私たちはもしかすると「ちょっと変わった」外注サービスなのかもしれない
業務をアウトソーシングするときには原則があります。
「外注するなら単純作業」
複雑な作業は、説明したり覚えてもらうのに時間がかかります。仮に外注できたとしても、確認や修正の手間がかかります。
だから、外注するなら説明がしやすく、マニュアルに従って一定レベルで処理でき、確認・修正の手間が発生しずらい単純作業を外注するのが一般的です。
でも「下ごしらえ」はわずらわしい
ただ、いかに単純作業といえど外注することは単純ではありません。依頼する部分を切り出して、手順を整理し、説明するという下ごしらえが必要だからです。
皆さんは、忙しくて誰かに手伝って欲しいのに、他の人に頼める仕事がないという経験はないでしょうか。
人に仕事を頼むためには、当然その仕事の「やり方」を説明する必要があります。そして、説明するためには、仕事の内容や手順が整理されていなければなりません。
しかし、もともと誰かに頼むつもりでもない限り「あらかじめ整理してある」ということは稀です。
仕事を頼もうという段階になって初めて整理する。でも、忙しくて整理に手が回らない。だったら、自分でやってしまった方が早いか…ということになりがちです。
「業務」という一連の流れの中で、上流で下ごしらえがされ、下流で処理が行われる。全体のシステムがしっかりとできあがっていれば、これはとても効率的です。
しかし、上流で流れが止まってしまったら、それよりも下流にある業務はただ「待つ」ことしかできなくなってしまうという弱点もあります。
BPOサービスという「ビジネス」の都合
「では、もっと上流から支援するアウトソーシングサービスを作ればいいのでは?」
というのはもっともなご意見なのですが、今度は、サービスを提供する側のビジネスとしての都合が立ちはだかります。
ビジネスで効率よく利益を上げるためには、仕組み化が欠かせません。
仕組みを作れば繰り返しがしやすくなり、作業効率が上がります。マニュアルに沿って処理できるようにすることで対応可能な人が増え、規模も拡大しやすくなります。飲食店やコンビニなどのチェーン店は、まさに仕組み化のビジネスです。
しかし、「上流から支援する」ということは、言い換えれば、お客様の状況に応じて個別対応するということですので、仕組み化はしづらくなります。
繰り返しではないので毎回設計し直す必要がありますし、対応可能な人材も限られてしまいます。
外資系コンサルティング会社のように「高単価」とすることでそれを実現しているケースもありますが、そうなると、大規模に予算が組める大企業以外は利用できません。
「利用しやすい料金」で「幅広い層のお客様に対応」するサービスをビジネスとして成立させるためには、サービスを提供する側にとっても単純作業であるメリットが存在するのです。
「点」の業務では気遣いが生まれづらい
リーズナブルな料金で作業を依頼できる。その代わりに、頼める業務は限定される
これはサービスを提供する側の理屈としてはよく分かるのですが、一方で、自分がお客様側の視点に立ってみると「もう少し気を遣った方が、お客様としては嬉しいのではないか」と感じることがあります。
たとえば、お客様からの連絡がなかなか来ないときに「前回の作業以降、ご連絡をいただいていませんが大丈夫ですか?」と声をかける。
大量に作業をご依頼いただいたときに「当初のご予算をオーバーしますが、進めてよろしいですか?」とアラートを出す。
ビジネスパーソンとしては、当たり前の気遣いかもしれません。しかし、このちょっとした気遣いが、業務の一部分だけを請け負っていると抜け落ちてしまいがちだなと思うのです。
単純作業だけを処理するのは、業務全体の流れの中の、いわば「点」です。作業する側としては当然、「目の前に流れてきたものを効率的に処理すること」に注目します。
すると、「全体として今どんな状況なのか」「自分の前後でどのような作業がどうなっているのか」は注目すべき範囲の「外」になり、ちょっとした気遣いは生まれづらくなります。
ビジネスの仕組みとしては理に適っていないかもしれませんが、一緒に仕事をするものとして、ちょっとした気遣いができる関係を作りたい。これが、私がBPOサービスを立ち上げたときに抱いていた気持ちでした。
点ではなく「線」で
だから、私たちはお客様の業務を、単純作業という「点」ではなく、「線」でご支援したいと考えています。
「目の前の業務に限らず、一連の業務の流れを見ながら、ちょっとの気遣いができるようにする」
BPOサービスというビジネスの原則から考えれば、それは「ちょっと変わった」やり方なのかもしれません。
