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少しだけ開けておく

私は1人目の出産をした時、
プライバシーの無い大部屋は絶対無理だ!
と思って個室にした。
追加料金を払って。

個室はもちろん居心地が良かった。
初めての新生児相手に悪戦苦闘しながらも、
同室の人に気兼ねすることなく、
気ままにマイペースに過ごせた。
トイレもシャワーも部屋にあった。
ほとんど引きこもって過ごすこともできた。
何もかも1人だった。

そこから約5年後、
第二子出産の時は、
費用のことも考え、2回目だしいいかな、
と大部屋を選んだ。

同室の人たちもほぼ同じ状況で、
誰かの赤ちゃんが常に泣いていたし、
落ち着けたかと言われると個室よりは落ち着けなかった。

だけど、圧倒的に孤独感が薄かった。

赤ちゃんが夜泣きして、眠れない。
身体がボロボロで歩いてお手洗いに行くのもやっと。
困った時は授乳室へ避難。
どれもこれも、お互い様で。

カーテン越しに
「わかるよ〜」
と思いながら、孤独が癒やされた。

同室の人たちとは、
すれ違ったらあいさつするくらい。
特別な会話は交わさなかったけれど、
お互いの存在は認識していて、
なんとなく感じているくらいの距離感。

個室の時は、
ひたすらに1人だった。孤独だった。
何もかも初めてなのに、
1人で受け止めなければならなくて。

大部屋だと、
みんな一緒に新生児対応をしている心強さがあった。

あれから数年経った今思うのは、
たぶん私は
「少しだけ開けておいた方がいいタイプ」
なんじゃないか、ということ。

プライバシーはカーテンで仕切られていて、
少し声や動きがわかるくらいの距離感、
1人じゃないんだな、
と思えるくらいの距離感に、
仲間なり、同僚なり、家族なり、誰かがいる。

完全に1人の空間で、
自分だけで集中するとおそらく、
孤独になり過ぎて気持ちが沈んでいく。
集中し過ぎるとどんどんネガティブな方へ偏っていく。
私の場合は。

心のドアは閉め切らずに、
少しだけ開けておく。
風が抜けて、
声が聞こえて、
人の気配が感じられるくらいの距離感で。

そのくらいのマインドでいること。

それが自分のメンタルのバランスをとるコツのような気がしている。

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