運命だと思ったのにな。⑥
お久しぶりです。続きです。
彼と連絡が取れなくなってしばらくして、私はなんでこの私の電話を折り返しもなし。LINEもしてこない。これってどういうこと?とブチギレ寸前だった。彼からは何の返信もないため、ある後輩に連絡をした。
後輩との電話で聞いた内容は
『あいつ、脳の病気で入院してるんですよ』
だった。
は?え?どゆこと?なんで?なんで急に?
頭の中にはてながいっぱいだった。全然理解できないし、まぁ、たいしたことないでしょ。コロナ禍でお見舞いに行けないけど、少し経ったらお見舞いに行こう。そう思った。
詳しい話を聞くと、脳の病気で入院して、手術をしたらしい。そして手術は成功したがなぜか意識が戻らないらしい。
え?なぜか?え、、、、それって大丈夫? え?
理解できなかった。何度考えてもやっぱり、意味がわからなかった。
そして、なんでこんなことになるまで私に何も言わないの。と苛立ちもした。
普通、入院する時、手術の前に私に弱音吐くでしょう。なんで?何も言ってくれないの。と思った。
私は今までたくさん助けられてきたのに、頼ってきたのに、本当に彼がしんどい時に私は何も知らなかった。悔しかった。悲しかった。情けなかった。
言葉が出ない私に後輩は、
『僕も何も聞かされてませんでした。このことはお母さんから聞きました。多分あいつは、大切な人だからこそ、心配かけたくないし、カッコつけるやつだから、あえて何も言わなかったんだと思います。そして、しれーっと帰ってきて笑い話にするつもりです。』と言った。
逆にダサいわ!って言ったけど、そうだと信じたい自分がいた。そうじゃないと、彼の中で私はどんな存在だったのか。こんなに大切なことを伝えない存在だったのかと違う意味でも立ち直れなさそうだったから。後輩の言葉を受け入れることにした。
そして、彼が退院する時は美味しいご飯奢ってやろうと誓った。
心配で仕方なかったが、私には彼の容態を知る手段も権利もなかった。彼女でもなければ、元カノでもない。後輩が教えてくれないとわからないし、何かあったら教えてくれるという話で終わっていたから自分から連絡はしにくかった。
後輩から次に連絡来たのは、この話を聞いた3ヶ月後だった。
つづきます。
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