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住宅設計:はじめての確認申請

先日、初めて確認申請を自分で一式作成して提出しました!
まだ質疑対応等もあり、確認済証がおりるまで気が抜けないのだけど、、はじめて確認申請図書を一人で取りまとめた初めての経験だったので、ここに残しておこうと思います。
(今までは作成したのは図書の一部分だったり、提出も直接自分で出しに行ってはいなかったのです。。)


図書に記載するもの

まずは、確認申請に書く内容を確認します。
国土交通省がまとめているPDFもありますが、『確認申請マニュアル』が参考になっておすすめです。(私は作業の時、横において参照していました)

https://www.mlit.go.jp/common/001627106.pdf

こういった資料で、該当する建物の確認申請のためには
・どういった図面が必要で
・そこにはどういった内容を記載する必要があるのか?

把握します


図面作成で気を付けるべきこと

確認申請図書作成の過程で、上司から図面全般に対する心得をして教わったことを。

  • 初見でもチェックしやすいように記載する

  • 適応される建築基準法に適合しているか、チェックできるよう図面に記載する。(例えば、階段の幅、踏面・蹴上寸法等確認が必要な内容は全て明示しておく。平均天井高さなどの計算も根拠がわかるように明示する)

  • 法的根拠チェックのための図面なので、逆にそれに不必要なものは記載しない。(揚げ足取りをされないような記載にする。エアコンや家具などの線も図面では消しておく)

基本、
法的チェックのためなのでそれが確認できるように記載する!
逆に(設計者・確認担当者 双方チェックの手間も増えるので)不必要なことは書きすぎないように!

という感じです。


法規事前相談

これは、確認申請の前段階にやることですが、、
建物を計画している中で、「法規的にこの計画で合っているかな?」という箇所は事前に確認審査期間等に確認を取ります。

今回これを書くに当たり振り返ってみたら、2024/8月に設計を初めて、3回ほど相談しつつ確認申請提出の図書を作成しました。

① 2024/9(計画初期段階での確認)
② 2024/12 (計画がちょっと進んで再度確認)
③ 2025/2 (確認申請提出前の最終確認)


作成図書

今回は木造3階建て戸建て住宅だったのですが、作成した設計図書は下記の通り。構造は構造設計者に依頼したので、自分の方で作成した意匠図・設備図について記載します。
(図書としてのまとめ方は色々あると思います!笑)

【意匠図】
・図面リスト
・建築計画概要書・付近見取図
・地積測量図

・敷地求積図
・建築面積求積図
・延床面積求積図
・室面積・各階面積・採光・換気・排煙計算表

・外部仕上表
・内部仕上表

・配置図 (1/100)
・平面図 (1/100)
・断面図 (1/100)
・立面図 (1/100)

・天空図(今回は天空率を使って道路斜線制限を緩和しました)

・建具表
・準耐火建築物仕様表

【設備図】
・機械設備特記仕様書
・給排水設備図
・空気換気設備図
・空気換気設備表
・電気設備特記仕様書
・電気設備図

この設計図書と併せて、下記資料を提出します。
 ・委任状
 ・確認申請書
 ・工事届
 ・建築概要書


各資料の様式は、建物を建てる市区町村や確認審査期間のHPよりダウンロードできます。


図面作成のために参照したもの

最後に、上記の図面作成のために、参考にしたものを残しておきます。

・面積表

どこが面積に入って、どこが入らないか?確認して算定します。
ピロティの面積も除外できることもありますが、今回は3方囲まれていたので、参入しました。他にも延べ床面積に対して、駐車場は1/5、宅配ボックスは1/100までは容積対象面積に不算入とすることができます。


・準耐火建築物仕様

建築物の主要構造部が、準耐火の仕様に適合しているか示す資料です。
壁・梁・床等がきちんと準耐火建築の性能を満たすかどうか、仕様・構成を記載します。

https://www.yandykensa.com/blog/17255
https://www.mlit.go.jp/notice/noticedata/pdf/201706/00006703.pdf


・天空図

今回の計画では、道路斜線制限の緩和のために天空率を用いたので、天空図も提出しました。

天空率とは、ある測定地点(隣地や道路側)から見上げたときの、空がどれくらいの割合で見えるか(建物に遮られないか)を示す割合です。天空率が高ければ、空が広く見え圧迫感が少ない。天空率が低ければ、建物が多く見え圧迫感が強いです。
計算としては、
計画建物(実際に建てようとする建築物)- 適合建物(従来の斜線制限に適合する建築物)
が0以上であればOKです。(前は0.02以上必要だったとか)

天空率計算も初めてだったので、Youtubeやレファレンスマニュアルを見て、作成しました。

ADS10 リファレンスマニュアル

【ADS10】1分解説/天空率申請図の作成-立面図を配置する方法

・建具表

確認申請図書における建具表は、建築基準法に基づく法的要件の適合性を示すために作成されます。

確認できるように、
・建具番号
・建具の種類
・サイズ
・材質・仕上げ
・ガラス仕様(透明・すりガラス・防火ガラスなど)
・防火性能(防火戸・遮煙性能の有無)
・防火・遮音・防犯性能 など
を記載します。

設計のはじめ、サッシの規格寸法っていくつだっけ??図面記号が分からない!となりながら、図面を書いていたので、参考にした資料を書いています。あとは、各サッシの認定番号リストとか。

https://www.jsma.or.jp/Portals/0/images/useful/houreikijun/kikakusunpo(20210426).pdf

https://www.mlit.go.jp/common/001283290.pdf


・採光・換気・排煙面積計算 

採光・換気・排煙面積計算で参考にしたのはこの辺り。
・部屋の幅の1/2以上を開放できれば、二室一室を適用できる
・縦すべり出し窓等は、窓の開き角度によって有効開口面積が異なる
今回は『二室一室』も活用しました。


・平均地盤面

これは、建物が接する地面の平均高さを求めるもので、
建物と地盤が作る見附面積の合計 / 周長
で求められます。
図書には、算定式を記載しますが、当たりをつけたりチェックしたりするためにも、WEB上の計算ツールは便利でした。


・シックハウス対策

使用している建材が、シックハウスを引き起こすようなものではないか?使用面積制限のあるもの(F☆~F☆☆☆)であれば、使用が制限面積以下であるか提示します。
今回は、下記のPDF記載の規制を受けない建材、若しくはF☆☆☆☆(ホルムアルデヒド放散量の最も低く使用面積制限のないもの)を使用しました。

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/kensetu.files/kokujitaishougai.pdf



自分のための備忘録のための記載でしたが、参考になるとしたらこれから確認申請を出す人かな?ちょっとでも参考になる人がいれば嬉しいです。
質疑や確認済証受領までで、また追記事項があれば書きたいと思います。

それでは :)


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