若師壮真のZOOBLOG シフゾウ
若師壮真です!
大好きな動物をたくさんの人たちに広めるため、紹介してます。
今回はシフゾウについて!
シフゾウ(四不象, Père David's Deer)
シフゾウは、中国原産のシカ科の動物で、「四不象(しふぞう)」という名前は**「鹿に似ているが鹿ではなく、牛に似ているが牛ではなく、馬に似ているが馬ではなく、ロバに似ているがロバではない」**という意味に由来します。英語では「Père David's Deer(ペール・ダヴィッド・ディア)」と呼ばれ、19世紀にフランスの宣教師で博物学者のアルマン・ダヴィッドによってヨーロッパに紹介されました。
基本情報
学名:Elaphurus davidianus
分類:哺乳綱 偶蹄目 シカ科 シフゾウ属
分布:現在は主に中国の自然保護区や動物園
体長:約190~220cm
肩高:110~130cm
体重:160~200kg
寿命:20~25年
食性:草食(主に水辺の植物や草を食べる)
特徴
1. 名前の由来:「四不象」
シフゾウは、シカに分類されるにもかかわらず、独特の体つきをしています。
頭は馬のように細長い
首はラクダのように少し湾曲
体は牛に似たがっしりした形
蹄(ひづめ)はロバのように大きく広がる
これらの特徴が組み合わさり、「四不象」と名付けられました。
2. 角の形状
オスのシフゾウは長く湾曲した角を持ち、通常のシカとは異なり、後ろ向きに伸びるのが特徴です。毎年春から夏にかけて角が生え替わります。
3. 水辺を好む
シフゾウは湿地帯や川辺を好み、シカの中でも特に水辺に適応した種類です。水草を食べることが多く、泳ぎも得意です。
4. 季節による体毛の変化
夏は短く赤みがかった毛を持ちますが、冬になると長くて灰褐色の厚い毛に変わります。
生態と行動
1. 群れで生活
シフゾウは通常10~30頭の群れを作って生活します。オスは発情期になるとメスを巡って争うことがあります。
2. 草食性の食生活
主に湿地の草や水生植物を食べますが、時には木の葉や若芽も食べます。長い脚を活かして水の中で草を食べる姿がよく観察されます。
3. 泳ぎが得意
シフゾウはシカの中でも特に水に適応しており、泳ぐのが得意です。沼地や浅い川を移動しながら生活します。
繁殖と成長
繁殖期:5~7月
妊娠期間:約9か月(約280日)
出産数:通常1頭(まれに双子)
生後1時間ほどで歩き始める
生後2年ほどで性成熟
絶滅の危機と復活の歴史
1. 絶滅の危機
シフゾウはかつて中国全土に生息していましたが、乱獲や生息地の消失によって野生では絶滅しました。
19世紀にはすでに中国の皇帝が所有する宮廷の狩猟園にしか存在しておらず、1865年にフランス人宣教師アルマン・ダヴィッドがこの動物を発見し、ヨーロッパへ報告しました。しかし、1895年に中国の園でシフゾウは大洪水と戦乱によって壊滅し、完全に野生から姿を消しました。
2. ヨーロッパでの保護と復活
幸いなことに、19世紀後半にいくつかのシフゾウがイギリスのウィップスネード動物園に送られており、そこで繁殖が進められました。20世紀後半になると、この動物を中国に再導入する試みが始まり、現在では中国の自然保護区や動物園で飼育され、個体数が回復しています。
現在の生息状況
✅ 野生では絶滅していたが、中国の保護区で再導入に成功
✅ 現在は約5000頭が生息(主に中国の北京南苑森林公園や河南省の保護区)
✅ IUCNレッドリストでは「野生絶滅(EW)」に分類
まとめ
✅ シフゾウは「鹿・牛・馬・ロバ」の特徴を併せ持つユニークなシカ
✅ 水辺に適応し、泳ぎが得意で湿地の植物を食べる
✅ 乱獲と環境破壊で一度は野生絶滅したが、ヨーロッパで保護され中国で再導入
✅ 現在は5000頭ほどまで個体数が回復し、自然保護区で生息している
シフゾウは一度は野生から姿を消しましたが、国際的な保護活動によって復活した貴重な動物です。その独特な姿と興味深い生態から、世界中で注目を集めています。
以上、若師壮真でした!