枯れた技術の水平思考
スーパーマリオ35周年を記念して、「ゲーム&ウオッチ スーパーマリオブラザーズ」が任天堂より発売されるらしい。
マリオ2作品と「ボール」というゲーム&ウオッチで発売されたゲームを収録しているという。
ファンであるならば、もう何万回と遊んだタイトルだけど、ファンの心をくすぐるような商品を出してくるのもまた任天堂なんだよね。
そこで、懐かしのゲームウォッチを家の中で探してみました。
「ドンキーコングII」です。
2画面折りたたみ式のマルチスクリーン。
ドンキーコングJr.が捕まった父を助けるゲームで、監視のおじさんはあのマリオ。
ボタン電池で動くのだけど、電池切れか、故障かわからないが、いまは映らない……
液晶のモノクロでバックライトはなし。
画面に貼ってあるフィルムに絵が書いてあるので、電池がなくてもステージが見える。
下段左から出発し、上段のツタの上部に鍵を運ぶ。
1つ外したらまた下段左の鍵を取りに行き、4つ外せば父を救い出せる。
それの繰り返しでハイスコアを目指す。
音楽とまではいかないが、音も鳴る。
ウォッチというだけあって、時計内蔵でアラームだって鳴るんです……壊れてなければ。
ゲーム&ウォッチを開発した横井軍平氏は、電卓で遊んでいる人を見てひらめいたという。
電卓に採用されているような液晶を使っているので、今の携帯型ゲーム機とはだいぶ異なる。
決められた場所に決められた絵柄しか表示されないのだ。
エアコンのリモコンについている液晶画面を見るとわかりやすいが、冷房から送風に切り替えると、「冷房」の文字が消え、画面の別の場所に「送風」の文字が表示される。
ゲーム&ウォッチの仕組みもそんなかんじだ。
キャラクターを左に動かせば、今いた場所のキャラクターを消灯し、左隣にキャラクターを点灯させる。
横井軍平氏の「枯れた技術の水平思考」という考え方で、まさに誕生したゲーム機だ。
任天堂の技術は決して革新的ではないが、アイディアは革新的である。
今やスマホにタッチパネルは欠かせないが、この技術だって新しいものじゃない。
この技術、使えるなと世の中に知らしめたのはニンテンドーDSだとわたしは思っている。