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「消えた林檎」 詩 若葉坂道 テーブルの上には醤油と飲み残しのワインボトル 透明から見える…
「わたし」 詩 若葉坂道 どうしても出来ないわたし どうしても信じられないわたし どうして…
「焼き肉のタレに逢いたくて」 詩 若葉坂道 大さじ3杯の醤油の湖 調味料棚の山間(やまあい)…
「はなさき」 詩 若葉坂道 深い渓谷に転がる硬い雲の上 僕はそこで眠ってしまったようだ 片…
「待っている」 何もしていない僕は 動き出す自分を待っている 待っていることをやっている…
「房葉(ふさば)の影」 少し燻(くす)んだ窓ガラスの右肩に 房葉の影が揺れている 振り子のよ…
「びにーるそらみる」 ビニール空見る知るに見ず 気に入るヒールに昼に居る 西見るビールに胃に染みる 椅子に反らずに手元見る 出ずに朝寝る昼も寝る 密に居るなく ウチに居る 道に陽が差す オモテ出る 芽出る愛でてる女の子 あの子どこの子 向かいの子 向かいのコンビニ風吹いて 浮いたビニール飛んできた (はじめから)
「マグカップに顔を隠して」 決まった時間に 暖簾(のれん)を仕舞うように 隣りの家が雨戸を仕…
「雑踏で見つけた日陰の下で」 雑踏で見つけた日陰の下で 少し低い段差に腰を下ろした 喉が…
引き出しで眠る乾電池 どうしようもなく ホコリを被った貰い物のジャム どうしようもなく 引…
はるの終わりに もう何もかもやめてしまおう なんてなんて思うこともあるのです ほつれほつ…
ただいまとおかえりアナログの赤 何かを患ったプリンター 黒がないとコップの底を鳴らしてる …
ただ海を眺めるきみと僕 きみが作った程よく小さなホールケーキ 目の前に現れたのは夕飯の前 …
無理のない体勢で 靴下を履く 無理のない間隔で 珈琲を飲む 無理のない眼差しで ネコを撫でる 無理のない仕事着で 玄関を開ける 無理のない感覚で 空を眺め風を感じる 無理のない肯定感で ゴミ捨て場を見送る 無理のない速度で 軽ワゴンを走らせる 無理のない動線で コンビニに車を停める 思いもしないタイミングで 助手席に伏せた携帯が震え鳴る 無理のない視線で 鳴り止むのを待つ 無理のない俯瞰で 暮れた途方がしばし晴れる 無理のない時間で 現場へと向かう 無