ポーターにキレられました②キューバに行ってきました
キューバ入国
キューバに入国するには事前にオンラインで入国申請が必要です。
それを完了した上でトラベルカード(有料)と言うビザにあたるものが機内で配布されるので(Air Canada の場合はチケット購入時に支払い済)、手書きで記入し、キューバ入国の際に見せます。
入国審査は乗客の列ができて30分以上は待ったと思います。
そんなときに空港スタッフがカードを持って列の間を回ってます。
そのカードに書かれているのは
「$15(US)を払えば優先的に入国審査が受けられます」というもの。
長い列にウンザリした乗客が手を挙げて$15を払うと空港スタッフがその人を列を押しのけて入国審査の先頭に回しくれます。
別に賄賂でもなく、ドルってこんなところでもあから様に使えるんですね。
送迎バスの中で両替?
待たされたドキドキの入国審査も終わり、荷物検査は形式的であっけなく済み、送迎バスを探して乗ります。
手配されたお迎えバスに乗り込むと、ガイド風の女性がいてキューバ―来たてホヤホヤの乗客にレストラン情報と現地通貨ペソについて説明してくれました。
キューバの通貨はペソ。
当然、現地通貨が必要になると思うので、どこで両替しようかと思っていたところでした。予備知識では空港、ホテル、銀行では交換レートが悪く、良いレートで交換したければ街中で声を掛けてくる人(闇レート)と交換するのが良い、とユーチューブなどで言われています。
でも初めての観光客には路上の闇レートってちょっと不安があり、ハードルが高いですよね。
そんな観光客の思いを見透かしているのか、真面目そうな女性ガイドさんが
「現地通貨が必要なら私がここでホテルよりも良いレートで両替できます」と車中で提案してきました。
どっちみち両替しなければいけないし、危険な両替も嫌だし、損すぎる両替もしたくないので、バスの中で信頼できそうな女性ガイドさんと両替できるのは助かります。
交換レートとしては$40(CA)=4800 Cuba.ペソ。
$1(CA) が120ペソで交換でした。銀行は$1=90ペソくらい思っていたので、そう良くもありませんが悪くもないかも。
今後は様子を見て必要に応じてペソに両替することにして、全くペソがないので$100(CA)を彼女と両替しようとしたところ、彼女の手持ちのペソがないということで$40だけ両替しました。
彼女は来年は夫とアメリカに行く予定でその日に向けて準備していると嬉しそうに話してくれました。
ポーターからキレられる
初めてのオールインクルーシブの旅。しかもアダルトオンリーのホテル。
ホテルに到着すると早速ウェルカムドリンクのカクテルをもらい、チェックインで部屋のオートキーになる金属のチップがついた紐をミサンガの様に手頸に結んでもらいました。
このミサンガキーがホテルの宿泊客の目印で、このミサンガを付けていればホテル内のバッフェもレストランもバーもビーチも自由です。
チェックインが済むとポーターの男性がゴルフカートに私達と荷物を乗せて部屋まで運んでくれました。 そしてお礼のチップ、200ペソを渡したところ、
キレられました。
えっ、なんで?
だって、200ペソって$2(CA)ぐらいの価値じゃないの?
「ここではチップもUSドルかカナダドルじゃないとダメだよ。
ペソなんて誰も喜ばないよ。ペソなんて価値がないんだ。」
「えっ、でもペソって実際にキューバの通貨でしょ。
私はバスのガイドさんに$1(CA)を120ペソで交換してもらったんだよ」
「今は街中では$1(US)は200ペソで交換されてる。ペソなんて紙屑同然!
バス会社はマフィアみたいな奴らで、君からお金を巻き上げたんだよ。」
拙い英語でまくし立てられました。
とは言われたものの、キューバの計算ではUSドルはCAドルの1.5倍の計算なので、1USドルが200ペソなら、CAドルだと133ペソ。
120ペソがそんなに酷いレートとは言えないと思うんですが。
「でも私、カナダドルの$5も$1も持ってないよ。
現金は両替したペソしかないよ。まさかキューバ人がペソを受取らないとは思わなし、そんな事情は知らないし。だったらペソ要らない?」
と真面目に聞くと
「仕方ない!200ペソでも貰っておくよ」
と言って結局200ペソを受取っていきました。
男性は外国人からペソを渡され期待ハズレも甚だしかったんでしょう。
でも私としては交換レートから考えて$2 ca, $1 us ぐらいのつもりで渡したわけだし、悪意はありません。
カナダでもポーターに私は$5のチップなんて払わないし。
この先もキューバで少額のカナダドルが何かと便利とは思いませんでした。
自国通貨を信用していない?
キューバ人の月収レベル4000ペソとも言われています。
その月収では現在のインフレ物価・物不足で一般国民が十分な食事ができる金額・物流ではないことは確かで、今年2024年はキューバ国内で異例の抗議デモも起きています。
私達はほとんどホテル内や食事付きのオプショナルツアーで過ごしたので、町の中の物価というのはよくわからなかったんですが、300ペソでマグネットのお土産や地元のお店なら飲み物やビールが買えます。
実際にキューバ人はペソで生活しているわけですから、ペソがいつさらに暴落して、紙屑同然になるかもしれない信用できない通貨だとしても現在日常で使っている通貨であることは変わりありません。
ただし、彼が言うように$1 や $5相当のチップを渡したいなら、現在のキューバでは不安定なペソより、そのままドルで渡す方がキューバ人には嬉しいのは当然かもしれません。。
ペソは、市内に滞在していたら必須で地元の人と同じように使えるので使いやすいと思いますが、ホテル滞在が中心だと喜ばれず使いずらいというのが結論。
それ以降、私がカナダドルをペソに両替することはありませんでした。ホテルや観光地の売店の商品、オプショナルツアーのツアー代金も基本はすべてUSドル建てです。ペソを使うことはありません。
ツアーもカナダドルにすると一人$100以上のものばかりでキューバだから安い、ということはありません。
キューバが物価が安く、旅行者が超安く過ごせる国だったのは10年前の話で、コロナ以降のハイパーインフレ・物不足後のキューバの物価はカナダの物価と比較して極端に安くはない感覚です。
オールインクルーシブのリゾートにいるとすべてが満たされ、いちいち値段を考えることもなく、明るいキューバ人スタッフにそんなキューバ国民の窮状を感じることはありません。
ですが、カナダもキューバも物価が極端な差はないというのは、ホテルの外の一般的なキューバ人の暮らしはかなりキツいはずなのです。
と時折りそんなことを思い返すキューバの旅でした。
今回のキューバのお金事情はこちらのNoter 旅の音楽家さんがわかりやすく書いていらっしゃるので興味のある方は読んでみてくださいね。