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2023年度 自選15句

立ち始めなる門松のよそよそし

たまに来てたまにもたるる夏木あり

悲しくも淋しくもなく緑蔭に

テキサスの土産といふは夏帽子

籐椅子に坐るでもなく手を掛けて

何となしに横になりしが昼寝かな

朝顔に近づいてみて微風あり

目がきれいぢつとしてゐる秋の蠅

秋冷やくわらんと入る喫茶店

裂くる音なくて茸の裂けにけり

粉つぽく冬日差したる午後三時

枝くぐり抜けても冬日ついて来る

噛んで外す手袋白く伸びてゐし

日向ぼこ口の中にも日の差せる

園長のサンタクロース痩せてをり


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