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黄色をチャージ  534

いつだったかの『マツコの知らない世界』にイエローと呼ばれる全身黄色の男性が出ていてなんだかかわいらしかった…テンションが。
「好き」のテンションが。
黄色をどのくらい愛しているか、みたいな話をしていたとぼんやり記憶しているけれど、そのことしか覚えていない。

それからしばらく経って、その方がまた同じ番組に出ていたのだけど。
その時の話がとても興味深かった。
というのが「ある日(メンタルの)調子が悪くなって黄色が着られなくなった」という話をしていて、「じゃあ、そんな時は何色を着るの?」と聞かれ「…グレーです」と答えていて「あぁ…それは完全に病んでらしたんだな」と思いながら聞いていた。


元気だから「黄色」を欲するのか、元気が欲しいから「黄色」を欲するのか…。
いずれにしても「元気」と「黄色」は結構密接に関係していると思っている。

なんでこんな話をしているかって?
だって今日の疲れたわたしが選んだのがオムライスだったから。


ちょうど用事が終わって「お茶の時間は過ぎている、でも晩ごはんにはちょっと早い」みたいな時間にお店に入ることになった。
こういう時は大体ちょっとボリュームのある甘めのものを注文するパターンが自分にあることはわかっていたし、今日もメニューを見ながら「リンゴとシナモンが利いたビスケットとな?コレだな」なんて何にも考えずに初見でそう思っていた。

それが、パラパラとメニューを眺めていたら…
鮮やかな黄色に濃い赤色のオムライスが目を引くじゃないか。

「そうそう、中がケチャップのチキンライス(白いコンソメで炊いたのじゃない)だったらなおいいよねー。でも、オムライス専門店じゃないから中の説明までわかんないよねー」なんてお気楽に心の中で反応していた。

そうしたら、どうも自分の中が「お茶」じゃないことに気づき始める。
お腹、そんなに空いてる?…訳でもない。
じゃあ口は「ご飯」や「ケチャップ」なのか?っていうと、そうでもない。

じゃあなんでオムライスが気になるんだ?なんて思っていると…「なんか、シンプルで元気出そう」と浮かぶ。
そこで気づくのだ、自分が疲れているということを、そしてエネルギーチャージを欲しているということを。


これ、結構今までの自分からすると画期的な変化だと感じていて。
「エネルギーチャージ=甘いもの」の期間がすこぶる長い人生だったと自覚している。

でも、これを点検すると「気持ちはチャージできても体にチャージ出来ていない」、もっと言えば「足しになっていない」ことの多さたるや、今思えばほとんどだったように思う。
もちろん、当時は「体にエネルギーチャージ」という言葉すら意識に上がったことがなかったから当たり前の結果なのだけど。

そんなだったから「欲」が埋まったはずなのに、「何か」が納得いっていないチグハグな感じのことがとても多かった。
当時は感覚がそんなでも、何が原因かもさっぱりわからなかったし、分かろうともしなかった。

今思えば「体が欲しいもの」だったんだとすんなりわかるのだけど。


そうしてメニューを見ていると、こんもり丸みのあるオムライスしか目に映らなくなってきて、結局小さなコロッケ付きのオムライスを食べることとなった。

食べだすとね…おいしいのね、人の作ってくれたオムライスって。
とろっとろの卵じゃなくてもはっきりした黄色にキノコの入ったドミグラスソースがかかっているあのビジュアル。
しかもうれしいことに、中のご飯はマッシュルーム入りのケチャップ味。
こんもり中高の結構なボリュームのオムライスだったのだけど、完全に「体」をそして心も満たしてくれた(グランディングさせてくれた)。


金髪にしてからの自分が思った以上に黄色が似合わなくなって、服を選ぶ時になんだか残念というか、黄色を除いて選ぶことの不自由さを味わっていたのだけど。
なんだか今日の一件でイエローさんじゃないけれど、また黄色の服を選択肢に入れてみようかな…なんて気になってきた。

なんていうか、きっと何か色が満たしてくれるものがあるんじゃないか、なんて思うのだ。
自分の気付いてないポコっと空いた何かの空間を。





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