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あなたは小説新人賞を誤解している。

私はたいしたことのない作家ですが、長く続けているせいで、選ぶほうに回ることもたまにあります。どんな新人賞でも、応募規定を守ってないため、審査対象外になる投稿作が、一定数存在するようです。

原稿用紙換算枚数が規定の倍ほど多かったり、青春小説の賞に老人クラブの話を投稿したり、締め切りのずいぶんあとに到着した投稿作などです。

私はこれが不思議でした。
締め切りが過ぎたら、締め切りに間に合う賞に送ればいいのに。老人クラブの話なら、一般文芸に送ればいいのに。一生懸命に書いた小説を、わざわざゴミ箱に捨てるような行為をなぜするんだろう?

どうも、そうした投稿をされる皆さんは、新人賞はすばらしい小説を選ぶ賞であると誤解していらっしゃるようなのです。カテゴリーエラーだろうが、締め切りが過ぎていようが、私の小説はおもしろいから特別扱いされる、絶対に評価される、そう思っていらっしゃる。
 
小説新人賞は、「そのレーベルで書いてくれて売上をあげてくれる作家を見つけるためのイベント」であり、良い小説を選ぶものではありません。どんなにおもしろい小説を書いても、美少女文庫でエロなしのライトノベルは出版されないのです。

「響~小説家になる方法~」では、編集部に送られてきた手書きの無記名原稿を編集者が読んで出版しましたが、これはフィクションにすぎません。新人賞応募でもなく編集部に送られてきた手書きの無記名原稿は、開封もされず封筒ごとゴミ箱に捨てられますよ。

何回投稿しても一次選考で落ちてしまうという方は、そもそも審査対象外なのかもしれません。まずは応募規定を守り、締め切りまでに、小説のカラーに合った新人賞に投稿しましょう。略歴に糖尿病とか病歴を書かないでください。会社名に御中を付ける等のビジネスマナーを守ってください。あなたの大事な原稿を、ゴミ箱に入れるような行為はしないでくださいね。

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わかつきひかる
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