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EP2.【唐澤賢汰#48】
投手歴2年目のMAX145km/h右腕
9回のマウンドへ立ち続ける
130km/hの面白さ
2023年3月。
当時外野手として活躍していた唐澤は、急な投手転向を決意した。
大学4年生になる直前だ。
生まれつき目が良くなかった唐澤は、5歳のころに外斜視の手術を経験。
その後も重なる目の病気に悩まされながらも野球を続けてきたが、野手としてプレーするには不便さが拭えなかった。
そんな中、お世話になっていた大学の先輩からある方を紹介された。
社会人ながらもMAX150km/hを超えるその人は、まだ共に練習をして日が浅いにもかかわらず、唐澤のポテンシャルを見込んでピッチャーとしてプレーすることを勧めてきた。
投手転向を決断する1ヶ月前のことだ。
もちろんその時点では、投手になるつもりはなかった。
学生野球のラストシーズンを控えていたから。
それなのに投手転向を決意する明確な瞬間があった。
それは初めてマウンドから球速を計測した日のこと。
元々外野手だったこともあったため、ある程度肩の強さには自信があったはずだが、実際に計測された球速は“130km/h”。
普通ならショックを受けてもおかしくない数字だが、
(面白い!なんでマウンドからだとこんなに球速が出ないんだろう!)
と、むしろ好奇心をくすぐられるかのような感情が湧いてきた。
これを機に投手としての挑戦が始まった。
自分を見込んでくれた社会人の方と共に練習・トレーニングに励むようになり、ウエイトの量も全身にかけて増加。
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周りからの“えっ、今さら!?”といった声が聞こえてこようが、自我を通すほどののめり込み具合は、今現在の練習態度から見ても納得がいく。
ただこの時点では、やはりまだどこかで野手としての思いが捨てきれず、大学4年生時には二刀流としてプレーを継続。
同時期に先輩から教えられた目のトレーニングを取り入れたことが功を奏し、以前までに抱えていた不便さも軽減され、野手としても奮起した1年となった。
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ただ目指すはプロ野球選手。
上のステージへ上がるためには、投手に専念することを選択。
すでに投手・野手両方を買われて入団が決まっていたクラブチームからの誘いを断り、独立リーグへの世界へ飛び込んだのだった。
未開の地・関西へ
目指すは9回の男
沖縄県の大学に4年間在籍してはいたが、元々の出身は岡山県。
関西の土地には初めて足を踏み入れた。
近所のスーパーを見つけるのに2,3週間ほどかかったと言い、和歌山の不便さを疑っていたくらい天然な一面も。
それでもグランドでの投手にかける思いは熱い。
「成長・結果の両方を追求したい」と口にした。
もちろん投手歴の浅さがあるが故に、投手としての経験もたくさん積みたいだろうが、こだわるのはやはり球速UP。
「対戦相手や所属リーグに左右されない結果、それが球速だと思います。155km/h投げてNPBへ行きたいです。」
自分の立場を冷静に分析し、わきまえている。
これまでシーズン全試合(4/24時点で4試合)の最終回に立ち続けてきた。
現在140km/hを計測した投手はチームでただ一人。
それほどのスピードボールを持っているにもかかわらず先発志望は今の所ないというのが、最終回へのこだわりを見せている。
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オープン戦、6,1/3回で10奪三振とイニング以上の奪三振を記録しているように、自分のパフォーマンスを全力で出しきれる1回を圧倒したいと語る。
「ピッチャーで点を取られないことが一番。
それがチームのため、個人のためになる。」
ポテンシャルに秘めた速球派右腕は、
チームの守護神となるべく進化を続ける。
やんちゃ気質な幼少期
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いたずら大好き、やんちゃな性格を持ち合わせていた幼少期を一言で「クソガキ」だったと振り返った。
親にもよく怒られていたそうで、釣ったブラックバスを持ち帰った時には母親に激怒された記憶も。
ただそれ以上に人当たりの良さ、人懐っこさといったものもしっかりと譲り受けている。
開幕戦。
独立リーグへ進むことを選んだ時には反対していた親が、遥々県外から応援に駆けつけてくれた。
温かい家庭で育ってきた人生は、先輩・後輩問わず人から慕われている今の環境が物語っている。
穏やかな心と熱い気持ちを持った23歳。
伸び代だらけだ。
9回の魅力に惹かれた男が、
球場の野球ファンを魅了する。
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