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はじめての住宅設計

最近、知人と個人で住宅設計を始めました。
夫婦2人と子供1人、3人家族のための家です。木造3階建て。
現在基本設計半ばで、まだまだ途中ですが、ここまでやってきたこと:設計者が設計を進める流れ、を一旦まとめようと思います。
こんなふうに進めていくんだなーと思ってもらえれば嬉しいです。


0_はじめに

設計はだいたい下記のような流れですが、現状4の途中くらいまでです。

1.委託と受託
2.条件の把握
3.計画の提案
4.基本設計

5.実施設計
6.工事の準備
7.工事監理
8.住宅の維持

建築士になる前もなってからも必ず役立つ! 建築士1年生が読む本 目次

1_条件の把握

1-1_敷地条件の確認

・敷地調査
  ・ライフラインの位置
  ・周りの住宅・敷地のレベル・高低差について

高低差がある場合は、開発行為にかからないか確認します。
詳細は敷地の位置する役所にて。

1-2_法規チェック

該当する法規を整理します。
簡単な本からざっと把握して、法規の原文を当たるのがよいです。
個別の計画については、確認審査機関に確認するのが良いです。

1-3 要望の確認

相手に合わせた空間にするよう、下記のような施主の要望を確認します。

・スケジュール・予算
・生活スタイル・平日/休日の過ごし方
・持って行きたい家具
(物量調査)
・何を大事にしているか?
住まい方メモのようなことを伺います

住まい方メモ
・大切に思っていること
・住まいに思うこと
・どんな空間がいいか?
 ・道路から玄関まで
 ・玄関は
 ・食事するところ
・料理するところ
・住まいの眺め
・休日の過ごし方
・今まで住んだところでよいところ
・敷地でよいなと思うところ

建築士になる前もなってからも必ず役立つ! 建築士1年生が読む本

・好きな空間・イメージ・場所
好きなイメージ集めてもらい、どんなところが好きか言語化してもらって共通認識にします。(pinterestを使いましたが、今だとAIでの画像生成とかも活用できるかもしれません)

2_計画の提案

2-1_素の確認

計画提案の前に、その敷地でどれくらいの大きさの空間を作ることが可能か、どういった環境条件か確認します。

① 最大ボリュームの確認(建蔽率・容積率・高さ制限
1/200で模型で周辺との関係を確認したりすることもあるようです。

② 日照ポテンシャルの確認
・どこに光が当たりやすそうか?どれくらいの時間光が差し込むのか?シミュレーションで確認します。

・方位と周辺の建物の関係から、光を得られる方位・時間が限定的なこともあります。そういった要件を活かすためにも確認をします。

・植物は年間通して4時間以上当たるとよい、というように緑を計画に取り入れる際にもチェックが重要です。

2-2_案の作成

初めに確認した条件や、2-1の確認に基づいて、計画案を作成します。
施主を想像しながら、こんな家がいいんじゃないかなーと思いつつ空間を作ります。

① 考えられるパターンで3案スケッチしてみる
・敷地でも色んな住宅ができることを示すために、初めに3案作って示しました。(今回は、中庭 / テラス / トップライト案)
・案を絞らないことで自分のブレストにも。この案はここが良いけどここが残念、といった比較にも良いです。

・提案は、何がポイントか明確にして伝えます。
・提案に対する反応を見て、好みがわかります。案を元にクライアントと議論し、要望を聞いてブラッシュアップします。

② 計画の検証
・法規的・構造的に何となく検討案が行けてそうか、踏まえて提案すると、後からひっくり返すことがないのでよいです。

・道路斜線制限に加えて、天空率がOKか?あたりをつけます。

3_参考文献

案を作成するのに色々な雑誌を見ながら、勉強しつつ検討していました。
参考になったものをまとめて記載します。

3-1_住宅設計の流れについて(1冊)

▮ 建築士になる前もなってからも必ず役立つ! 建築士1年生が読む本
住宅設計の流れが、委託と受託から工事監理・住宅の維持まで一冊にまとまっている本です。アトリエ事務所で先輩から教わる設計の流れの内容が記載されている本な気がします。
分かりやすく、情報もまとまっているので、全体の流れを本で勉強したい、という人にはお勧めです。

3-2_法規を押さえる(5冊)

基本的には法文を当たるのがいいのですが、とっつきにくかったり概要把握が難しかったりします。まず、何が適用されるかざっくり書籍等で確認した上で、法文を当たるようにしていました。

用途と規模で逆引き! 住宅設計のための建築法規
住宅用途に限定していますが、ざっくり法規を押さえるのによい本です。
ブログもありますが、住宅の場合は書籍だと何の法令が適用されるか表で確認でき、便利でした。

建築法規PRO
こちらもざっくり把握に分かりやすい本です。個人的には『建築申請 memo』よりもこちらが好みです。

建築物の防火避難規定の解説
法規定について、より詳細に書いてあります。ここに書いてあることに基づき、協議でOKになることも。

建築消防advice
消防についてはこちらで確認します。

確認申請マニュアルコンプリート版
確認申請の時にはこれを見るとよいです。

3-3_寸法を頭に入れる(1冊)

一生使えるサイズ事典 住宅のリアル寸法 完全版
キッチン・階段等場所ごとに寸法と解説が記載してあり、とても勉強になりました。読むというより、図面を描くときに参照します。
本当はこの内容を頭に入れた上で、自分で色んなものを実測し、大きさを体感するのがよいのだろうな、と思っています。

3-4_ミニマルな空間づくりの参照(2冊)

ミニマルな空間を作るためのプランニング・空間の作り方の参照として。
収納の魅せ方やプランニングで参考にしていました。

小川晋一 / ミニマルイズマキシマル

小川晋一 / 見えないディテール

3-5_空間・木造の理解(2冊)

住宅特集をひたすら見て、参考になりそうなものをスキャンしていました(テラス・規模感が近い・好きなものなど)。
特に参考になりそうなものを記載します。

世界で一番やさしい木造3階建て 改訂版 (建築知識)
木造3階建てに関する法規・申請・検討すべき事項等が分かる本です。全体感を掴むのに良いです。

建築知識 とんでもなく仕事に役立つファサード図鑑(2014/1)
住宅の外観が多く載っていて、図面は一部のみのものも多いですが、たくさんの事例をざっと見たいときによいです。
木造の住宅も多く、どんな外装・デザインができるか参考になります。

こんな感じで、学びつつ設計を進めています。
今図面作成中ですが、また進んできたら続編を書きたいと思っています。

それでは :)

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