インハウスエディター特有の悩み、聞いてもらっていいですか #インハウスエディターコミュニティ 第4回レポート
私は今打ちのめされている。言い訳を言い続けてきた自分自身に。思考を止めていた自分に、こんなところで気づいてしまった。
インハウスエディターコミュニティの2次会で、あろうことか、私は、「嫌いなもの、許せないものが知りたいんです!」とシャウトしていた。
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私は、第1回からインハウスエディターコミュニティに参加させてもらっている。Twitterでさいまるさんが募集をかけていたので、前のめり気味のリプライで応えたら、いつの間にか参加できることになっていた。
どんどん拡大しており、各回のレポートもそれぞれ出ている。そのひとつとして、私なんかが書いていいのかようわからんが書いておく。
これまでのインハウスエディターコミュニティの記事はこちらに勝手にまとめてみた。
もしくはnoteハッシュタグで追うのもよいのかも。
さらにさらに、Twitterのハッシュタグを追うのも、雰囲気がわかってよいかもしれない。
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今回(6/19(金)20:00~)行われたインハウスエディターコミュニティはモリジュンヤさんがゲスト。Max人数は最多の19名にまで伸びた。自己紹介には(そりゃそうだけど)みっちり30分ほどかかり、さまざまなバックグラウンドの方々がいて、著名な媒体出身の方もいれば、今まさに孤軍奮闘されている方もいて、各々の属性を聞いているだけで同じ場(といってもZoomだが)に居られることを、私は心の中で感謝していた。ありがてえのなんの。
この回では事前に質問が集められていた。ひとつひとつ丁寧に見ながら、問いに答えていく。
いつもは「いやぁ〜ゆるくいきましょうよ」というはずの、コミュニティ発起人のさいまるさんが序盤でもう酔ってた。むしろ質問にしっかり答えていた。
毎度のことながら、思ったよりも、真面目なのである。このコミュニティも、さいまるさん本人も(恥ずかしいので、おおっぴらには言わないが)。
出てきた話題は、またもや多岐に渡る。その中でも私が興味深く感じたものをピックアップしようと思う。
インハウスエディターの社内キャリアパスについて
「インハウスエディターの社内キャリアパス。みなさんが編集者としてどのようなキャリアを築いてきたか or 築いていくか、ぜひお伺いしたいです。」
この質問への、モリジュンヤさんからの回答が圧巻だった。
「職業として編集者を名乗るより、職能として編集ができることが大事」
といったものだ。そこにさいまるさんが「インハウスエディターはなんら特別な存在ではなく、知らず知らずにみなさんしている行為だと思う。経営者が紡ぐ言葉も、編集的行為ではないか。」と重ねていく。たしかに、「編集者」として何かをする、ではなく、「編集」のスキルや特性を活かした働き方をどうできるか、に着目したほうが、柔軟にキャリアを創造していくことができるだろう。
インハウスエディターが手掛ける編集には、「社内コミュニケーションの編集」の側面も大きい。
同席していたUB Journal 編集長 / Uzabaseカルチャーエディターの筒井さんも「経営者との対話の機会がコロナ禍で減っていくなか、場を編集する・コミュニケーションをというスキルも求められていく」と言っていた。
マネーフォワードの金井さんも社歴が長いためか、経営陣と話しやすい雰囲気を作るほか、歴史をどう語り継いでいくか自然と意識しているとのこと。経営陣の登壇資料作りをしていた経験も、編集の職能ではないか、という話が出てきた。
モリさんからは「企業内で、ビジネスとテクノロジー、クリエイティブはさらに緊密に連動していかなければならない一方で、それらの共通言語や翻訳が必要になっていく。そこの橋渡しができるのは編集なのでは」ともあった
参考: https://globis.jp/article/7214
インハウスエディターのキャリアの終着点は、明確にあるものではなく、今その立場にいる一人ひとりが切り開いていくものだと感じた。職能としての編集のちからを、組織やカルチャーを「ことば」でドライブしていけるような働きかけをすることで、結果的にそのキャリアパスは、「編集者」という肩書きがもつ多様性と可能性と同様に、明るく開けていくのではと思う。
オウンドメディアの目的が「ブランディング」のときは……?
