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薬を飲まない義母

義母の体調が良くない。
検査入院をして、いろいろ調べて、
どうやら肝臓がかなり悪いということがわかってきた。

自宅療養中の義母は、
大量の薬が処方されている。

その薬を飲んでいないことがある、
ということがわかった。

義母「あまりにも薬が苦くて…」

そして、厳禁とされている飲酒と喫煙も、
どうやら隠れて時々嗜んでいる、らしい。

義母は、優しい人だ。
嫁である私にもいつでもずっとずっと優しくて、
子どもたちを預かってくれたり、
産後の私に毎日ご飯を作ってくれたり(栄養バランスも考えられている)、
何をお願いしても「良いわよ〜」と二つ返事で受けてくれる人。

「いいよ、いいよ」

という人。
身内だけでなく、外食した時のお店の人や、病院のスタッフなど、外部の他者に対して誰にでも優しく気遣える。

だけど、自分のことは「どうでもいいのよ」
とも言う人だった。
それは、病気になる前からずっと。

もしかすると、
あんまり「自分が元気になること」への執着が無いのかもしれないなと思う。

家族の前では「今度から薬飲むわ」「お酒は飲んで無いわよ」と言いながら、やっぱり隠れて薬を飲み忘れたりお酒を飲んでしまったりしているらしい。

年末に会った時、義姉が言った。
「お母さんは、本当に誰にでも優しいけど、それは自分に対しても甘いってことなんだよね。」

ああ、そうか。
義母は、占星術でいうところの、いわゆる「木星の人」なのだ。
「いいよ、いいよ(どうでもいいよ)」
という人なのだ。

だから、にこにこ優しいけど、
「甘い」から自己管理はしきれないし、
もう「どうでもいい」のだ。

そんな義母に対して、夫は激怒している。

「病気を治す気が無いのか?」
「なぜ薬を飲まない?なぜ禁忌を破る?
心配している家族を馬鹿にしている」

夫は水瓶座ステリウムを持つ、
いわば「土星の人」。
義母の「どうでもいい」感じが、
本当に解せないし、許せないのだろう。
隠れてこそこそルールを破る、というのも夫の1番嫌いなこと。
嘘だけはつくな、と。

「ちゃんと自己管理していけば、健康に生きられるはずなのに、なぜそのチャンスを無駄にする?」
「なぜ嘘をついてこそこそ薬を捨てる?」

それは夫の愛ゆえの怒りなのもわかるのだが、あまりに怒っているので、
ちょっと放っておく。笑

私も義母には元気になって欲しいから、
心配している家族のためにも、
もうすこし自分のことを大事に考えて健康になるために自己管理してほしいな、とは思うけれど、
70歳の母が、
そうそう変われないかな…と諦めているところもある。

それでも最近は少しずつ、
義母なりに自己管理しているようだ。

長生きしてくれますように、と祈る気持ちでいっぱい。

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