かつての辺境は、手ぶらで丸1日楽しめるレジャーアイランドになっていた【福井県おおい町を発掘!】
“最果て”やニッチなスポットの発掘が大好きな私たちが今回やってきたのは、かつては陸の孤島だった、おおい町の最果て『大島半島』。
そして、そのさらに果てにある、赤礁崎。
大島半島はお隣の高浜町とは陸続きですが、おおい町とは、青戸の大橋でつながっているだけで、小浜湾に分断されているという不思議な土地。
橋ができたのは50年ほど前で、それまでは本島(おおい町中心部)に行くには連絡船を使うしかなかったそう。
さらに、大島半島内も手前と奥は山によって分断されているため、最果てにある赤礁崎はかなりの秘境感があります。
ですが、現在はトンネルが通ってアクセスも格段によくなり、気軽に遊べるレジャースポットもあるんです!
今回の発掘では、大島半島・赤礁崎の長く深い歴史と、そんな歴史とは対称的に、どんどん開発されて変貌を遂げた現在の姿を楽しむことができました!
恐竜時代の地層を発見⁉【あかぐり苑地】
私たちが登っているのは、大島半島の東端にある赤礁崎の展望台です!
『あかぐり苑地』という公園の中にあり、苑内にはほかにも遊具や広場があって、お子様連れでも楽しく遊ぶことができます。
ちなみに、この展望台からどんな景色が見えるのかというと…
こんな感じです!
小浜湾も一望でき、小浜の海岸景勝地『蘇洞門|』も望むことができます。
が、手前の小島がすごく気になる…。
ということで、行ってみることに!
小島に続く道は綺麗に整備されていますが、冒険心溢れる調査隊一同は、普通の道では満足しません(笑)
近くに、海に繋がっていそうな少し急な階段を発見したので、こっちに進むことに!
階段を降りると、崖の下にも遊歩道が続いていました。
と、ここで…
大川隊員「ここの岩、やけに赤くないですか?」
たしかに岩が赤く、それでいて、層状に線が入っています。
気になる!
調べてみると、なんとこの層状になっている岩は、古生代ペルム紀(約2億6000年前)の堆積岩なんだそうです。
つまり、恐竜が生きていた時代よりも前の地層というわけです!
そして、長い長い年月をかけて折り重なった層状の岩が、地殻変動により縦の縞模様に露出しています。
ここは、全国にある古生代ペルム紀の地層の中でも、学術的に貴重な場所なんだそうです。
遠敷郡小濱町役場(小濱町は現在の小浜市)が昭和8年に発行した『若狭小濱町鳥瞰図』という冊子には「赤礁は大島半島の東端に在り、赤色の岩礁で、その上に濃緑の古松茂り紺碧の海に倒影して奇観を呈している」との記載があります。
昔からこのあたりの景色はほとんど変わっていないのかもしれませんね。
そして、「赤色の岩礁」という記載を見て気づいたのですが、
赤礁の名前の由来は、この赤い岩なのかもしれませんね!!
戦前は遊園地があった⁉その歴史をたどる
2億6000年前という悠久の歴史に思いを馳せていたところ、小林局長からこんな情報が!
「そういえば、この赤礁崎に、かつて遊園地?があったっていう話を聞いたことがある!」
…半島の先端に遊園地!?
今回の発掘ではその名残は見つけられなかったのですが、かつてその遊園地を運営されていたという(有)せくみ屋の藤原清次さんにお話を伺うことができました。
藤原さんによると、たしかに戦前までは遊園地があったそうなんです!
せくみ屋は、鯖の一艘買い(丸々一隻分の漁を買い上げること)で利益を上げ、 赤礁に『赤礁遊園地』を建造するために、 赤礁本島と、いま隊員がいる先端の小島の購入を計画したそう。
小島は購入したものの、本島の地主であった寺院が売却には消極的で、なかなか取得できなかったそうです。
それでも何とか遊園地の営業開始に漕ぎ付け、小浜の港から連日連絡船を出して誘客を行っていたのですが、太平洋戦争の激化で断念、廃業となってしまったとのことでした。
2億6000年前から戦前まで、大島半島には長く深い歴史とストーリーがあったんですね。
そんな歴史に思いを馳せながら海岸線を歩いていると、小浜市の海岸景勝地『蘇洞門』が見えるスポットを見つけました!
