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挨拶するだけ!? まちの人に導かれた神さま仏さまとの出会い…【福井県おおい町を発掘!】

今回の発掘の舞台は福井県大飯おおい郡おおい町。

2006年に旧大飯町と名田庄村が合併したため、旧大飯町エリアと名田庄エリアでは風土も結構異なります!

今回は、旧大飯町エリアの中でも、JR若狭本郷駅や役場周辺のいわば中心市街地である『本郷地区』を歩いてみました。

今回の発掘では、これまでにないほど地元の方に声をかけられ、いろいろな場所を教えていただきました。
そして、導かれるように神さま仏さまに出会うことになり…。

どんな発掘調査となったのか、その様子をご覧ください。

今回もフェイスシールドをしっかりつけて出発です!

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たくさんの地元の方に話しかけられちゃいました!【丹後街道】

今回は、サポートメンバーの渡邊敢太さん(おおい町地域おこし協力隊)がおすすめしたい場所があるということで、まずはそこを目指すことに。

出発地のおおい町役場を出ると、目の前の通りは丹後街道(福井県敦賀市~京都府宮津市をつなぐ街道)。
ここをず~っと歩いていきます。

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おおっ!
なんだかおしゃれな建物です。

こちらはJR若狭本郷駅。
町役場徒歩1~2分の場所にあります。

平成2年の『国際花と緑の博覧会』(大阪府)の際に作られた建物を移築した駅舎で、現在は町のシンボル的存在なんだとか。

駅を横目に道なりに歩いていくと、お社を発見!

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「なんだろうね~」「写真撮っておこうか?」とわいわいやっていると、お向かいにある畳屋さんのお父さん(小林さん)が出てきてくれました。
カラフルなスカーフを巻いた集団が朝っぱらから歩いていたら気になりますよね(笑)

小林さんによるとこれは恵比寿様(漁業の神様!)だそう。
すぐそこが海で、船元さんや網元さんもあるので町内で管理しているんだとか。

せっかくなのでおおい町のおすすめも聞いたところ、奥様も出てきてくれて、
「う~ん、何かあるかなあ…。昔はそこに、大正時代に建てられた福井銀行があったんだけどねえ…」
なんてお二人で悩みながらも
「あれは?妙見山みょうけんさんは?見晴らしがいいと思うけど…」
兵助ひょうすけも文化財じゃない!」
と、いろいろ教えてくださいました。

実は私たちが最初に向かおうと思っていたのがその『兵助』さんなんです!

「あとはなんだろうな~。あ!いろいろ知ってる人がすぐ近くにいるよ!」

と、小林さんが近くのお家に連れて行ってくれました。
神ですか!

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出てきてくれたのは『本郷地区のこれからを考える会』会長の西村さん。
朝早くからいきなりの突撃にもかかわらず、発掘の趣旨をお伝えすると「いろいろ知ってるよ~」と笑顔で対応してくれました。
ここにも神!!

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「いろいろ知っている」というお言葉通り、ここには書けないようなここだけの話も教えてくれたのですが(笑)、ここに書けるものだけご紹介を。

まずは近くにあるお稲荷さん。
ここもさきほどの恵比寿様と同様、町内で管理しているもので、やはり船元さんや網元さんなどの商売繁盛を願ってのものだそう。

なんと西村さんが直々にご案内してくれました!
やっぱり神!!

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こんな民家と民家の間を通っていくので、西村さんの案内がなければ行くのに躊躇しちゃってたと思います。
というかそもそも存在に気づかなかったと思う!

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これだけでも十分なのに、西村さん、まだまだ教えてくれます!

西村さん「うちは昔、西村楼っていう名前で商売をやっていたんだけど、水上勉みずかみつとむ(おおい町出身の直木賞作家)の小説に登場するんだよ!犯人がうちに泊まるんだよね」
「水上勉といえば、すぐそこにあるお菓子屋さんのあめと松露しょうろが大好物なんだよ」

あの水上勉さんが大好物だったあめと松露か~。
それは食べてみたいですよね!
ということで、次の目的地は水上勉さんがひいきにしていたお菓子屋さん『丸栄まるえ菓舗』に決定!

ここからお店まで5分ほど歩いたのですが、その間にも2~3人から
「何してるの?」「どこから来たの?」と話しかけられました。
いつもはこちらから声をかけていますが、地元の方のほうから声をかけてもらえるとは、なんだか嬉しいですね!
おおい町本郷、ずいぶんアットホームだなあ♡

水上勉も通った!伝統あるあめと松露がおすすめ【丸栄菓舗】

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丸栄菓舗にやってきましたが、残念ながら日曜日はお休みでした><
また次の機会に…
と思っていたら、お店の横から「何してるの?」と声をかけられました。

声の主は、なんと丸栄菓舗の店主!!
WAKASA発掘調査隊のことも知っていてくれたようで、せっかくだからと特別にお店を開けてくださいました。

またしてもあちらからのお声がけ!
おおい町には神しかおらんのか…。

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こちらがあの水上勉さんの大好物だったというあめ玉と松露。
丸栄菓舗は創業100年を超える歴史があり、昔から変わらない味が多くの人に愛されています。

砂糖と水飴だけのシンプルなあめ玉は、なんだか懐かしい甘さでくちどけがいいです◎
白いほうはここでしか買えないレアキャラ!

