「歴史・文化の玄関で学びの旅 若狭小浜美浜編」にモニターの皆さんと行ってきました!後編
#わかさはっくつプロジェクトでは現在、嶺南の魅力を取り入れたモデルコースを造成中。 先日、【歴史・文化の玄関で学びの旅 若狭小浜美浜編】を開催し、モニター参加者の皆さんからさまざまなご意見をいただいたのでご報告します。
前編はこちら
今回学んだことは?
前編では、『若狭町歴史文化館』や『脇袋古墳群』の見学、学芸員さんの解説を通してモニターの皆さんが学んだこと、大事だと感じたことをシェアしましたが、後編では、田舎で暮らす人の生活・文化を深堀し、そこから学びを得ようということで、ゲストの方をお招きし、お話を伺いました。
ゲストスピーカーとしてお話ししていただいたのは、元アイドルでフリータレントの「もりゆか」さんです。もりさんは大阪府のご出身で、現在は福井県内でタレント活動をされています。
移住者であり一児の母でもあるもりゆかさんの視点から、田舎暮らしや表現活動を通して感じたこと、気づいたことをモニターの皆さんに共有していただきました。
そのお話を元に、モニターの皆さんと「田舎って何だろう?」と語り合ったことで、以下のようなことが見えてきました。
今回の記事では、当日の様子とともにこの3つのポイントをひも解いていきます。
「足りない」を楽しめる、おもしろいと思える
もりゆかさんは、関西の病院で看護師として勤務する傍ら、親や同僚に隠して、週7日(!)アイドル活動をされていました。
(出勤前に駅のロッカーにアイドルの衣装を入れておいて、退勤後にその衣装を取りに行って、そのままステージに立たれていたとか(笑))
ステージの上は彼女にとって大切な居場所であり、最も"自分らしく"いられる場所だったことから、ステージに立ち続けることにこだわってたそうですが、アイドルを引退後、結婚を機に福井県に移住してお子様を出産されました。
都会で生まれ育ち、アイドルという華々しい世界で生きてきた20代女子にとって、洋服を買う場所もほとんどないような田舎暮らしに、当初は少し物足りなさを感じていたというもりゆかさん。
しかし、「足りない」からこそ、自ら積極的に動き、福井県内の色んな情報に触れ、たくさんの人と出会うことができたそうです。
そして、子育てをしながらの田舎暮らしにも次第に慣れていき、今では都会では味わえなかった「地域の一員である」という実感を、田舎の魅力として感じるようになったそうです。
もりゆかさんのお話を聞いて、モニターの長谷さんは「私は敦賀市で生まれ育ち、田舎特有の閉鎖的な感じがあまり好きではなかったですが、『こうやったら敦賀もおもしろくなるんじゃないか』と思えるようになり、敦賀の魅力を知ってほしいという気持ちになりました」
モニターの岩垂さんは「嶺南にはたくさんの魅力があると感じました。チャレンジができて、地域の一員としての実感があるというもりお話が印象に残りました」と感想を述べてくれました。
ポジティブな比較ができる
もりゆかさんは2022年11月からタレント活動を開始しています。表現活動についていえば、大阪でのアイドル活動の方が良かったとか、福井でのタレント活動には刺激がないとかは特になく、田舎であることをネガティブに捉えたことはないそうです。
多くの福井県民は、他の場所や物事と福井・わかさを比較するとき「福井には何もない」「若者は一度都会へ出たらどうせ戻ってこない」など、どうしてもネガティブな比較をしてしまいがちです。
嶺北在住のモニターの馬淵さんは、「新幹線が通ると、若者が出て行ってしまうから良くない」という意見も聞いたことがあるそう。
この話に対して大きく反応を示したのは、モニター参加者の中で唯一県外在住(広島市)の岩垂さんでした。福井県には休みを使ってよく遊びに来ているそう。広島市といえば人口100万人を超える大都会ですが、そんなまちに暮らす岩垂さんは、福井・わかさのことをポジティブに見ていました。
岩垂さん「広島を出たい気持ちがあった中で、福井で様々な活動に取り組み、楽しんでいる人にたくさん出会い、将来、福井に移住することも選択肢として考えているくらい福井が好きになりました。しかし、不思議なことに福井を好きになってから、広島も好きになっている自分がいることに気づきました。福井に来て、都会とは違ったまちの楽しみ方やおもしろさを知ったのですが、いざ振り返って地元の広島と比較して見てみると、地元のおもしろさを全然知ってないことにも気づきました。実際に福井に長期滞在したあとに、福井を楽しんだ視点で広島を回ってみたら、とても地元を楽しめたんです」
都会の人にとっては、田舎である福井・わかさという場所も、「こんなチャレンジができるんだ!自分の町ではどんなことができるかな?」とポジティブな比較ができる場所なのかもしれません。
わかさの魅力≒そこに住む、居る人の生き様
結婚、出産を経て、表現活動をしているときの自分が一番自分らしくいられる場であったと思い返し、子育てをしながら、福井県でも表現活動を始めることを決意したもりゆかさん。
田舎で目立った活動をしていると、よく思われないこともあると自覚しつつも、「"若狭町の恥ずかしい嫁"でいいと思っている。」という覚悟の上で、現在、メディアに出演するなどのタレント活動されています。表現活動できていることを心から楽しんでおり、そんな自分自身を受け入れているそうです。
看護師、アイドル、タレント活動と、様々な仕事に取り組んでいるもりゆかさんですが、モニターさんからの「仕事を替えるときに不安はなかったですか?」という質問に対し、「もちろん不安がないと言ったら嘘になりますが、不安を超えるやりたいことが目の前にあって、それを諦めたくなかった」と力強く答えていました。今の目標は福井のタレントとして、みんなに知られることだそうです。
モニターの皆さんは、もりゆかさんの活動の中身はもちろん、「なぜその人がそこにいるのか」という、そこに至るまでの人生や、田舎にいるからこその葛藤、それでもチャレンジしようとする生き様に魅力を感じたようでした。
わかさ(田舎)の魅力≒そこに住む、居る人の生き様なのかもしれません。
#わかさはっくつの次なる展開は?
旅の最後は、美浜町にある「レストランミハマ」にて#わかさはっくつプロデューサーの若新さんも合流し、今回のモニター検証の総括を行いました。
もりゆかさんの半生をモニターの皆さんと掘り下げていく中で見えてきたことは、田舎で葛藤しながら生きる、その生き様こそが魅力だということでした。
そして、今後の我々の役割としては、田舎で発掘する・活動する多様な人生を可視化することなのではないかという意見が出ました。
実際にもりゆかさん自身も、福井県内で活躍する魅力的な人たちの存在を知ってから、タレント活動を始めようと思ったとのことでした。そういった存在の方を新たに発掘し、将来的には県内だけでなく、日本全国の田舎を発掘していけたら面白いかも?と思ったので、まずはわかさから、魅力的な人の発掘、発信をしていけたらいいなと考えています。
今年度のモニター検証報告は以上です。モニターに応募頂いた皆様、誠にありがとうございました!落選してしまった方、ごめんなさい。
#わかさはっくつの次なる展開をお楽しみに!
▼今回のモニター参加者・森のさんのレポート記事はこちら
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