詩/きみの扉
きみの扉
僕の居場所の筋向かい
彼は浅い眠りの冷蔵庫
目を合わせることはない
同じほうに顔向けて
きみは深い眠りの電子レンジ
目を合わせることはない
だけど今朝
きみの扉だけが僕を見ていた
寝ぼけているのは
僕なのかきみなのか
押しても閉じられない扉
寝ぼけているのは
僕なのかきみなのか
覗きこんでやっとわかった
エイプリルフールじゃあるまいし
そんな顔しながら笑みながら
片方のナベつかみは元の場所へ
幼子の掛布を直すみたいに
おやすみと言って
きみの扉を閉じた
きみはすぐに
深い眠りの電子レンジ
彼は時に唸る
浅い眠りの冷蔵庫
扉の起源が知りたくなった