松露は、あんこをたくところから4日もかけてつくられるという手間のかかる一品。
あんこが砂糖をまとっていて、シャリっとした食感が特徴的です。
私たちはできて間もないものをいただいたのでほんわりやわらか~でしたが、寒梅粉(米粉)も練りこまれているので、日が経つともっちりと歯ごたえが出てくるそうです。
賞味期限が1ヶ月ほどあるので、少し寝かせて自分好みの硬さになったら食べるといいかも!

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店主のご両親の代には、水上勉さんが京都からタクシーでここまで買いに来たこともあったそうです。
タクシーって!すごいな!!

丸栄菓舗
福井県大飯郡おおい町本郷119-10-1
https://www.wakasa-ohi.jp/marue/

国登録有形文化財の住宅と酒店【村松兵助家住宅】

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たくさんの方に話しかけられながらの道中だったので、ここでやっと最初の目的地に到着しました(笑)
村松さん、本当にお待たせいたしました!

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▲笑顔で出迎えてくださった村松さん

村松兵助家住宅は、おおい町で最初の国の登録有形文化財です。
サポートメンバーのかん太さんが「おおい町でも歴史のある酒屋さんですし、何よりこの主屋が素晴らしいので皆さんに見てもらいたかったんです!」と言う通り、
明治27年に建てられた主屋は、歴史を感じる重厚な雰囲気が漂っています。

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大正時代から戦前までは酒造業を営んでおり、現在はお酒などの販売店となっています。

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私たちは丹後街道沿いの住宅玄関からお邪魔しましたが、お店は反対側にあり、目の前に佐分利川さぶりがわが流れています。

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天気もよかったので、お店から見た景色はこんなにきれいでした!
川はこのすぐ先で小浜湾にそそぎ、その向こうには山も見えます。
今まで歩いてきた丹後街道は1車線分の細い道だったので、より解放感を感じました!

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実は村松さん、わざわざご自宅や本郷地区についての資料を用意してくださっていたんですが(またも神が!!)そこに妙見山も載っていました。
小林さんが自信なさげに教えてくれた妙見山ですが、やっぱりすごいんじゃん!!

ということで、次の行き先は妙見山に決定です!

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川の向かい側にあるのですぐそこです。
今度は村松さんが連れて行ってくれました!

兵助・村松兵助家住宅
福井県大飯郡おおい町本郷120-4
https://www.hyosk.jp/index.php

小浜湾と竹林の景色が最高!静かな境内で景色をひとり占め【妙見山 長應寺】

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妙見山の入り口には鳥居があるのでわかりやすい!
お寺なのに鳥居があるのは神仏習合の名残なのかな?

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道はしっかり整備されているので歩きやすいです!
道なき道を歩くことも多い私たちにとっては軽いほう(笑)
5分もしないうちに到着しました!

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お寺なのに神社みたいな鈴が!
ガラガラとならしてお参りさせてもらいました。

そして、ふと後ろを振り返ると…

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木々の間から小浜湾が見えます!
これが小林さんが言っていた景色か~。
小浜湾を一望!とはいきませんが、木々がまるで額縁みたいで素敵な風景です。

これだけでもだいぶ満足したのですが、もうちょっと欲張って本堂の裏手へ。

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裏は竹林になっているんです!

そして、寺井隊長の立っているところの両脇がくぼんでいる(斜面になっている)のがわかりますか?
これはどちらもお堀なんだとか。

というのも、かつてこのあたりを支配していた本郷家の15代泰茂は、お隣の佐分郷からの襲撃を防ぐため、1553年にこのすぐそばに『達城』という城を築きました。
この地形はその時の名残のようです。

お堀側に落ちないように進み、ふと上を見上げてみると…。

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めっちゃ映えるんですけど!

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この日はかなり暑い日だったんですが、きれいな景色と涼やかな空気に癒されました~。
私たちが登り始めてから下に降りるまで他に参拝客は来なかったので、きれいな景色をひとり占めできる穴場スポットでした!

