こういう編集者は悪くない。
・打ち合わせ中に寝てしまう編集者
目を閉じているので、考え込んでいるのかなと思っていたら、熟睡していらっしゃいました。
当時の私は、「私をバカにしているんだ」と怒って帰ったのですが、編集者は多忙です。忙しい仕事の合間を縫って打ち合わせに来てくれたのでしょう。ありがたいことです。
今の私なら、編集部に電話を掛けて編集長を呼び出してこう言うところです。
「○○さんと打ち合わせをしているのですが、熟睡してらっしゃっいます。お身体を壊されているのではないかと心配しています。どうか○○さんにお休みをあげて頂けませんか。つきましては担当替えをお願いします」
・連絡を絶ってしまう編集者
編集者は、「この作家、売れないな」「つまらん小説書いてるな、これ以上は時間の無駄だ」と思ったとき、連絡を絶ちます。「あなたの小説、おもしろくないんですよね。売れないし」と言って作家を怒らせるよりは、あいまいなままフェードアウトするほうがいいと思っています。なぜそういうことをするのかと言うと、もしもその作家がどこかでブレイクしたとき、仕事を依頼するためです。したたかですが、悪い編集者ではありません。
作家がどこかで売ったときは、明るい口調で電話を掛けて、仕事を依頼してきますよ。そのときは、明るく仕事をしたらいいんです。
・謝らない編集者
一部の例外を除いて、編集者は謝りません。編集者は高学歴で、非常にプライドが高く、謝ることなく育ってきた人が多いからです。トラブルが起こっても、対処してくれるならそれは良い編集者です。口先だけで謝っても対処せず、同じトラブルを起こす人は悪い編集者です。
・ミスを起こす編集者
ミスは誰にでもあることです。
編集者による支払伝票の切り忘れで未払いを起こしても、すぐさま対処してくれる編集者はいい編集者だと思っています。
・聞き上手な編集者
編集者に雑談を持ちかけてください。会話ができるようならいい編集者です。聞き上手な編集者ほど、仕事がしやすいです。
・データを教えてくれる編集者
「○○ものは売れないんですよ。これがデーターです」「データーが」「データーが」私はうるさいなぁと思っていました。ですが、今は、作家では手に入らない情報を教えてくれる編集者はいい編集者だと思っています。
編集者はメーカーの発注者であって、作家は下請けです。取り替えのできる部品です。売れてる作家でもあっても、それは同じです。編集者には敬意を持ち、適度な距離を置いて、ビジネスとしてつきあいましょう。