「自社のオウンドメディアで、ブランディングがミッションの場合、どのように目標を立て、どう計測するのか?」という質問への回答も、興味深いものだった。
「そもそも、ブランディングの目的が、どこから落ちてきているのか議論の余地があるならしたほうがいい」と、モリさんがコメントしていた。計測可能だからと無理やり指標を設定してしまうと本質とかけ離れてしまう、とのこと。さいまるさんは、「本質的でなくとも、最初に記事本数を指標として持っておくのはアリ」としていた。ただ一方で、好感度や信頼度を挙げていくための手段の一つが記事なだけであって、ブランディングを目的として打ち出せる施策はCMや社内コミュニケーションなど多岐に渡る。組織を横断してKGIを設定することもひとつ、とのことだった。
私は、この議論を聞いていて、「オウンドメディアは一つの施策に過ぎない」という視点は、運営当事者であればあるほど抜けがちだと感じた。企業の名前を背負うからこそ、他のメンバーとも一丸となって、「何を伝えたいのか」を規定し、共有し、推進していくべきなのだろうと思う。
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……と、そんな感じで、あっという間に22時半になった。金曜の20時からノンストップで議論しているのは本当にすごい。
エッ? そっから2次会なんてあるんですか?
あるんです。
毎回、インハウスエディターコミュニティのあとには「スナックさいまる」と名付けられた2次会が深夜まで続くという伝説がある。私はその伝説のスナックを奇跡的に毎回発見し、押しかけ、わいわいあることないことを喋っている(実際は冒頭で告知、最後に告知をしており、もちろん参加は強制ではない。そりゃもう、令和だもんね)。
だいたい、喋り足りないのだ。1次会で2時間以上話していても、まだまだ聞き足りないこと、話したいことが多い。
そんな2次会で、私は冒頭のシャウトを繰り出していたのだった。今さら戻るんかい。
とはいえ、切実である。
社内で私の立場は私しかいない。今見ている景色は得難いものだし、社内にはハチャメチャに心強く頼れる仲間もいる。ただ、情報を外に発信する立場として、悩みは尽きない。どう判断し決断し、社内に働きかけていくのか、正直モヤモヤしている。この会に入り始めてから、勇気を出して言ってしまったのだ。
「私は、ほかの編集者のみなさんの、嫌いなものや許せないものが知りたいんです。社内にいると、みんな気を使って・もしくは景色のようになってフィードバックが来るわけではない。社外の人と会っても、当たり障りのないことを言われるだけ。だけど、ちゃんと、何がダメなのか知りたい」
といった具合に。
でもよくよく考えたら、これって完全に甘えた話ではある。「自分でわからんようなセンスのないやつが、ようオウンドメディアの編集とか、インハウスエディターとか言えたもんだわ」というお叱りを受けたとしても一向に不思議ではない。
そもそも編集というものは形がない。それぞれに美学があり、ストーリーがあり、それに基づく構成やリードや用字用語やテニヲハがある。オウンドメディアと一口に言っても、その向いている方角は様々だ。
でも、だからこそ。知りたい。知ろうとして、簡単には正解がわからないままに、もんどり打ちたい。
そんなにサクサクとしたスナック菓子のような答えが欲しいわけじゃないのだ。明日から使えるTipsも、なくったっていい。
ただ、このインハウスエディターコミュニティで、同じような仕事についている人の、それぞれの美学を聞きたいし、関わったストーリーを知りたいし、少しでも交差する部分があるならば一緒に悩みながら同じ方向へ一歩だけ進みたいと思う。
当事者の視点を直に聞きたい。その期待を持って、私はこのインハウスエディターコミュニティに参加し続けている。
次回以降参加したい方は、ぜひお声がけください。いつのまにか、これをひとつだけやってみよう、みたいに勇気をもらったりするかもしれない。
インハウスエディターコミュニティに参加したい方は、なんと、GoogleフォームもLPもお問い合わせ画面もないので戸惑うと思う。入ってからもだいたい会話はFacebookメッセンジャーの中で行われている。
参加したい方は、さいまるさんにお声がけいただくか、もしくは多分私へ一言いただけたらなんとかなると思う。過去参加している人たちに声がけいただくのもアリかと。
\こわくないよ!/
https://twitter.com/saimaru310
愛の不時着と梨泰院クラスをそろそろ観ないと会話についていけなさそうと感じている(でもまだ観てない……☆)たびちんでした。
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