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EP3.【小﨑雅斗#18】
18番を背負う覚悟
NPBへ行く厳しさを経験した1年目
先発への強いこだわり
菅野智之、山本由伸、田中将大。
背番号18と聞いて思い浮かべるピッチャーは誰だろうか。
プロ野球界では“エース”と言われるピッチャーがつける背番号には、やはり特別な思いが込められている。
昨年の和歌山ウェイブスも同様。
昨シーズン15勝、134奪三振(共にリーグ最多)を記録した西垣(現・北九州下関フェニックス)はまさに18番にふさわしい成績を記録。
小﨑は今年、その背番号を自ら背負うことを決断した。
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昨シーズン1年目ながら8試合に先発。
勝敗を分ける責任感ですらも、どこか楽しんでいるかのような雰囲気もあった。
「絶対先発」
と豪語するほど今シーズンでも先発に対する意気込みは強い。
「野球はピッチャーで決まるスポーツ。一番綺麗なマウンドに立ち、自分が試合を作りたい。」
去年経験した、先発にしかわからない空気に味を占めたようだ。
何といっても闘志を全面に出すスタイルが売り。
マウンドで気持ちのいいくらいに迫力ある声を出す姿勢は、観ている人の心を動かす。
ベンチにいる時にも味方を鼓舞し、励ましの声をよくあげていた。
そんな性格もあってか、守っている野手の士気も自然と上がり、インフィールドでの支え合いが目立つ試合も。
時には相手の反感を買い、ぶつかり合うこともありはしたが、勝負事の世界だ。
それもまた一種のエンタメと捉えられるのかもしれない。
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大事な試合で先発を任されることもあった18歳。
終わってみると4勝にとどまりはしたものの、防御率1.99は昨年チームで一番低かった。
何より1敗しかしなかったのは安定したゲームメイクをしてきた証拠だろう。
そんな小﨑が描く理想の投手は、
“伊藤大海、ダルビッシュ有”。
なるほど。
どちらも見ている人に気迫が伝播する投手である。
今年は和歌山の球場でも追いロジンが見られるのかもしれない。
昨年の18番の壁は高い。
果たしてそのプレッシャーすらも、持ち前の性格で楽しめるのか。
ストレートに磨きをかけてNPBへの門扉を叩きに行く
188cm/90kg。
3人兄弟の末っ子はこんなにも恵まれた体格に育った。
しかし昨年、NPBへの夢を叶えるべく独立リーグの世界へ飛び込んだ小﨑は、誰よりも現実の厳しさを痛感した。
「去年は制球に悩まされて、ストレートで押したいところも変化球頼りになってしまった。ストレートで押して勝負できる姿がかっこいい。」
と、ストレートへの強いこだわりを語った。
「155km/hという数字を目標にしている。自分の体格から考えても現実的であると思う。」
そう語る背中からは確かな自信が読み取れる。
高校時代から取り組んでいるウエイトトレーニングは、徐々にピッチングフォームへ落とし込む意識に変わっていった。
中には今もなお続けているメニューもあるというが、進化の起爆剤となったのは西村監督の加入だろう。
ウエイトトレーニングのメニューや方向性がより具体的に定まってきたことにより、投球の感覚も向上。
2月から測定を始めたinbodyの数値においては、ここ2ヶ月でもすでに変化が起きている。
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それだけではない。
オフ期間より熱心に西村監督の指導を仰いだことにより、今までにない感覚が芽生え始めた。
充実したキャンプ期間を経て、MAX137km/hのストレートはOP戦時には確かに強みを増していた。
与えられたメニューをこなすだけの高校時代と変わり、自ら教えを乞いに行く今の環境に対してとても明るい表情を浮かべる。
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元々和歌山県で生まれ育った小﨑は京都翔英高等学校(京都府)出身。
独立リーグで野球をするべく地元への帰郷を決断。
「県内出身者がNPBへ行くことで盛り上がる。
兄弟2人が叶えられなかった夢は自分が果たしたい。」
まだまだ伸び盛りな19歳は高い期待と壁を超えていく。
誰よりも目立ちたい若気の至り
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マジメにふざけることができる。
人を笑わせることに面白みを覚えているのか、身内に見せる表情は基本おふざけに過ぎている。
写真のようなおそらく真剣に取り組んでいるトレーニング中の表情ですらも、自ら笑いに変えていた。
そんな小﨑には横行な一面も。
歳の近い堅木や高橋らと共に過ごすことも多くあるが、歳上である彼ら2人を呼び捨てで呼ぶことも耳にした。
勝手気ままなセリフを口にすることもあるが、きっと若気の至りであろう。
それでも歳上メンバーに囲まれて、文句も言われずに投げ続けられるのは、普段の練習態度がそうさせているに違いない。
マウンドを譲らない意地の強さは去年の“18番”から受け継いだ。
誰よりもマウンドに立ち続け、
誰よりもチームを勝利に導けるか。
強欲に、貪欲に、目の前の打者を圧倒していく。
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