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もし介護を選ばなかったら
って頭の中に浮かんだ時、毎回振り払ってたけれど
振り払っているということは、モヤモヤしているということなので
お得意の言語化してみることにした。
もし私が祖母との生活を選んでいなかったら
夫と共働きで賃貸で二人暮らし。旦那は仕事が不規則な為、ご飯の用意はお互いセルフ。
仕事後にスーパーで安い鳥のササミやら白菜やらもやしをタジン鍋で茹でてポン酢かマヨネーズと七味で和えるのが定番の夕食。
好きな時にコンビニに行って
友達からの飲みの誘いも絶対に断らない。
夫と休みが合った日は、ふたりでお昼まで寝て
一緒にスーパーに行って買い出しをして、夏は素麺・冬は鍋をつつく。
各停で電車に乗って日帰り旅行。私は雑貨屋巡り、夫は御朱印帳集めが好き。お昼ご飯はたいていご当地ラーメン。
部屋の掃除は潔癖症な夫の仕事。シンクの生ゴミやお風呂の排水口の掃除は私の仕事。
夫お気に入りの深夜アニメを一緒に見て、何がそんなに面白いんだろうと思いながら水仕事が多くて乾燥肌の夫の手にハンドクリームを塗る。
それが、一年前に祖父が亡くなるまでの私の日常だった。
私は新婚生活を中断して、祖母との同居を始めた。
旦那に不自由を強いていて、申し訳なく思っている。
もし、あのまま、祖母をひとりで生活させるか、母が祖母の家に行くか、祖母を施設に半ば強引に入居させていたら
祖母はひとりでは何もできない人だから、ひとりでの生活が嫌で毎日母に愚痴の電話をかけ続けただろう。私(祖母)は実母を引き取って介護したのに、あなた(私の母)は薄情であると。
母が祖母の家に住み込んだら日々老いていく祖母を一番近くで見続ける生活に、心身共に疲弊して目もあてられなくなっていただろう。それでも母は責任感が人一倍強いから、誰にも相談せず全てをひとりで背負ってぶっ倒れていたに違いない。
祖母を老人ホームに入居させていたら、私はまだひとりで生活を送れるのに、娘が私を要らないからここに入れたんだ。と、お得意の被害妄想を爆発させて職員さんを困らせて、急激に老け込んだことだろう。マリーアントワネット並みに。
もちろんこれらは私の脳内で立てた仮説であって、実際にそうなってみないとわからないことはたくさんある。
ただひとつ言えることは
孫の私が祖母を気遣って週に二回は電話をかけたとしても、それは祖母にとってなんの解決にもならず。一時的な慰めになったとしても、実の娘から裏切られたという遺恨をずっと心に持ち続けたまま生活しなければならなかったということだ。
(祖母は、現在私と同居していてもたまに「〇〇ちゃん(私の母)と一緒に住むんだと思ってたのに…」と口にする)
全てが都合良く回ることは、200%ありえない。
ただ、夫とのこれからの生活は果てしなく長い(予定)けど、祖母と過ごせる時間は後少ししか残されていない。
だったら、娘である私の母のことを恨まずに天国の祖父のところに会いに行ってほしい。
天国で「あなたが逝ってしまった後も、ちゃんと幸せでしたよ」と祖父に報告してほしい。
それが、私にできる唯一の祖父母孝行だと。
祖母が天寿を全うした時に、私はやりきったと思いたい。
結局、私は私のために祖母と生活している。