さらに15分程歩くと、突然遊歩道が崩れており、ここで行き止まりです!
ふらっと海辺を散歩するには、最初の展望台あたりから丁度いい距離かもしれません。
シーズンになると海釣りを楽しむ人も多く訪れるそうです。
大人気の4つ星キャンプ場【赤礁崎オートキャンプ場】
ここからは、サポーターの、おおい町地域おこし協力隊・名田庄城の城主(本当にお城に住んでいるんです!)である渡邊敢太さんも合流。
あかぐり苑地の近くに敢太くんが自慢したい物があるというので、城主のあとをついていくことに!
と、そこには敢太くん所有の大砲が!!!
さすが城主!!
…ではなく、辿り着いたのは、あかぐり苑地と同じ赤礁崎にある『赤礁崎オートキャンプ場』。
大砲は江戸時代に設置されたものだそうで、現在はこのキャンプ場内にあります。
赤礁崎オートキャンプ場は、日本オートキャンプ協会による評価で4つ星キャンプ場に認定されている人気レジャースポットなんだそうです!
評価基準は立地、施設、サービス、アメニティーなど、それぞれの項目ごとに、さらに細かいチェックポイントがあるんだとか。
敷地内には、ログハウスやキャビン、キャンプサイトなど、合わせて100区画以上の宿泊場所があるそう。
宿泊人数に応じて、好みの宿泊棟に泊まることができます。
ゴールデンウイークや連休は既に予約で埋まってしまっているほどの人気だそう!
また、本部棟にある売店には、キャンプ道具からBBQの食材や調味料まで、キャンプに必要なものが揃っています。
布団やテント、家電などの貸出も行っているので、初心者でも気軽に手ぶらでアウトドアを楽しむことができます!
もちろん経験者向けのテントサイトもあるので、海を眺めながら本格的なキャンプを堪能することもできますよ!
熱い社長が手がける町内初の民間レジャー施設【青戸ベイサイドヒルズ】
続いて、赤礁崎エリアから車を10分ほど走らせてやってきたのは、大島半島の手前側にある『青戸ベイサイドヒルズ』なるレジャー施設!
レストラン、BBQハウス、遊具があるキッズエリア、ポニーの乗馬体験場、ドッグラン、柑橘類やぶどうが栽培されている果樹園などがあり、お子様連れやペット連れの方が思う存分遊ぶことができます!
なんとこの広大な施設は、ある1人の社長の熱い思いによって開発されました。
そもそもおおい町にある観光施設は第3セクターによる運営が多いのですが、ここ青戸ベイサイドヒルズは、町内初の民間観光施設なのです!
その社長というのが、株式会社荒木の荒木和之社長です!
荒木社長の会社は、土木建築工事、プラント工事などを行う建設会社なんですが、これからは新たな町づくりに取り組まなければいけないと、私財を投じてこの施設を作ることにしたんだそう。
ほとんどの社員さんは建設業に従事しており、この施設の開発にまで人員を割けないため、社長自ら重機に乗り、施設の開発を行っています。
この日も、子犬用のドッグランエリアを自ら整地していました。
そして今回は、特別にカートに乗って敷地内を案内してもらいました!
レストランもあり、海を眺めながらゆっくりランチを楽しむことができますよ!
これからグランピングエリアなども新たにつくる予定みたいです。
まだまだ広がる青戸ベイサイドヒルズ!
行くたびに新しいエリアが出来ていることでしょう。
社長に出くわすとカートに乗せてくれるかも!?
おおい町の最果てはレジャーアイランドだった!
今回訪れたおおい町の最果て、大島半島・赤礁崎は、2億年以上前の地層があったり、半島の先端に遊園地だった場所があったりと、とても歴史のある場所だということがわかりました。
しかし現在は見事に開発され、広大なキャンプ場や、お子様連れの方やペット連れの家族も丸1日遊べるレジャースポットに変貌していたのです!
かつては連絡船で行き来していた赤礁崎も、トンネルが開通したことでアクセスは格段によくなっています。
例えば、家族連れやペット連れで青戸ベイサイドヒルズでランチをして遊んだ後は、赤礁崎でオートキャンプを楽しみ、翌朝に、遊歩道で散歩するというプランで、大島半島・赤礁崎を遊び尽くしてみてはいかがでしょうか?