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「とうめいなせんぷうき」 はねをひろげて わたしのほうを向いて 好きなときに 好きなだ…
「板チョコがすきなのかがわからない」 ブラックを好んでいたはずの珈琲には 気がつけばミル…
「黄色いくるくるかえる」 雨上がりの公園で黄色い傘をさす子ども 飛び石の水たまりで黄色い…
「消えた林檎」 詩 若葉坂道 テーブルの上には醤油と飲み残しのワインボトル 透明から見える…
「わたし」 詩 若葉坂道 どうしても出来ないわたし どうしても信じられないわたし どうして…
「焼き肉のタレに逢いたくて」 詩 若葉坂道 大さじ3杯の醤油の湖 調味料棚の山間(やまあい)…
「はなさき」 詩 若葉坂道 深い渓谷に転がる硬い雲の上 僕はそこで眠ってしまったようだ 片肘を枕に 左耳を空に向け漂う 鳥の声が近づいて 目が覚めたことに気づいたが 漂う空気に浮遊した 何かくすぐったい感覚 鼻先に気配を感じ 目を開けた 僕の視界に迫るネコの鼻先 ヒゲの毛先はポートレート ごきげんいかが?と聞こえたが めしはまだか?と言っているようだ 窓から陽を浴びて ネコと並んで伸びをした 今度はごきげんいかが?と聞こえた 僕には眩しすぎるよと答えた
「待っている」 何もしていない僕は 動き出す自分を待っている 待っていることをやっている…
「房葉(ふさば)の影」 少し燻(くす)んだ窓ガラスの右肩に 房葉の影が揺れている 振り子のよ…
「びにーるそらみる」 ビニール空見る知るに見ず 気に入るヒールに昼に居る 西見るビールに…
「マグカップに顔を隠して」 決まった時間に 暖簾(のれん)を仕舞うように 隣りの家が雨戸を仕…
「雑踏で見つけた日陰の下で」 雑踏で見つけた日陰の下で 少し低い段差に腰を下ろした 喉が…
引き出しで眠る乾電池 どうしようもなく ホコリを被った貰い物のジャム どうしようもなく 引…