなことどうでもよくなる。

体の芯まであったまる頃には寝落ちしていることがほとんどで、タイマーの音で飛び起きて「え?もう?」なんていうのがいつものパターンだったりする。


そんな中面白かったのは、背中にこんにゃくを乗せている時だった。

仰向け30分、うつ伏せ30分なんだけど、うつ伏せの時にいつも首が痛くなる。
真ん中に穴の空いた枕を使っているわけでもなくて、低めになるように平べったくバスタオルを敷いているのだけど、右を向いても左を向いても結局首が痛くなる。
それが地味に苦痛でうつ伏せの30分を持て余すことも多かったのだけど。

今日は、両手も持て余したのか、特に何も考えることなく腰骨の辺りを軽く押し始めた。
さすがにガッチリ念入りに押すなんてことはできないからさすり始めたって感じ。
さっきのおへそ下こんにゃくであったまったはずのお腹を、そこより冷たいであろう手で触るのも気が引けたので足の下へ手を入れてみる。

うん、思ったより温度差もない。
手のひらを広げたまま体の下に入れているから、揉むというより指先を上に起こす感じで太ももあたりを押していたら…鼠蹊部から膝に向けて縦に走っている筋というか筋肉?それが伸びてなんだか気持ちいい。

いつもはこんなとこ伸ばす動きなんてなかなかしないし、日常触れることも少ない場所。
太もも全面とかそのちょっと外側、膝上とその内側あたりが激痛という事は知っていたけれど、ここにこんな筋があることもよくわかっていなかったし、なんだか意外で楽しくなってきた。

そうか…時間は短かったけど「鼠蹊部にローラーを当ててゴリゴリしてー」みたいなガイド動画見たことあったなぁ…なんてぼんやり思い出す。
これを日常で体験するにはどうやるといいんだろうなぁ…逆に身体曲げるってあんまりないもんなぁ…ブリッジ?うつ伏せから手で足首持って弓形になって揺れるやつ?なんて思いながら、再びウトウトし始めた。


そんなことをしていたら、足の指先からお腹の中にかけて「つながる」というか「動きだす」というかそんな感覚が流れ始めた。
いつもとちょっと違う温かさというか、流れというか…。

そうか…肚をつくるなんて簡単に言うけれど「そこだけ」じゃないんだよなぁ…
身体って繋がってるんだもんなぁ…
もしかしたら、足から肚が作られるっていうルートが作動し始めたのかもなぁ…
って、あるのか?そんなルート…。

まぁ、あってもなくてもいいいのだ。
今まで使いきれていなかった部分が動きだすってことを、ここで体験できていることがいいのだ。
自分の身体として「受け持って」出てきてるのに、あることすら意識できてなかった部分が動き始める、止まっていた場所がつながり始める、そんなことがただただたのしい性質なのだ。





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