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美味しい獣害対策!? 絶品ジビエ料理で地域貢献【福井県美浜町を発掘!】
今回の発掘調査の舞台は、五木ひろしさんを生んだ町、美浜町です!
美浜町では「“美味しい”が地域課題の解決に繋がる!」ということを発掘しました!
例えば旅行に行って、その地域の美味しいお肉を食べたとします。
その“美味しいお肉を食べた”という行為自体が、実は地域課題解決に貢献していたって知ったら、なんだか嬉しくないですか⁉
どこの地域も、程度の差こそあれ必ず何かしらの問題を抱えています。
もちろん重大な問題は自治体も一緒になって解決に向けて取り組んでいるかと思いますが、そう簡単に解決できるものばかりではありません。
今回は、そんな問題を逆手に取り「旅行者でも楽しみながら地域課題の解決に貢献できる」一例をご紹介しようと思います。
サポートメンバーは、YouTubeで『Route27ちゃんねる』を運営する上野山達也さんと藤本佳祐さん。
早速出発です!
美しき、獣肉加工施設【BON1029】
福井県は面積の7割以上を森林が占めると言われています。
そんな福井で昨今、農家や林業に携わる方々を困らせている問題が…
鳥 獣 被 害!!!!!
野生のイノシシやシカが田畑を荒らすほか、特にシカは樹幹への角研ぎ、樹皮剥ぎ等によって木を枯らしたり、幼齢樹の枝葉を食べたりといった農林業への被害を及ぼしているそう。
それが一因となって山の土砂の流出が起きたり、はたまた、シカと自動車等との接触事故が起きたり、多方面に被害を及ぼしているとのこと。
そこで美浜町ではこの問題を逆手にとって、
「だったらシカを美味しく食べちゃおう♪」ってことで、獣肉の加工場が存在しているので、見学させてもらうことに!
ただ勝手なイメージですが、肉の加工場って言葉を選ばずに言うとちょっと汚いイメージがありました。
ところが、到着したのはこちら!
めっちゃきれい、なんならちょっとおしゃれな佇まいなんですけど…。
「獣肉加工施設」というイメージとはかけ離れた雰囲気で、ロゴデザインもカッコいい!
そんでもって、中からおしゃれなイケメンが出てきたんですけど…!
何を隠そう、この方がシカ肉などの解体、加工を手掛けている柏京佑さん23歳。
宮城県出身で、静岡県の大学を卒業後、ここ美浜町に地域おこし協力隊として赴任してきたという若手移住者です。学生時代から縁あって美浜町に訪れていたそうで、この町の自然や食、祭りなどの文化、何より出会った人たちに魅了され、地域おこし協力隊への応募を決断したそうです。
部屋の中には解体後の頭蓋骨がまるでオブジェのようにおもむろに置かれていたりして、ちょっとワクワクしてきました。
施設内がどうなっているのか興味がわいてきたところで、ちょうど加工したシカ肉が冷凍庫にあるというので見せてもらうことに!!
※苦手な方は早送りでどうぞ。
よいしょ!
じゃん!
ひ、ひぇーーーーーっ!!!
想像以上に生々しいシカ肉が登場したので、一同ざわつきましたが、これが命をいただくということなんですよね。
寺井隊長「それにしても、解体とかはどこで勉強したんですか?」
柏さん「勉強したっていうか、ここに初めて来た時に『こうやってやるんだよ』って1回見せてもらって、その後はわからないことは聞いたり、自分で勉強したりして知識をつけていきました。」
自分で!?!?
器用というのか、センスがあるというのか分かりませんが、“生きる力”みたいなものを柏さんから感じます!
柏さん自身は、この仕事に楽しみを見出しているようですが、ジビエに携わっている中で思うこともあるようです。
柏さん「多くの農家さんが獣害被害に困っている状況を目の当たりにしている一方で、町民全体としてはこの問題に関心がある訳ではないという現実も感じます」
柏さん自身は“何とかならないか”という思いもありつつ、“自分は少しずつ関心を広げるしかない”という考えから、出会った人たちには出来るだけ獣害問題についてもお話するように意識しているそうです。
隣の部屋では二次加工をして部位ごとに分けられ、冷凍保存されていました。
ここは、山林のすぐ近くにあるため、捕獲から解体までを短時間で行うことができ、そのため臭みのない良質なジビエ肉の加工ができるんだとか!
