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バーチャル留学を2週間してみた:自宅で留学Draper University

Draper Universityのプログラムにチャレンジしてみた。自分でも何でこんなにチャレンジするのか分からない。もうすぐ半世紀生きてるいい年齢やというのに、こんな場に入っていいの?と思ったりしたけれど、シリコンバレー界隈でも有名な投資家Timが考えるプログラムとは、なんぞや?という好奇心の方が強かった。果たして日本にいながら、シリコンバレーを感じることができるのか?そう思ったのも理由の一つだった。

プログラム前

実は彼の著書を持っていたのだけれど、いつか読もう!と思っていた。なのでやっぱりプログラム前に本棚から出して、目を通す事にした。スタンフォード大学を卒業して、ハーバードビジネススクール卒業、先代から投資家、子供達も投資家という彼の頭の中を覗いてみたい!やっぱり好奇心から読み始めた。

Timが書いた著書はサクサク読めた

そうこうしていると、プログラムに参加するグループに入るよう連絡が来て、そこで驚いた!なんと総勢約150名、40カ国から参加するらしい!これだけの人数、しかもオンラインでどうなるんだろうか!とワクワク。

そもそもこのプログラム、通常ならシリコンバレーのど真ん中、Timがホテルを買い取った起業家育成施設Draper Universityで開催される。若き起業家の卵が切磋琢磨して、独自の面白いチャレンジなどを経て5週間の時間を過ごす。まずその期間も長いのが参加にあたってネック。日本人にとって、5週間のお休みって、学生くらいしか取れないし。そしてその上参加金額は約120万円ほど。渡航費なんかも入れると軽く150万円だとすると、中々ハードルは高い。(それでも物価の高いシリコンバレーで宿泊費用も全部込みだと激高というでもない。かなりお得。)

ところが今回コロナの影響でオンライン開催する事となったわけで。たまたまDraperの施設を以前に利用した際、日本人が殆ど参加していないと言われ、もっと参加して欲しいのにね・・・と話をしていた。サウジアラビアや台湾などは、政府がお金を出してジャンジャン人を送り出している。このプログラムを終えて投資を受けている人、500 Globalなどに合格している人などもいて、起業したばかりの人たちが挑戦する場としては、とても合理的だと思っていたので気にはなっていた。と言う訳で、オンラインプログラムが始まる前に、早割やってますよ!との案内を受けた。実際受けてみたら、どんな事をやっているのか分かるし、自分のアップデートの為にもなる!何より早割だと半額以下で5万円以内で申し込める。よし、受けてみよう!となったわけ。2週間普通に講義を聞くだけだったとしても、シリコンバレーをアップデート出来る場所としてはお買い得だと。

プログラムスタート

早速2週間これから毎日一緒に過ごす仲間との自己紹介が勝手に始まる。スラックを利用しながら、自主的にどんどんみんなLinkedInのリンクを貼って、繋がっていく。日本ではまだまだマイナーだけど、国際的なビジネス情報なんかを知りたかったら、絶対登録しておいたほうがいいLinkedIn。しかもグローバル展開したいのであれば英語で登録しておいて欲しい。名刺文化では無い国も多くて、これあったら繋がりも早いし、特にこんな風にオンラインで出会うとなおさら便利。参加者は起業家だけではなく、エンジニアから、高校生、弁護士まで様々。年齢も高校生から60過ぎた方まで。ほんと、世界中にはチャレンジャーがこんなにいるんだ!と。日本人は私以外にもう一人。シリコンバレー在住の留学生みたいだった。

初日

なんと初日はTimが登場。約1時間以上熱演!熱い!敏腕投資家と言うと、早口でゴリゴリなイメージがあったけれど、実は彼は本当に分かりやすく、割とスローに英語を話してくれる。スタンフォードハーバード出てるとか、どんな?!?って思うけれど、本当に豪快で面白い。とにかく一語一句忘れないようにメモメモ。シリコンバレーでも色んな人の話を聞いてきたけれど、彼の持っている独特の世界を垣間見た。投資家は儲かることしか考えてへんやん!って思う人もいるかもしれない。けれども、シリコンバレーで出会ったビッグ投資家達は、口を揃えてこう言う。”起業家の君たちは世の中を変える”そして”君たちは雇用を生み出すという重要な役割を果たしている”と。心の底からそう信じた相手に、投資しているんやろうなと思った。こうしてテスラのイーロンマスクも投資をうけたのかぁ〜とか色々考えながら聞いていた。あっという間に90分ほどが過ぎていった。で、彼の中ではお決まりの誓約を全員で胸に手を当てて大声で叫んで終了・・・ってこっちは夜中2時ですけど・・・叫べない。。。なのでとりあえず150人くらいいるからバレないし口パクで乗り切る。

チームワーク

もれなくチームに分けられて、いきなり色んなアクテビティーをスタート。そもそも会ったことのない人と、時差もある中、ちゃんとプロジェクトを終えることが出来るん?その時アメリカの大学院で、めちゃ大変やったのを思い出した。それぞれ個人の基準が違うんか、国の常識が違うんかも分からんけれど、とにかくもめたのは確かやった。あの時の感覚がふと蘇ってきたものの、まあ、別に落第させられるわけ違うしね。ちょっと気が楽やなと。

