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運命だと思ったのにな。⑦

前回の続きです


 後輩から急に連絡が来た。それは友達とマカロニえんぴつのライブに行って、ご飯屋に入ろうとしている時だった。
外観を撮ろうとカメラを構えた時、LINEの通知が鳴った。

  『今日、午前1:40に永眠しました。』

全く理解ができないまま、お通夜に行く手配やら、サークルのOB達への連絡、交通手段の確保等で実感がわかなかった。忙しかったおかげで泣いてる暇もなかった。逆に助かった。

マカロニえんぴつの曲は彼との思い出がたくさんだ。特に恋人ごっこを聞くと鮮明にあの頃を思い出す。もちろん、ライブ中も彼のことを思い出していた。そんな矢先、ライブの余韻に浸る間もなく、彼が死んだ。

 次の日のお通夜では、久々に会う人たちがたくさんいた。不思議と悲しい感情より懐かしくて自然と笑っていた。不謹慎だ。と思う人もいるだろうが、多分彼はその方が、俺たちらしいと言うだろう。

故○○ ○○に続く名前を見て、あ、本当に死んだんだ。と若干実感が湧いたが、受け入れられずにいた。みんながありがとう。と呟きながら手を合わせている時、私はごめんねの感情しか浮かばなかったし、変わり果てた姿を見て、彼が死んだ気にはなれなかった。

 OB達の間でお通夜のみ参列と決まったので、次の日は普通に出勤の予定だった。
翌朝、泊まっていた同期を見送ってから、急に涙が止まらなくなった。このままでは仕事に行けないと思い、とりあえず、職場で1番仲の良かったおばちゃんに連絡した。

泣きすぎて上手く喋れない私に、
「今日は休んで、お葬式に行きなさい。最期のお別れきちんとしておいで」と言ってくれた。

急いで準備をしてフェリーに駆け込んだ。涙が止まらない。やっと実感が湧いていたのかもしれない。死んだ事実が悲しくて、寂しくて、もう会えないのが受け入れられなくて。上手く言葉にできないがとにかく涙が止まらなかった。

 あの日から今日まで思うことは変わらない。まだ何もしてあげれてないし、たくさん傷つけたことちゃんと謝ってもない。

 結局、高い焼肉奢ってもらってもないのにな。なんで死ぬんだよ。早すぎる。たくさん聞いてた将来の夢は?地元を案内してくれる話は?私、結婚するならあなたしかいないって元カノでもないのにいまだに思ってたよ。

 あなたが社会人になったら、今度は大人になった私であなたと向き合うから付き合ってほしいってずっとずっと思ってたのに。なんで死ぬの。

こんなことになるならちゃんと気持ちを言葉で伝えていればよかった。

 死んだ今、彼が本当に思っていたことも、何もわからない。私のことどう思ってたんだろう。

 出逢った時から、私はずっとあなたと結婚したかった。というか、直感でこんな人と結婚したら幸せになれると思った。それは2年弱、付き合ってもないのに一緒にいた期間も変わらず思っていたし、離れた今でもずっと思っている。

もうあの時の思い出話もできない。2人だけの秘密がたくさんあったのにね。

一緒に食べた人生で1番美味しかったかき氷。
大好きな食べ放題の焼肉屋さん。
喧嘩しながらバイトしたお好み焼き屋さん。
コロナ禍で太りすぎたからって謎に歩いた道。
2人で号泣しながら見た余命1ヶ月の花嫁。
SPEC全シリーズをぶっ通しで見た日。
一緒に勉強した、私のバイト先のカフェ。
私が怒ったら絶対買ってきてたトマトジュース。サプライズでサンタの格好してきたクリスマス。
ねだって渋々買ってもらったピアス。
恋人ごっこを弾き語って喧嘩になったあの日。
お腹すいたってLINEしたら絶対買ってくる、セブンの麻婆豆腐丼とコールスローサラダ。
臭いって言われるのだけが許せないあの顔。
ホワイトムスク臭いあの部屋。
普通の人なら「えぇやん」って言うのにLINEでも言葉でも「えいやん」って言う変な所。
シラスの匂いがするエレベーター。
痩せようって始めた自炊生活で2人して太ったコロナ禍。
一緒に作ったハンバーグやシチュー。

まだまだあるけど、思い出したらしょうもなさすぎて笑えるね。
喧嘩ばっかりだったけど、すごい楽しかったよ。

よく、俺のこと見下してるから、そんな態度が取れるんだ。って言ってたね。

今ならちゃんと答えれる。

 違うよ。見下してなんかない。むしろ、尊敬してた。そして、何言っても優しく応えてくれるから、甘えすぎてただけだよ。
あなたがいなくなった今、存在の大きさを実感してます。

今でもふとした時に思い出す。もう一度会えたら言いたいことがたくさんある。

だから、こんなnoteを書いてるよ。
何年経っても忘れないように。
もし忘れちゃっても、これを見れば思い出せるから。
あなたとの大切な思い出達を言葉にしておきたくてこの投稿を始めました。

今まで本当にありがとう。天国で私のこと見てて。そして、運命の人お前の代わりに連れてこい。

あなたの分まで生きるなんて言わない。あなたと生きたかった人生を私は別の人と生きれるように進もうと思うよ。

今でも大好きだよ。楽しかった日々をありがとう。

あーあ。あなたと出逢ったこと運命だと思ったのにな。

                  おわり。


最後は感情爆発してたくさん書いちゃいました。

長くなりましたが読んでいただきありがとうございます。
続きではないですが番外編を書こうと思うので、ぜひそちらもよろしくお願いします。


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