しかし、私が自分で感じたような「ちょっとした気遣い」を求めていらっしゃるお客様が、きっと多くいらっしゃるのではないかと思ったのです。
点ではなく「線」でのご支援とは、具体的に以下の3つです。
1.「名も無き業務」を引き受ける
書類の作成や取引先とのやりとりなど、「自分でできないわけではないし、1人雇うほどの業務量はない」という業務。いわば名も無き業務とでも言えるものがあります。
デザインやプログラミングなど専門のスキルが必要な業務は「外注経験あり」という方も多くいらっしゃいます。「自分ではできない」ということが分かりやすいため、外注しようという動機が起きやすいからです。
一方、名も無き業務の場合は、自分でもできてしまう(実際に今までやっている)業務のため、外注する動機は起きづらくなります。
しかし、名も無き業務を外注する効果はあなどれません。
書類の作成も、取引先とのやり取りも、事業を回すためには必要不可欠です。受注が処理されなければ納期に遅れてしまいますし、請求書の作成が遅れればお金は入ってきません。
「ちゃんと処理ができただろうか」と注意を向けるだけで、実はかなり意識のパワーを奪われていることになります。
名も無き業務を引き剥がすことができれば、その分、役員やメンバーの方は事業成長のためにリソースを使うことができます。
特に「専任がおらず、役員が兼務でやっていたが、事業が大きくなり整えなければならなくなってきた」という、ベンチャー・スタートアップ企業の方に多いご要望です。
2. 非定型業務を引き受ける
BPOサービスというと、事務作業などの「定型業務」を頼むというイメージが強いかもしれませんが、ワカルクでは営業やマーケティングといった、いわゆるフロントの「非定型業務」もお引き受けしています。
フロント業務の場合、大枠の方向性だけは決まっていても具体的な施策まで落とし込めておらず、何を・どうやるのか決まっていないというケースも多くあります。
このような場合は、とりあえずやってみて、ダメなら別の方法を考えるというトライ&エラーが必要です。
具体的な施策が決まっていなくても、目的から逆算して施策を考える。「とりあえず、AとBとCが考えられるので、Aからやってみましょう」と提案する。
そうすることで、事業を少しずつ、しかし確実に、前へ進めていくことができます。
特に「今は売上を伸ばすことが何より必要」というベンチャー・スタートアップ企業や、「少数精鋭のため、やりたいことは山ほどあるが手が足りない」という中小企業の方に多いご要望です。
3. お客様の「チームのメンバー」として業務を引き受ける
最近は「コロナ禍の反動で需要が急激に戻り、採用や教育が間に合わない」という課題をお持ちのお客様が増えてきました。
また「需要の戻りに対応すると同時に、将来に備えた新たなチャレンジもしなければならず、自社のメンバーをそちらにフォーカスさせたい」というお客様も多くいらっしゃいます。
このようなときにこそ、BPOサービスとしての強みが発揮されるときです。
複数の企業を支援している経験値を生かして、マニュアルがないケースでも自分たちでやり方を考え、ご提案できる
ITスキルや一般的なビジネスの知識など、ハンズオンの教育が不要で立ち上がりが速い
派遣サービスと異なりチームで対応するので、誰かが休んだときに穴が空いたり、引継ぎしたりせず運用を継続できる
これらは、言い換えれば社内メンバーを採用する代わりにお客様のチームの一員として仕事をするような形です。
特に、大企業の方に多い要望であり、お客様の組織図に「サポートチーム」として組み込まれるような立ち位置でご支援することが多いです。
こぼれ落ちてしまう業務をすくい取れる存在でありたい
単純作業を引き受けることで、お客様にはよりコアな業務に集中していただく。
これも、立派なアウトソーシングの形です。ただ、それだけではカバーしきれずに、スキマからこぼれてしまう業務もたくさんあります。
ワカルクはお客様と同じ目的を目指すチームの一員として、こぼれ落ちてしまった業務をすくい取れるような存在でありたいと思っています。
そして、お客様が「BPOを使って良かった」と心から感じていただけるように、良い仕事で人と人をつなぎ、少しでも多くの人たちに幸せを届けられるように、これからも成長を目指していきます。
社外のパートナーをお探しの企業様がいらっしゃいましたら、ぜひご相談いただけますと幸いです。
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