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運命だと思ったのにな。③

ダラダラと③まで続いております。読んでいただきありがとうございます。


 子犬系男子との別れからしばらくして、サークルに途中入部したいと、2歳下の男が現れた。んーなんて言ったらいいんだろうか。とにかくいいやつ。誰にでもいいやつ。イケメンではないが趣味はかっこいい。ギターにカメラ、運転と趣味だけ聞いたら、どんなイケメンだって思うような奴。
 そう。この趣味イケメン男にわたしはビビッときたのだ。ビビッと来たと言っても、かっこいい!とか好き!とかではなく、初めは、あーこの子、誘ったらなんでも、はいって言うこと聞くんだろうな程度の感じ。
 そして、初めて声をかけたのは、彼が初めてサークルに来た日から1ヶ月経つか経たないかだった気がする。シャンプー変えたいから買いに行くの着いてきて。と言うと、もちろん返事はいいっすよ〜。部会終わりに一緒に自転車を漕ぎ、マツキヨに行ってBOTANISTを買ったのを覚えている。今思えば、この時からなんかいいなと思っていたのかもしれない。
 次に誘ったのはクリスマスイブの日。どうせ一緒にいる人もいないんでしょ?わたしのクリスマスぼっちスタバに付き合えと誘った。まだ先輩後輩関係の私たちは先輩として、しっかりスタバを奢り、買い物にも付き合わせた。何飲んだっけ、抹茶かな。私はこの時すでに、この人と結婚したら私幸せになれる気がする。と思っていた。なんでそう思ったかはわからない。なんとなく。ただなんとなくだった。好きとかじゃなく、彼が私を幸せにしてくれそうって感覚だ。
 こう思ってからは計画的に進めた記憶がある。みんなでホラー映画鑑賞しよう。散歩しよう。彼に会うための口実でサークルの後輩を集めて遊んだ。別に会いたいとか好きとかじゃなくてただ私の彼氏になって欲しかった。
 彼は女経験はゼロだが、女との距離が近い。これはチャラいとかの部類ではなく育ってきた環境だ。そのため、私が背中にもたれかかっても、ホラー映画を見ながら手を握っても、全く手を出されなかった。なんで?普通は手出すでしょ!と思いながら次の段階まで私の行動はエスカレートした。後輩がいても私が一方的にベタつくし、後輩が寝ている横でちゅーもした。ちゅーして私が彼に言った言葉はどうする?責任取る?だった。今思うと怖い先輩。サークルに急に来なくなってもおかしいことしてるな。
 でも、わたしの作戦通り、一度バグった距離感はなかなか戻らない。彼を家に呼び、遅いから泊まれば?みたいなことが当たり前になってきた頃、わたしは彼にこれからのことを詰めるのだった。

つづく


やっと運命現る。つづきます。

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