脇の甘いつぶやき 406
食欲なんて唐突で…
「パフェ食べたい…」と夕食後にも関わらずつぶやく。
自分でも「久々の感覚だなー」なんてまじまじと眺めるというか、その出どころはどこだ?別腹発動なのか?なんて一応探しはするのだけど、なにぶんこの暑さ…。
もうどこからこの食欲が出てようが、どうでもいいよ…と、追う気にもならない。
今食べたいのだ、あの縦長のグラスに入った物体を、長いスプーンで…なんてうっすら姿を思い浮かべる。
そうこうしていたら、言葉にしたことで「何か」が収まったのか自分の熱量が下がり始めたことを確認しながら「いつから食べてないんだっけー?」なんて他人事みたいにぼんやり考え始めた頃、そのつぶやきを隣で聞いていた旦那さんが言うのだ
「どんなパフェが食べたいの?」と。
しまった…ワキが甘かった…とうっすら反省しながら
「んー…チョコパかな。アイスもチョコが入ってるやつ」なんて答える。
そうしたら続けて「コーンフレークのやつ?ウエハースのやつ?」なんてリサーチをかけてくれる。
「わたし、ウエハースのパフェは雑誌とかで見た記憶はあるけど、現物に出会ったことないなー」なんて言いながら「あぁ…お店を考えてくれてるのかも…」なんて、もうパフェ欲の熱は終わりつつある自分にじわじわと罪悪感が浮かんでくる。
「じゃあ今度食べに行こうか」と旦那さん。
…そう、旦那さんは優しい。
でも、わがまま胃袋&脳みそのわたしは「今」食べたいのだ…。
そして「今」食べられないことを分かりながらボソッと言葉にしたわたしもわたしだし、「今」その欲が叶わないことに特に怒りも残念もない。
こういうのが「言ってみただけー」っていうやつか…ドキンちゃんや不二子ちゃんにしか許されないやつじゃないか…。
そんなだから、言ってくれている「今度」の時にわたしがパフェを食べたいかどうかは…正直怪しい。
そう思うと、パフェ食べたいのは「頭の声」で、「腹の欲」「体の欲」じゃないってことがわかるよねぇ…なんてことは旦那さんには関係のない話なんだけど…。
こういう、特に意味のない脳みそから流れ出るようなことをボソッと言葉にして出してしまうことは、自分にとってはその事を音でもう一度聞けてよきことも多いのだけど、こと人を巻き込んでしまうことを思うと「暑いから…」とか言って脇をあまあまにしている場合じゃないということがよくわかった。
よくわかるんだけど…漏れ出しちゃうんだよね…というか、溶け出すっていうのが季節的にタイムリーか…。
まだ7月も終わりでこれから夏本番!みたいな時期に突入だし、体は元気なんだけど…頭は予想以上に溶けてるよねぇ…なんてしみじみ思う。
これ、秋にはどうなってんだろな…
一周回って冴え渡っていてくれたらうれしいけれど、大体もっと液状化してるんだろうなー…まめに冷凍庫に入れなきゃね、ということでこんな頭で対策を考えることにしよう。