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はじめましての瞬間

うちのチームは香港からの女子大学生J、テキサス在住マーケティングメインのインド人S、コンサルで起業予定の若手オーストリア人C、アルマニアからのエンジニアH、エンジニアで起業家のスウェーデン人T、カリスマ若手アメリカ人DとNPOでとりあえずマルチタスクする日本人のおばちゃんな私。女性は2名。他に4人登録されてたけれど、結局全く顔を見ることなく終わってしまった。いきなりチーム内であるテーマについてスライドを作らされたんやけれど、ここですかさずC君がめちゃ仕切ってくれて、どんどんGoogle PPに入力していく。そうこうしている間に、誰かがそれをスクリーンシェアして、適当にチームロゴ足したり、写真足したりしていく。みんな凄いプロアクティブやわぁ〜さすが起業家プログラムだけある!誰がやるん?とかもごもご迷うことなく出来ることをどんどん見つけてやっていくって言うね。気持ちいい〜こう言うの大好き!そしていざ発表ってなった時にはまだ仕上がってへんかった上に、一番仕切ってたC君の電波が悪く、アップデートされてへん!さすがにどないしよ!!!とかメンバーはなってたけれど、いつ発表の順番回ってくるか分からん中、とりあえず出来る限りの編集する私。臨機応変力は、おばちゃんに軍パイが上がったかもしれん。とにかく間に合った!そして更に発表する時にもC君が頑張ってくれたのに、途中でやっぱり電波が乱れ・・・結局Tさんがしっかりバトンを受け取って終了。いやぁ〜これほんまに最高のチームワーク!もしかしたらチームで勝ちたいのもあったんかもしれん。どのチームも物凄い本気。

プログラムに参加して得たこと

【知識】まずやっぱり世界でもスタートアップ界隈では有名なTimが、今このコロナの影響を受けている状況をどのように見ているのか。それを知れただけでも価値があった。そして何より彼がどういう思いでDraper Universityを作ったのかということを知って、大いに納得した。自身がハーバードビジネススクールでも学ぶことの出来なかった事全てを盛り込んでいるのだと、何かのウェビナーでも話していて更に納得。実際に私もMBAを取得したけれど、起業について学んだわけではない。大企業のマネジメント的な内容と、起業に必要な内容では、全く違うなと。

そしてシリコンバレーだけでなく、世界中で活躍する起業家、投資家、メンターなどの話を聞けたのは、まず間違いなくお得だ!と思った。最新の情報をアップデート出来るだけでなく、共通して言えるのは、全員あっという間に時間が過ぎていってしまうという事。それだけ人を惹きつける選ばれし講師陣。zoomだというのに、そのエネルギーはめちゃくちゃ伝わってくる。その一語一句を聞き逃したくない!そう思って一生懸命とったノートは宝物になる。

投資家からのコメントも、的を得ている。他のチームメンバーに対するフィードバックも含めてめちゃくちゃ参考になる。もちろんメンターからの意見も、それぞれ勉強になることが多く、2週間の間に物凄いアドレナリンが出ていたんちゃうか?ってほど。こちらもノートにメモ書きまくって、振り返ってはビジネスプランを練り直す作業を進めて行くのに役立っている。

何より同期からの情報も本当に役立った。150人の知識があれば、誰かが質問したことに対してすぐに誰かが答えると言った感じ。こういう仲間からの知識は生きた情報なので、何より信憑性が高い。

【人脈】40カ国から150人が集う。この人脈は本当に嬉しい。別に多ければ言い訳じゃないやんって思うかもしれないけれど、沢山いれば、それだけの価値観に触れることができてワクワクする。同じプログラムに参加しただけで、同志なわけで、なんとなく会ったこともないのにめちゃ仲良くなった感がある。それ以外にも、期間中にサクッとウェブページを作ったり、アプリをサクッと作ってくる様なメンバーがいることにも驚き。アイデアを形にする人が増えた。実際に手伝うよ!と言ってくれた人もいて、これからが楽しみ。プログラム終了後はFacebookやLinkedInにも過去の卒業生が入るグループがあり、そこにも入ることが出来る。同じく今まで会ったことのない先輩達とも繋がって、情報交換が可能になる。実は私たちの2020年6月組は他のツールを使ってグループがある。WhatsAppとDiscord。それぞれお互いのビジネスを本気で応援して情報交換している。ここでエンジニアの仲間が、同期が入るアプリを開発してくれていて、面白いことが始まろうとしている。世界のどこにいても繋がる時代だからこそ、その環境によって人生は大きく変わっていくと再確認したプログラムだった。

