元コンパニオンから見た、プール撮影会中止の報道
【6月14日追記】
※あくまでもグラビアアイドルと近しい職業でもあるイベントコンパニオン経験者の立場で執筆しています。政治・法律に関してはもっと詳しく説明されている方がいるため、その点ご了承のうえお読みください。
※未成年の水着撮影については、私は切り離して考える問題だと考えており、また法的な立場から正確な情報が提供できる自信がありません。そのため、こちらにつきましてもタイトルどおりの内容ですのでご了承ください。
【6月14日時点での見解】
水着撮影中止要請が撤回されたのはこの記事を書いたあとです。
しかしながら2018年のF1グリッドガール廃止のように、同じようなことがまた起こるのではないかと懸念しています。
そのため、この記事を残しておくことにしました。
グラビアアイドルのプール撮影会がどんどん中止になっている。
グラビアアイドルの仕事がつぶされている。
女性の活躍の幅が狭まっている。
悔しい。
私はグラビアアイドルではない。
元イベントコンパニオンだ。
だが心臓が掴まれたような気持ちになり泣きたくなった。
あえて産まない人生を送る女性たちが、少子化対策で透明人間のようになっていると書いたことがある。
今回、私は昔の自分が透明になっていく感覚に陥った。
悔しい、悔しい、悔しい。
2018年のF1グリッドガール廃止からというもの、ずっと居心地が悪かった。
私たちは、彼女たちは、性的搾取をされていたのだろうか。
しっかりと定められたルール。
クライアントの要望に応じた業務。
やりがいを持ってまっとうする。
女性が、活躍する。
自分のZINE『ピンクが好きだと叫びたい』にも書いたが、これは一部の職業では許されていないことのようだ。
私の人生はイベントコンパニオンという仕事によって救われた。
前夫と別れ、会社も鬱で退職してボロボロになった私は、傷だらけの状態でイベントコンパニオンになり、得意の接客業でクライアントやディレクターに評価されて自信を取り戻した。
でも、私がイベントコンパニオンという仕事に携わっていることを誇らしく思った理由はそれだけではない。
同じ仕事をしている仲間たちの輝きが私に希望を与えてくれたのだ。
数々のイベントコンパニオンや、イベコンと兼業のレースクイーン、グラビアアイドル、モデルと出会った。
無理に仕事を「させられている」。
そんな人はひとりもいなかった。
仕事は辛いこともある。それは誰だって同じだ。
だけど、努力して携わっている仕事を否定されて、入る予定だった現場をどんどんと潰され、「あなたたちは搾取されている」と断定的に言われる。
それがどんなに失礼なことか、当事者を傷つけることか、女性の活躍の場を狭めることか。
わからないのだろうか。
私は政治に詳しいわけではない。
だから元イベントコンパニオンの立場から書く。
今回の件で、イベントコンパニオンだったころの私も、プール撮影会に出る予定だったグラビアアイドルの人たちといっしょに、全否定された気がした。
一部の人たちにとって心地良いものは受け入れられ、不快なものは排除される。
それは多様性と呼べない。
萌え絵は私も苦手だが、排除するのはおかしい。
「不快」はあくまでも感想であり、それによって何かを禁止することはあってはならないのだ。
悔しさがおさまらなくて泣いた。
この風潮は続くのだろうか。
もし続くのなら、多様な社会の実現は永遠に果たされないだろう。