妙見山 長應寺
福井県大飯郡おおい町本郷字山上113-11-1

御朱印やグッズ集め好きにはたまらない!ゆるかわ「みしょうくん」に癒される【潮音院ちょうおんいん

最後にもう一か所、かん太さんのおすすめスポットを訪ねました。
なんでも、「お寺の壁を超えて活動しようとしているけれど、まだまだ知られていない知る人ぞ知るスポットなので、皆さんに知ってもらいたくて!お寺にアレがあるんですよ!」とのこと。

アレってなんだー!?

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ワクワクしながら歩いていると、かわいい「飛び出し注意」の看板を発見!
これを越えると、これまたかわいらしい「潮音院」の看板があります。

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そしてその先に立派な門がありました!

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こちらの潮音院は814年に弘法大師が開山し、その後衰退と復活を繰り返し、二度の火災にも見舞われながら、1800年に現在の場所に移されました。

いかにもな観光スポットではないお寺に入るのはちょっと緊張!
ですが…

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あれ?
さっきの看板もそうだったけど、やたらゆるくてかわいくないですか?(笑)

実はこのお寺…

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オリジナルキャラを作ってグッズ販売してます!!!

隊員たちも興味津々。
「あれほしい~」「これほしい~」と大騒ぎです(笑)

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メインキャラはみしょうくんという名前で、禅宗で大切にされている「拈華微笑ねんげみしょう」が由来。
拈華微笑とは、蓮華を持ったお釈迦様に弟子の摩訶迦葉まかかしょうさんが微笑んだという逸話のことで、簡単にいうと以心伝心を意味するものだそう。

こんなにかわいいキャラクターをつくって販売までしているご住職ってどんな人?って気になりますよね。
こちらが潮音院の鈴木ご住職です!

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ボクサーの顔を持っていたり、心理カウンセラーの資格があってブログなどでお悩み相談もしていたりするそうで、掘ればまだまだ面白い話が出てきそうなご住職ですが、長くなりそうだから今回はやめておきます!(笑)

みしょうくんは奥様がデザインされているそうで、タオルやキーホルダーのほか、100種類以上のシールもあります。

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3枚100円ですが、御朱印やグッズ購入すると、オマケとして1枚もらえます!

これらのグッズは全て御祈祷済みで、売り上げは仏像の修繕費などにも充てられているそう。
それを聞くと一気にありがたみが増してきますね(笑)

そして、グッズにこれだけこだわっているので、もちろん御朱印へのこだわりもすごいですよ!

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みしょうくんはもちろん、アマビエが描かれているものや、おおい町で作られる竹紙ちくし(竹を原料とした紙)を使ったものなど種類は様々。
期間限定のデザインもあるので、行くたびに新しい御朱印に出会えるかも!

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グッズも買ったし、満足満足!

…じゃなくて、
ちゃんとお寺っぽいところもご紹介しないとね。

潮音院のお寺としての見どころのひとつは観音堂。

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戦争や火事など、不安定な世の中が続いたことで、いろいろなところから観音様が集まって納められたと考えられているようです。

そして天井には青龍が!

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火事から守ってくれるという言い伝えがあるほか、
鯉が滝を登って竜になる、いわゆる「登竜門」を表しているとも考えられています。
すごい迫力ですね!

キャラクターもかわいいし、お寺としての見どころもばっちりだし、もう見るところはないy…

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ガチャガチャがありました!!!!!
かん太さんが言っていたアレってこれのことかー!
かん太さんも何度も挑戦しているお気に入りらしいです(笑)

隊員もみ~んなガチャガチャしてキーホルダーをゲット!

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お寺って敷居が高いイメージでしたが、キャラクターがいたりいろいろなグッズを販売していたりすると、親しみが持てますね!
グッズはネットでも販売しているので(!)、以下の公式サイトをのぞいてみては?

潮音院
福井県大飯郡おおい町本郷85-4
https://choonin.amebaownd.com/

まちの人の声に導かれるままに旅してみたら、神様仏様との出会いがありました!

今回の発掘では「誰かに話しかけられるのを待って、地元の人の声に導かれるままに行く先を決める」。
そんな旅の仕方を発見しました。

いつもはこちらから話しかけている私たちですが、受け身で歩いていても、こんなにも話しかけてくれる方がいることにびっくりしました!

でも、ただ歩いているだけではなかなか難しいかもしれません。
私たちは誰かとすれ違ったら必ず挨拶することを心がけました。
「こんにちは~」の一言で、「何してるの?」「どこに行くの?」と話しかけてくれる人がたくさんいて、そこから会話が広がっていきました。

そして、恵比寿様、お稲荷さん、妙見山、潮音院と、やたらと神さま仏さま(と、神様のような地元の方々)の元に導かれたのも面白かったです(笑)

ふらりとまちを歩いてみて、誰かに会ったら挨拶する
それだけで、ガイドブックにも載っていないようなあなただけの素敵な旅が始まるかもしれません。

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