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zoomで顔を出している人は全員ではないけれど圧巻

【エネルギー】そもそもこのコロナの影響下で、打撃を受けている人もいる中で、このようなプログラムに参加できたことをありがたいと思わなくてはならない。私も将来に不安がない訳ではないけれど、今だからこそ考えられることもある。世の中が大きく変わるこの時代に、何か新しく始めようとしているメンバーしかいないこのグループ。前を向いて、世の中の問題解決をするべく立ち向かう。Heroes』まさにTimが言う起業家=ヒーロー。オンラインとはいえ、これだけの人間が集まると、そのエネルギーは半端ない。そこに加わるTimを含めたDraper関係者。毎日夜中の12時からエネルギーが溢れていて、2時に終わっているにもかかわらす、アドレナリンが出てなかなか眠りにつけなかった。ちょっとした時差ボケが起こっていたという。

結果どうなったか

数年前にシリコンバレーでビジネスアイデアピッチを初めてさせてもらった事がある。それ以来考えていたあるビジネスについて今回発表した。専業主婦の復職についてのビジネス。まだまだアイデアレベルではあったものの、zoomならではの機能を活かして、ファイナルピッチを実施。150人の中から最終日にTim達投資家の前でピッチをさせてもらえるのは25人のみ。どうにか最終ピッチをしたい!その思いが強かったのは、やっぱりおばちゃん根性。『元以上を取りたい!』払ったお金以上にお得感を感じたい根性が、さらに私を奮い立たせた。結果は最終ピッチのその場で順番に発表されるので、とにかくずっと練習はしておく必要があって、結果が出るまでの二日ほど、ずっとピッチの練習を。諦めたらあかん!と自分に言い聞かせて。。。

そしていざ最終日!まず最初の5人がスラックに書き込まれる。

ない。。。

もれなく最初の4人目が終わったあたりで次の5人。。。

ない。

そして8人目くらいのときになって

キターーーーーーーーーーーー!!!

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なんとおばちゃん選ばれたのです!zoomに気合い入れてピッチした甲斐あって、何とかファイナリストへ。自分の順番まで何人かある。もうそわそわして、緊張して聞いてられない。団扇で口を隠して、みんなにバレない様にセリフの練習スタート。帰国子女と言っても、断然日本語が得意な私にしたら、英語で、しかも2分のピッチは難関。そしていよいよ自分の番へ!

思い切り熱くピッチしましたよ!でも本当に熱くPCに向かってピッチしたので、そのさきにいる150人あまりの事を忘れる事ができたのはメリット。やり直しは効かないので、スライドは事前にスライドショー録画しておいた。そうするとクリックするタイミング必要ないし、スライドが変わったらそれに合わせてピッチしたらいい。ペース配分をする必要ないわけ。カラオケみたいなもので。残念ながら上位5名には選ばれなかったものの、この様な晴れの舞台に立てた自分を褒めたいと思う。そしてこのビジネスはアイデアではなく絶対に進めていこうと。色んな同期から応援のメッセージももらった。このままでは終わらないぞと。

オンラインであること

【メリット】一番言えることは、航空券が必要ないので予算的に助かる。自宅で受講できるのも、手軽。そしてオンラインだったからこそ自己紹介とかチャットで出来たり、LinkedInを載せてすぐに繋がれた(実際に会うと、時間的にも全員と交流できない場合もある)。全ての情報も後に見返すことができるようにアーカイブ化される。先ほども言ったように、ピッチで緊張する度合いが減る。それから見た目や発言などでしか分からないけれど、逆に全員フラットに対応できるかなと。実際にはシリコンバレーに行っている訳ではないのに、パソコンを開くとき『どこでもドア」を開く気分だった。それほどDraperのプログラムはシリコンバレーの空気感が漂っていた。自宅にいながら留学気分を味わえた。
【デメリット】やっぱりシリコンバレーに実際行って、同じ釜の飯を食べて。。。という感じではない。実際に会えないと分からないこともあるのかもしれないし、フリータイムに生まれる副産物がない。シリコンバレーの活気に触れられない。これも実際に住んだことがあるからそう思うのかもしれない。あの空気感は、あの空の下にしかないのだということ。そしてプログラム自体の問題ではないけれど、パソコンがzoom利用によってめちゃ熱くなったので、毎日故障しないか冷や冷やしたのは確か。

どういう人にオススメするか

まずは英語力は必要。ネイティブレベルとは言わないけれど、ある程度英語が聞き取れないと勿体無い。喋りに関しては、それほど上手ではなくてもいいけれど、やっぱり発言するという努力が出来る人。プレゼンテーションの機会もあるので、参加したいならば下手でもやってみるというマインドが必要。自分のビジネスアイデアが無くても参加している学生もいるけれど、できれば何か一つある方がいい。もちろん実際にビジネスを持っている人の方がいいけれど、アイデアでも全然構わない。実際のところ、私はビジネスアイデアだけで参加した。そのビジネス、もしくはアイデアなりをブラッシュアップしたい、学びたい、世界の人に知ってもらって意見をもらいたい。そういう人には是非オススメしたい。そしてこんな学校あったら本当に楽しいと思っていた。ここはそんな理想的な場所。



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