ここで加工されたお肉は一部が外販されているほか、美浜町内の飲食店にも提供されているので、現地でジビエ料理を味わうことができます!
ちなみに、敦賀市にあるぼたん亭というお店では、シカ肉のすき焼きが食べられるんだって(事前予約制)!!
▲美味しそう!
ジビエというと臭くて硬そう…というイメージを持っている方もいるかもしれませんが、丁寧に処理・加工し、工夫して調理することで、臭みがなくなり、柔らかく美味しいジビエになるんだそうです!
若新プロデューサー「今すぐ食いてぇっす!!!」
ってことで、近くでジビエが食べられるお店に行ってみることに!
BON1029
福井県三方郡美浜町新庄286-5-1
http://samgha-nature.com/bon1029/
おしゃれカフェで絶品ジビエ料理を楽しむ!【Café MIROKU】
BON1029さんから歩いて5分ほどの場所にある『Café MIROKU』さんにやってきました!
入口にある「モミじん」のモニュメントが目印です。
※モミじん…美浜町新庄の山に住む神様、永遠の2歳(!)お祭り・イベントが大好きで、笑顔が集まるところに出没するらしい。ゆるキャラグランプリ280位!
さきほどのBON1029さんに続き、おしゃれな雰囲気です!
シカの角のハンガーラックに、シカのオブジェ!
おしゃれすぎて欲しくなっちゃいます♡
ちなみに「MIROKU」という名前には、「“美麓”=美しい山の麓で、“美鹿”=美味しい鹿(ジビエ)を、そして、“弥勒”=みんなにハッピー(慈しみの心)を」という意味が込められているそうです。
というわけで、さっそく美鹿をいただくことに!
シカ肉とイノシシ肉、ハーブをブレンドしたオリジナルの『ジビエソーセージ』、
そのソーセージを使用した『ジビエホットドッグ』、
そして、シカ肉のひき肉を使用した『鹿キーマカレー』を注文!
どれも美味しそうです!!!!!
ランチで提供しているお米、ジビエは全て地元産のものを使用しているそう。
寺井隊長「美味し~い!!!全然くさみがない!!!」
シカ肉は脂肪が少なくヘルシー!!!
カロリーが気になる方にも健康的で食べやすいかも。
店内では、店主の足立美希さんが手作りした、かわいいオリジナルグッズなども販売されてますので要チェックです!
こういった可愛らしさやお店のオシャレさの裏側に、
「処分されてしまうかもしれない野生動物を活用し、命を大切にしながら地域に貢献したい」という思いがあると思うと、つい購入したくなりますよね。
ジビエ料理の他、スイーツなども充実しているので、気軽にお茶をしに訪ねるのもオススメですよ!
Café MIROKU
福井県三方郡美浜町新庄291−1−1
https://www.instagram.com/cafe_miroku/?hl=ja
美味しく食べて、獣害対策に貢献!
農林水産省によると、野生鳥獣による農作物被害額は全国で150億円以上になるそうです!
その野生動物のうち約7割がシカ、イノシシ、サルで、森林の被害面積のうち約3/4を占めるのがシカによる被害なんだそうです。
もちろん国だけでなく、県としても獣害対策を進めていますが行政だけで解決できるような問題ではありません。
そこで、地域での生活や森を守るために、地元の猟師さんたちによって多くの野生動物が捕獲されているわけなんですが、その大半が焼却・埋却処分されているんだとか。
今回の発掘では、こういった地域課題に対して”美味しく頂く”というアプローチを提案する人たちに出会いました。
BON1029さんにしても、Café MIROKUさんにしても、なにか問題に対峙している雰囲気は全くなく、むしろ前向きな気持ちにさせてくれる素敵な空間でした!
旅行者にとっても、お肉を美味しく食べてるだけのつもりが実は地域課題解決に貢献できてるって、嬉しいですよね!
我々は“問題”というものに対して、必要以上に深刻になってしまう時がありますが、むしろそれを“楽しむ”という切り口で考えてみると、解決の糸口はいくらでもありそうです。
美浜町の希望を感じた発掘調査でした!