詩/どんな味
「どんな味」
もう なくなってしまったけど
たしか、2回だけ行った あの日の
うな丼の味を 思い出します
どんな味だったっけ
たしか、カウンターに座っていて
おさないぼくは なんか、遠慮がちで
あのうな丼を しずかに もくもくと
おいしそうに食べていて
ぼくのとなりには
ゆっくりとゆっくりと
おいしそうに
ビールを飲む
おとうさんが座ってたっけ
たしか、ビールだけ
飲んでたっけな
もうなくなってしまったけど
あのお店の うな丼の味が
近ごろ おとうさんの味になって
ちょっとしょっぱく 感じてます